内部被曝防止: ずくなしの冷や水

2012年02月29日

米をベースとした食品は高リスク

福島県産米の緊急調査が継続中だが、2011/12/22現在で福島市旧小国村分が農家133戸、4,897点のサンプルを検査した結果263点が500ベクレルを超過、福島市旧小国村分を除いた福島市ほか4市18旧市町村の農家4,260戸、4,451点を検査した結果11点が同じく超過という結果になっている。

次の図は、12/18までの発表分について福島県内の市町村別の自治体測定空間線量率の最高値の高い順に予備・本調査の旧市町村別セシウム濃度最高値と、緊急調査で暫定基準を超過したものの最高値を並べたものだ。

空間線量率の高いところほど、厳密な測定結果では高い濃度が出ている。福島県は、8千点近くのサンプルを検査しているが、検査数値については暫定基準を超えたものしか公表していない。

上の図には入っていないが、福島県の12/22付けの発表によると、福島市旧福島市の米から1,540ベクレル/kgのセシウムが検出されている。これまでの最高値を更新。

私は、暫定基準未満の結果となったものでも相当高いものが少なからずあるのではないかと懸念する。

この先、暫定基準を超えた米がどう処理されるのか、そして暫定基準を超えないものの300ベクレル、400ベクレルという値を示した米がどこに流れるのか、強く危惧する。

福島県下では、業者が1俵8,000円とか5,000円の価格を提示して買い付けを行っているとの情報がある。食用の米として売られることもあるだろうし、それ以上に加工用米穀として流れるだろう。

せんべい、味噌、醤油、ビーフンなどの米加工品、さらには酢や酒類の材料としても使われる可能性が高い。

福島県産米は決して安全とはいえない。このまま毎年汚染米が出回るとしたら、日本的な食生活のパターンは危険極まりないものとなる。来年、福島で田植え後の立毛を鎌で刈り取ってやるなどという過激な発言が出るのも無理からぬことだと思う。

福島県の農家は、安全な食料を供給するという原点に立ち返ってほしいと願わざるをえない。

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福島県が12/18発表の資料で福島市旧小国村の検査点数5066のセシウム濃度の分布を示している。赤い線は、ずくなしが加えた。


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TBSニュース 12/26 23:54
農林水産省は、今年収穫された100ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたコメについて、業界団体が買い取り、市場から隔離する方向で調整している。買い取りや処分にかかる費用は東京電力に賠償請求する。

一方、今年収穫したコメから100ベクレルを超える放射性物質が検出された地域では、来年の作付けを制限するか検討するよう、関係自治体に示す方針。

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2012/02/16 09:43 福島民報
平成24年産米の作付けをめぐる国と県内市町村の意見が対立し、調整が難航している。農林水産省は「県産米の信頼回復のため」とし、放射性セシウムが一定の値を超えた地域で作付けを制限したい考えだ。一方、市町村側は「生産意欲を維持する必要がある」として、全域での作付けを認めるよう求めている。田植え準備を控え、農水省は今月中に作付け方針を決める予定だが、「着地点」が見いだせずにいる。

県の調査で100ベクレル超500ベクレル以下のコメが検出された市町村
福島市、川俣町、伊達市、桑折町、国見町、二本松市、本宮市、田村市、白河市、西郷村、相馬市。

2012/2/28 21:22 日経
農林水産省は2/28、2012年の福島県でのコメの作付け制限の概要を発表。コメから1キログラム当たり500ベクレルを上回る放射性セシウムが検出された地域に加え、10月から適用される同100ベクレルという新基準を超えた地域も作付けを制限する。ただ地元農家らの要望を受け、全袋調査などを条件に作付けを認める例外措置も設けた。
posted by ZUKUNASHI at 09:14| Comment(0) | 内部被曝防止

2012年02月22日

いわき市がヨウ素剤を対象全住民に郵送配布

いわき市は、2011年の暮れから、全6万8000世帯を対象に、40歳未満の住民約14万人に安定ヨウ素剤の郵送配布を始め、2012/1月中には配布完了の予定。

これは、政府の被曝対策見直しに先行した動きだ。

「原発事故発生時の被ばく対策見直しを検討している内閣府原子力安全委員会の分科会は2012/1/12、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を、原発から半径30キロ圏内の各家庭に事前配布することが有効とする提言案を示した。

提言案は、予防防護措置区域(原発5キロ圏、PAZ)及び緊急防護措置区域(同30キロ圏、UPZ)=安全委で導入を検討中=への各戸事前配布について「有効」または「有効だろう」とした。放射性ヨウ素防護地域(同50キロ圏、PPA)=同=については「各戸事前配布や屋内退避期間中配布を検討するべきだ」とした。さらに、服用指示の実施手続きや判断基準、国の責任を明確化することを求めた。」

いわき市は、60km圏に市域のほぼすべてが含まれる。内側の円は30km圏を示す。


いわき市は、2011/3/18に市民が公民館などに取りに行く方式でヨウ素剤を配布しており、その際の市の発表文は次のように述べている。

「本市の場合、現在、国による退避指示の範囲にはなく、健康被害が心配されるものではありませんが、避難所において、他の市町村から避難されている方に出身自治体において、安定ヨウ素剤がすでに配布され、市民に不安が広がってきていること、また、なぜ配らないのかという市民の不安に思う気持ちに応え、万が一、高い濃度の放射能物質にさらされた場合に備え、「安定ヨウ素剤」を本日からお配りすることといたしました。」

そして、平成23年11月30日には、次のように発表している。

「現時点においては、未だ原発事故が収束していない状況にあり、また、配付した安定ヨウ素剤が本年12月に有効期限を迎え、対象となる全ての方に新たに配付する必要があることから、郵送(簡易書留)により事前配付及び回収を行うこととしました。」

欧米では、安定ヨウ素剤を誰でも薬局で購入でき、機動的に服用できる仕組みになっているというから、その方向に近づくのは良いと思う。ただ、いわき市で服用のタイミングの指示は、誰が責任をもって行うのだろう。

国の原子力安全委員会は、ヨウ素剤の服用を指示するかどうかの判断にSPEEDIを使わず、実測データを用いる方針を示しているが、いわき市内にモニタリングポストがあるのかどうかも不明だし、誰がどのデータに基づいて服用の判断をするのだろう。

しかも、放射性ヨウ素に的を絞ってどうやって測定するのか。

いわき市については、放射性ヨウ素による被曝が強いところもあったと見られている。8/11朝のNHKのニュースで、3月の小児甲状腺サーベイで福島県のいわき市の4歳児が35mSVの被曝と判定されたが、その情報が安全委員会のホームページから削除されたとの情報が流れたのだそうだ。

3月の小児甲状腺サーベイとは、次のものを指すのだろう。

2011/5/12原子力安全委員会事務局発表
3/23のSPEEDIの試算を踏まえ、特に感受性の高い小児への健康影響をより正確に把握するため、屋内避難区域あるいはSPEEDIを用いた試算(3/23公表分)で甲状腺のの等価線量が高い評価された地域の小児の甲状腺線量の実測を原子力災害対策本部事務局宛に依頼した。
3/26〜3/27 いわき市保健所 134名
3/28〜3/30 川俣町公民館 647名
3/30 飯舘村公民館 299名
合計 1,080名

いわき市は、空間線量率は福島県内では相対的には高くないが、放射性ヨウ素に関しては、飯舘村と同レベルと見られている。上の資料では結果も記されている。

小児甲状腺サーベイの結果
小児甲状腺被曝調査を実施した0歳から15歳までの1,080人の小児については、スクリーニングレベル0.2μSv/h(一歳児の甲状腺等価線量として100mSvに相当)を越えるものはなかった。

なお、調査に関する内閣府原子力被災者生活支援チームの資料には、「1歳児以下で0.2μSv/hを越える場合、放医研問い合わせとする」とある。

2011/8/17原子力被災者生活支援チーム医療班発表資料
小児甲状腺簡易測定結果の概要について
このスクリーニングに関する原子力安全委員会の評価

最も高いスクリーニングの値を示した小児は、0.1μSv/h。0.2μSv/hが一歳児の甲状腺等価線量として100mSvに相当するわけだから、一歳の小児で0.1μSv/hなら甲状腺等価線量として50mSv相当。小児の年齢が高ければ甲状腺等価線量は下がるから、この最高値を示した小児が上のNHKの報道で言ういわき市内の小児の可能性が高い。

いわき市内の他の小児も高い被曝をしている恐れがある。

2012/1/18、内閣府原子力安全委員会の作業部会の主査を務める本間俊充・日本原子力研究開発機構安全研究センター長は、「緊急時にSPEEDIは信頼性に欠ける。予測システムで何かができるというのは幻想だった」と述べたと伝えられている。巨額の経費をかけて構築してきたSPEEDIは幻想の賜物なのか。

今後の被曝対策を実測値によることとしたら、それこそいざというときに役に立たない。電力会社が3/11以降改心してこれからは事故の際には事実をありのままに公表するとでも考えているのか。SPEEDIのデータ隠しの弁明のための信頼性議論は論外だ。小児甲状腺サーベイの対象地域の選定でもSPEEDIのデータを使うしかなかったではないか。

いわき市も、2011年3月の失敗の挽回を図り、放射能防護先進都市を目指しているのなら、それなりに評価すべきだと思うが、やっていることは場当たり的だ。

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2012/2/21の朝日新聞から
2012/2/21、内閣府の原子力安全委員会は、昨年3月下旬に福島県いわき市で実施した検査で、甲状腺の局所の被曝線量が最高で35ミリシーベルトだったという評価値を公表した。

安全委は、昨年3月末に線量の高い子の追加調査をするよう国の原子力災害対策本部に助言したが、子どもや家族の不安につながるおそれなどを理由に受け入れられなかったとしている。

対策本部生活支援チームは「安全委は昨年4月3日に『直ちに追跡調査をする必要はない』という助言を出している。今ごろ追加調査を助言していたと主張するのはおかしい」という。
・・・原子力安全委員会がHPから削除した甲状腺の被曝線量が35ミリシーベルトの幼児がいたことを改めて認めたことになる。追加調査の助言を巡って関係者の主張が齟齬をきたしており、どこに真実があるのか。責任逃れの一環か。

関連記事
いわき市内の汚染状況がよくわからない
柏、いわき、南相馬、一関

(初出 2012/1/24 追記 2/22)
posted by ZUKUNASHI at 10:13| Comment(0) | 内部被曝防止

2012年02月07日

福島県米緊急調査終わる

2012/2/3、福島県米緊急調査が終了し、結果が公表されている
地域区分ごとの調査状況

1 福島市旧小国村 調査戸数135戸、調査点数5,066点。調査期間11月16日〜12月18日。検出最高値1,270Bq/kg。

2 特定避難勧奨地点が存在する地域等 6市町村22旧市町村 調査戸数4,910戸、調査点数6,852点。調査期間11月22日〜2月3日。検出最高値1,540Bq/kg。

3 放射性セシウムが僅かでも検出された地域 29市町村128旧市町村 調査戸数18,202戸、調査点数20,837点 調査期間12月28日〜2月3日。検出最高値550Bq/kg。

4 合計29市町村151旧市町村 調査戸数23,247戸、調査点数32,755点。

旧市町村別の検出最高値の分布。検出せずは除外。

検出最高値が300Bq/kg以上の旧市町村の検出値階層別点数の構成比。左から検出せず、以下100Bq/kg刻みで右端は500Bq/kg超。

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福島県の米緊急調査が続いている。2011/12/28に福島県が発表したプレスリリースによると、緊急調査対象市町村28に対して6、対象旧市町村151に対して22、対象農家戸数25,100戸に対して4,840戸の進捗率となっている。農家戸数で20%が終わっただけだ。

12/30には、伊達市旧堰本村1戸の1検体から550Bq/kgの放射性セシウムが検出されている。15点が暫定基準を超えた。

年が押し詰まってから、出荷自粛を告げられる農家の側も辛いだろう。一方、暫定基準超過の米がほぼすべて自宅や流通業者の倉庫に保管中というのも、解せないところがある。

このペースで緊急調査が進むとあと数ヶ月時間がかかるだろう。

福島県は、12/28現在の結果総括として
○ 全体の79.3%が「検出せず」であった。
○ 検出せずを含む100Bq/kg以下の検体は、全体の94.5%となった。
としている。

5.5%の検体が100Bq/kg超の放射能を示したわけで、これをどう受け止めるかは、個人によって異なるだろうが、私は、100Bq/kgでも食べたくない。ご飯1食精米80gとすれば、精米の過程でセシウム濃度は低下するものの玄米ベースなら8Bqも口に入れてしまうことになる。

3食で160g食べれば、1日16Bqも口に入る計算になる。カリウムでセシウムを抑えられるかに書いたように、このうち7割が体内に吸収されるとすれば、1日11Bqも体内に吸収されることとなる。精米ベースで半分としても、5.5Bqになる。

そんなに口に入れていたら、健康被害の発生は、時間の問題だ。今、一番の内部被曝要因は、なんと言っても米だろう。

新潟県が、全国で販売されている「新潟県産コシヒカリ」を対象にDNA検査をした結果、64点のうち、新潟県内だけで栽培されている「コシヒカリBL」が100%だったのは半数近くにとどまり、1割以上の商品にコシヒカリ以外の品種が混じっていたという。

混米の根絶は進まないだろう。これまでは、他県のコシヒカリが混じっているくらいなら消費者も大目に見ただろうが、放射能で汚染された米が混じっているのは容認できないだろう。

農林水産省は、しっかり規制しないと米の消費縮小を招くだろう。いずれTPPで日本の米は壊滅的な打撃を受けると早々に白旗を掲げられてはたまらない。

・・・・・

2012/1/6 日本農業新聞
福島県は、今秋収穫する米の出荷分から、放射性物質を全袋調査する体制を整える方針を固めた。県内のJAや流通業者が導入する高精度の測定機器に全額を補助する。米販売時には全袋に2次元コード(QRコード)を付け、消費者が放射性物質調査の結果 を確認できるようにする。費用は20億円ほど掛かる見通し。
posted by ZUKUNASHI at 23:08| Comment(0) | 内部被曝防止

福井県の空間線量率が上がっている

福井県の空間線量率は、2/7未明にピークを付けて低下している。

2/6の夜になってまた福井県の空間線量率が上がっている。福井県のモニタリングの数値は常時少なからざる変動を示していて、0.1μSv/hを越えると反転するという傾向が見られるが、2/6の23:30では、一部のモニタリングポストで0.1を超えている。

1/25は、朝から福井県の空間線量率が上がっている。福井県では1/23にも空間線量率の上昇が見られており、不安定な状況になっている原発があると見られる。

1/25の昼過ぎには下がったが、夕刻にかけてまた上がっている。こんなに変動があるのはちょっと変だ。政府からは、特段の発表もないから、この程度のことは常態なのだろう。

年中、あっちでプス、こっちでブワーが続いていて、こんなに日本人が放射能を浴びているのなら、ガンが増えるのも当然だと思う。

次は2012/1/23の福井県の変化。1/23の関東での空間線量率の上昇より半日以上先行している。


面白いことに、1/23、そして1/25の午前、夜ともに、どこかのポストが0.1μGy/hに近づくとそれをピークに全般的に下げる。地域全体で管理された放出が行われているかのようだ。

posted by ZUKUNASHI at 09:18| Comment(0) | 内部被曝防止

2012年02月01日

ICRP元委員の自白はウソがすぐにばれるから

NHKが12/28に放送した「低線量被ばく_揺らぐ国際基準_追跡!真相ファイル」をネットで見た

取材班は、米国エネルギー省で核開発関連施設の安全対策を担当し、1990年代半ばまでICRPの基準作りに携わってきたチャールズ・マインホールド氏から、米国の委員は、エネルギー省の意向を受けて低線量被曝のリスク引き上げに強く抵抗し、逆に低線量ではリスクを引き下げるべきだと主張したとの証言を得ている。マインホールド氏は、さらに、ICRPは原発などで働く労働者のためにより低い基準を定めたが、その科学的根拠はなかったがICRPの判断で決めたと述べている。

日本をはじめとする各国の政府機関などが被曝許容基準などでICRPに過剰なほどに依拠する中、この証言は驚きだ。ICRPの基準は、科学的根拠がないまま極めて政治的、恣意的に決められているということを名誉委員が証言した。

NHKの取材努力は評価されていい。だが、なぜマインホールド氏は、この時点でNHKの取材班の映像取材を受け入れ、原子力マフィアが激怒するであろう、日本政府が梯子を外されてしまうような証言をしたのだろう。

私は、マインホールド氏は、ICRPのウソは、すぐにばれると観念したからではないかと思う。

すでに欧州では、主として学者で構成される欧州放射線リスク委員会(ECRR、来日して現地を調べ福島の子供の心臓病が増加する危険性を警告したクリストファー・バズビー博士はこのメンバー)が独自の被曝基準を作成し、ICRPの基準を否定しているし、日本の小出裕章氏も低線量被曝でも被曝量に応じて健康被害が生ずるのは現代の学問の到達点だと一貫して強調している。

ドイツTAZ紙のデルテ・ジーデントプフ博士インタビューで同博士は、「これから日本の方々を襲おうとしている健康問題は想像を絶します」と警告しているし、衆議院震災復興特別委がウクライナで面会したチェルノブイリ事故関連ウクライナ要人は、「私達の経験から学んでほしい」、「単純な汚染度合で居住の可否を判断する私達の間違いを繰り返すべきでない」と繰り返し警告している。

私が知る限りでも、低線量被曝症状と急性障害と見られる健康被害は増加している。ブログでは公表していないが、福島に住む母親から子供が不整脈の症状を示したとの情報も寄せられている。

放射性物質による体の内外からの被曝による健康被害は、住む場所の線量率、体内に取り込んだ放射性物質の種類と量、個人の健康状態、年齢なとによって現れ方が違う。し尿に含まれるセシウムは低下傾向で分かるように、地域により住民の口に入ったセシウムの量の変化は異なる。

それに厚生労働省は、健康被害の実態を徹底的に隠蔽しようとしているように見える。

すでに東日本では、健康被害は様々な症状が蔓延している。来年になれば、重篤な症状もより多く見られるようになり、低線量被曝に苦しむ人が増えることは間違いない。特に、福島県内に住む人には、それが顕著になのではないかと焦燥感が募る。

この年末年始は、これまでとはまったく違う世界に住んでいると認識し、食べ物や行動で油断すべきでない。初詣で神仏に頼っても助けてはくれない。辛くても、疲れても、味気なくても、自助努力をやめるわけにはいかない。それが生き延びる唯一の方法だ。

・・・・・・・

2012/2/1の報道。
NHKが昨年末、国際的な低線量被ばくのリスク基準が政治的な判断で低く設定されたという内容の番組を放映したことに対し、原子力発電推進を訴える複数団体のメンバーらが「(番組内容には)誤りや論拠が不明な点、不都合な事実の隠蔽がある」として、NHKに抗議文を送っていたことが分かった。 

抗議文の末尾に記載された代表者と賛同者のリスト
代表
金子 熊夫  エネルギー戦略研究会(EEE会議)会長
宅間 正夫  日本原子力学会シニア・ネットワーク連絡会会長
林 勉     エネルギー問題に発言する会 代表幹事

<賛同者氏名>
青木 直司  日本原子力学会、日本機械学会
秋山 元男  元IHI
荒井 利治  日立製作所 名誉顧問、元JNF会長
石井 亨   元三菱重工
石井 正則  元IHI技監
石井 陽一  エネルギー問題に発言する会、SNW
石川 迪夫  元原子力技術協会理事長
一木 忠治  元東芝
出澤 正人  日本原子力発電(株)
伊藤 睦   元(株)東芝原子力事業部長、元東芝プラント建設(株)社長
伊藤 裕基  元丸紅株式会社
犬飼 英吉  元名古屋工業大学客員教授
岩瀬 敏彦  元独立行政法人原子力安全基盤機構参与
岩本 多實  元原研職員、元福井工大教授
上路 正雄  元三菱原子力工業(株)
上田 隆   元日本原子力発電(株)
梅本 忠宏  原電事業(株) 敦賀支社、元IHI 原子力事業部
大塚 徳勝  元東海大学教授
小笠原英雄
小川 博巳  非営利活動組織 エネルギーネット代表
奥出 克洋  米国サウスウエスト研究所 コンサルタント
織田 満之  元日本原子力発電蒲搦磨A元原電事業鰹務
小田島 嘉一郎 元中部電力
小野 章昌  元三井物産
加藤 仁    元 日本原子力産業会議調査資料室長、元外務省原子力課課長補佐
加藤 洋明  元日立製作所技師長
加納 時男  前参議院議員
金氏 顯    原子力学会シニアネットワーク代表幹事、三菱重工業株式会社特別顧問
金子 熊夫  外交評論家、元外交官、元東海大学教授
亀ヶ谷 勝之助 元海洋研究開発機構
川合 將義  高エネルギー加速器研究機構名誉教授、元(株)東芝
河田 東海夫 原子力発電環境整備機構 フェロー
川西 康平  元三菱重工業
北田 幹夫  褐エ子力安全システム研究所
岸本 洋一郎 元核燃料サイクル開発機構
工藤 和彦  九州大学
黒田 眞    安全保障貿易情報センター・理事長
栗原 裕    元原電事業会長、元日本原電役員
黒川 明夫  ISO 品質主任審査員
軍司 貞    鞄訣H業 技術顧問
小杉 久夫  元浜岡原子力発電所長
後藤 征一郎 元(株)東芝 首席技監
小山 謹二  財)日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター客員研究員 元日本原子力研究所 主任研究員
紺谷 健一朗 元(財)エネルギー総合工学研究所副主席研究員、元(株)東芝
西郷 正雄  元原子力安全委員会技術参与 元原産協会
税所 昭南  元(株)東芝
齋藤 修    元放射線影響協会常務理事
齋藤 健彌  元東芝原子力事業部燃料サイクル部長
齋藤 伸三  元原子力委員長代理、元日本原子力研究所理事長、元日本原子力学会会長
櫻井 三紀夫 元日立製作所、元横須賀商工会議所副会頭
実松 俊弘  元日立製作所上席常務
嶋田 昭一郎 技術士会(原子力/放射線部会幹事)委員
清水 彰直  元原子力委員会参与、元東京工業大学教授
白山 新平  元関東学院大学教授、元IAEA職員
末木 隆夫  元東芝
末廣 和康  末廣技術士事務所、元三菱重工
菅原 剛彦  シニアネットワーク東北代表幹事
鈴木 光雄  元日本原燃副社長、元中部電力
清野 浩    東北大学医療技術短大部名誉教授
副島 忠邦  株式会社国際広報企画代表取締役
高島 洋一  東京工業大学名誉教授
高田 誠    森村商事(株)エネルギー事業企画室担当部長
高野 元太  原子力サービスエンジニアリング(株)
高橋 輝実  元IHI
高間 信吉  元IHI技監、元EPRI(米国電力研究所)
宅間 正夫  日本原子力産業協会、元東京電力
太組 健児  日本原子力学会フェロー
竹内 哲夫  元日本原燃社長、元原子力委員会委員
田中 長年  元(財)原子力発電技術機構耐震技術センター部長
田中 隆一  NPO法人放射線教育フォーラム理事
力石 浩    リキ・インターナショナル
長 惇夫   長技術士事務所代表、元三菱重工業
辻 萬亀雄  元兼松株式会社
坪谷 隆夫  原環センター技術顧問、元動燃事業団理事・環境技術開発推進本部長
寺澤 倫孝  兵庫県立大学 名誉教授
長尾 博之  日本原子力学会フェロー、 元 東芝
中神 靖雄  元三菱重工、元核燃料サイクル機構
中村 進    JAEA
永崎 隆雄  日中科学技術交流協会 常務理事
中村 威    元関西電力
中村 尚司  東北大学名誉教授、放射線審議会前会長
奈良林 直  北海道大学 教授
西村 章    東京工業大学原子炉工学研究所特任教授
野島 陸郎  元IHI
林 勉     エネルギー問題に発言する会 代表幹事、元日立製作所
早野 睦彦  三菱FBRシステムズ株式会社
平沼 博志  T&H社会活力研究会
藤井 晴雄  (社)海外電力調査会 調査部
藤井 靖彦  東京工業大学 名誉教授
古田 富彦  東洋大学地域活性化研究所客員研究員、元東洋大学国際地域学部教授
堀 雅夫    エネルギー高度利用研究会・代表
前川 則夫  元日本原子力発電(株)常務
前田 肇    元関西電力
牧野 功    元電源開発
桝田 藤夫  元東芝
益田 恭尚  元鞄月ナ首席技監
松浦 辰男  NPO法人放射線教育フォーラム理事長、立教大学名誉教授
松岡 強    元三菱重工、元(株)エナジス
松岡 信明  エコアクション21審査人
松永 一郎  エネルギー問題研究・普及会 代表、元住友金属鉱山
松永 健一  日本技術士会 原子力・放射線部会
松村 一雄  株式会社カナメ電研 代表取締役 元東京電力
三谷 信次  原子力コミュニケィションズ、元日立
向山 武彦  元日本原子力研究所
山崎 吉秀  元電源開発 元関西電力
山田 明彦  元東京電力
山田 信行  元日立造船
山本 康典  日本原子力文化振興財団フェロー
吉島 重和  元東芝エンジニアリング(株)
由岐 友弘  IAC社長、元住友商事
路次 安憲  元三菱電機
若杉 和彦  元原子力安全委員会技術参与、元GNF
(合計112名)

・・・・・・・

よほど都合の悪い報道だったようだ。ICRPの信頼性が崩れれば、今までの発言の責任を問われかねない人もいるだうし、職を失う人も少なくないたろう。
posted by ZUKUNASHI at 18:41| Comment(0) | 内部被曝防止

2012年01月28日

福島汚染米がことごとく保管中の不思議

福島県が2012/1/27、米の緊急調査結果第16報を発表。伊達市小国村で生産された米(もち米)で放射性セシウム濃度1,110Bq/kg検出。汚染米の検出が続いている。

500Bq/kg以上検出した場合の決まり文句
「JAと自宅に保管されているもののほか、縁故米として譲渡した先で全量保管しており、一般には流通していない」
本当だろうか。

回収騒ぎは、この県伊達市の農家が生産したもち米とあと1、2件だけだ。今ころもち米の回収を呼びかけても、正月にとっくに消費されているだろう。

福島県に足を踏み入れるのは、避けたほうが良い。温泉に泊まっても、保養にならない恐れが濃厚だ。福島県産米は、首都圏のカレー屋などで使われていることが目撃されている。外食は、控えないといけない。
posted by ZUKUNASHI at 09:07| Comment(0) | 内部被曝防止

2012年01月21日

呼吸でこれだけヨウ素を吸っている

呼吸でこれだけセシウムを吸っている」と同じ方法で放射性ヨウ素(ヨウ素131、132)について計算すると、2011/7/7までの累積で451Bqと出た。ヨウ素の半減期が短いため下のグラフで計算対象期間がセシウムより短い。

放射性ヨウ素の体内取り込み・蓄積を抑えるためヨード剤が使われる。ということは、呼吸によって体内に入るものが多いということだろう。

だが、一時水道水に含まれていた放射性ヨウ素の方が、よりカラダに取り込まれやすいだろう。

2011/3/23、東京都水道局は江戸川から取水する金町浄水場の3/22午前9時の採水分から1キロ当たり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。同じ江戸川の水を使う千葉県でも遅れてヨウ素検出と発表。東京都は、乳児向けにペットボトルの水を配布した。

江戸川は、利根川と分かれてから埼玉県の東縁、東葛飾地域の西側部分を流れている。埼玉県の水道水も、汚染されていた。この浄水場の水を3/24から3/31まで毎日1L飲むと、200ベクレルを越える。

飯舘村の水道水からは、事故直後に965Bq/kgの放射性ヨウ素が検出されたというから、呼吸で吸うし、飲み物にも入っているということでどれだけ被曝したか想像がつかない。

「木下黄太のブログ」の1/20、1/21の記事によると、埼玉県で甲状腺の腫瘍マーカーとして使われるサイログロブリンの値が基準値を越えるお子さんの例が出ており、血液検査で経過観察が必要との診断を受けているとのことだ。

「甲状腺専門の病院に行った時は相手にされず、たいして診察もしてもらえずに「気にしすぎ」で済まされてしまったこともあ」ったとされており、医院により対応がまったく異なるようだから、受診の際には医院の選び方が難しい。
posted by ZUKUNASHI at 08:02| Comment(0) | 内部被曝防止

2012年01月20日

呼吸でこれだけセシウムを吸っている

朝日新聞社と京都大学・環境衛生研究室による共同調査、国立医薬品食品衛生研究所の調査、どちらの結果も飲食物から口に入る放射性セシウムは、予想したほどには大きくなかった。

それでも、健康障害が広範に生じているのだから、別に原因が、おそらくは複合的な原因だろうが、あるはずだ。

突然死された方の中に、体育関係の方が散見される。呼吸によるセシウムの摂取が影響していないだろうか。

まず、諸元から。
呼吸1回当たりの吸気量 約500CC
毎分呼吸回数 16回
1日当たり呼吸回数 23,040回(16×60×24)
1日当たり吸気量 11,520,000CC(500×23,040)=11.52m^3

私たちは、1日に11.5立方メートルもの空気を吸ったり吐いたりしている。

大気中のセシウムの設例
空気中のセシウム量 1,000μBq/m3=0.001Bq/m3

1日当たり吸気量に含まれるセシウム 0.01152Bq(11.52×0.001)

空気中のセシウム量の計測単位を「μBq/m3」としたのは、CTBT高崎観測所のデータを使うためだ。このデータから、Cs-134、Cs-136、Cs-137の日次の合計値を出して、2011/3/13から2012/1/4まで合計すると、22,749,444μBq/m3となる。

これに1日分の吸気量11.52m^3を乗じ、百万で割ると262.07Bqとなる。1日ごとに観測値に1日分の吸気量11.52m^3を乗じ、同様に単位を変換して積算しても同じ値になる。

この値は、ヒトが高崎観測所の計測器の前で298日間、昼も夜も毎分16回、1回500CC呼吸した場合に、吸気の中に含まれていた放射性セシウムの量ということになる。

このうち、多くのものは排気と共に外に出たはずで、どれだけが体内に取り込まれたかは分からない。しかし、肺や気管に残ったものもあるだろうし、唾液と一緒に消化器に取り込まれたものもあるだろう。

CTBT高崎観測所のデータにより、Cs-134、Cs-136、Cs-137の日次の合計値は、次のように変化している。

そして、日次の吸気に含まれる放射性セシウムの量を累積していくと次のグラフになる。

これらの図を見ると、既にたくさん吸っており、いまさら気をつけてもどうにもならないとの感が強い。

しかし、上の例は、あくまでもで高崎観測所の計測器の前で298日間、昼も夜も毎分16回、1回500CC呼吸した場合だ。

これよりも多くなる要因もある。
@ より福島第一原発に近いところに住んでいる。当然、大気中に含まれる放射性セシウムは多いし、追加的な放出の影響も大きい。

A 高崎観測所の空気の取り入れ口は、地面から高い場所に設けられているはずだから、地上1mではホコリに付着した放射性セシウムを吸い込むことも多い。

B 毎分16回、1回500CCというのは、通常の生活行動の場合の回数、吸気量であり、激しいスポーツや労働をした時には、吸気量が大幅に増える。

たとえば、1日4時間激しい運動をするとしよう。残りの20時間は、上の例と同じ。
呼吸1回当たりの吸気量 500cc 3000cc
毎分呼吸回数 16回 20回
1日当たり呼吸回数 19,200回 4,800回
1日当たり吸気量 9,600,000cc 14,400,000cc
1日当たり吸気量合計 24.0m3

1日当たり吸気量の合計は、上の例の倍以上に跳ね上がる。

C 大気に含まれる放射性物質は、セシウムだけではない。α線核種やβ線核種もある。

D 除染作業や土工事があると、土ホコリが舞う。

E 被災地のガレキ焼却では、既存設備では排煙に含まれる放射性物質をゼロにすることはできない。

F 放射性物質を含む花粉や樹木の種が飛散している。

2012/1はじめには、定時降下物が増えて警戒感が高まった。西の方からも放射性物質が飛んでくることもある。福島第一原発の現状は、手探りの状態が続いているし、追加的放出があっても、ただちにアラームが発せられるとは期待できない。

既にたっぷりと内外から被曝したのは疑いようがない。しかし、さらに被曝が増えると、致命的な健康被害に発展しかねないと恐れる。他人になんと思われようと、マスクは欠かせないし、福島でマラソンなどの激しいスポーツに参加することは禁物だ。
posted by ZUKUNASHI at 14:45| Comment(0) | 内部被曝防止

2012年01月19日

福島の食事に1日最高17.3ベクレル、中央値4ベクレル

朝日新聞社と京都大学・環境衛生研究室が共同で、福島、関東、西日本の53家族を対象に調査した結果によると、1日(2011/12/4)の食事に含まれる放射性セシウムの中央値は、福島県では4.01ベクレル、関東地方で0.35ベクレルとなり、西日本でほとんど検出されなかった。

福島県での最高値は17.3ベクレル、関東の最高値は10.37ベクレルとなっていて、幅がある。

国立医薬品食品衛生研究所が、2011/9と2011/11に福島県、宮城県、東京都で流通している食品を購入して調理し、1日の食生活から摂取される放射性セシウム量を測定した結果、福島県で3.39ベクレル、宮城県で3.11ベクレル、東京都では0.45ベクレルだったというから、朝日新聞の調査結果も大体同じレベルだ。

朝日新聞の調査での標本家庭は、福島県が26、関東地方(群馬・栃木・茨城・千葉・埼玉・東京・神奈川)が16、中部(長野・愛知・岐阜・三重)、関西(大阪・京都)、九州(福岡)など西日本が11。

関東について測定値の分布を見ると、グラフからの読み取りだが、10.37、6.1、4.0、3.2、2.0、1.0、0.45、0.45、0.25といったところで残り7家族は検出限界以下となっている。関東の中央値は、0.45+0.25=0.7の半分になっているようだ。

これだけのばらつきが、地域差によるものか、家庭の意識差によるものか分からない。(紙面には詳しく載っているのかもしれないが、購読していない)

関東でも、1日の食事で口に入る放射性セシウムが6ベクレルという家庭もやはりある。口に入った6ベクレルがすべて体内に入っていくのか不明だが、仮に全量入るとすれば、「マインホールド証言を踏まえて内部被曝回避の徹底を」に書いたように、すべてセシウム137でその生物学的半減期を約70日とし、毎日6ベクレルずつ人体が吸収した場合の放射能の累積値は、416日目辺りで599ベクレル程度となり、後はほぼ横ばいとなる。体重50kgで体内の放射能が600ベクレルなら、体重1kg当たり12ベクレル。子供では、個人差もあろうが、不整脈や慢性胃腸病が出てくる可能性がある。

朝日新聞の調査では、関東の16標本中6ベクレル以上が2、4ベクレル前後が2だ。この調査では、2011/12/4の1日だけの食事を対象としており、この数字は日によって変動があるだろう。

福島県内について見ると、約6ベクレル以上が7ないし8となっており、標本数に占める割合は、25%を超える。

朝日新聞は、「福島の水準の食事を1年間食べた場合、人体の内部被曝(ひばく)線量は、4月から適用される国の新基準で超えないよう定められた年間被曝線量の40分の1にとどまっていた」としているが、内部被曝量の算出は、甘すぎると批判があるICRPの基準に依拠しているはずだ。

私は、この記事について、平均値や中央値だけを示さず、分布を示した点を評価するが、それだけに福島はもちろん関東でも、食事によるセシウムの摂取が中長期的に疾病の原因になるとの懸念を抱く。

関東のいくつかの自治体のデータによると、し尿に含まれる放射性セシウムはピークアウトしているから、口に入るセシウムはこの先も漸減していくと期待されるが、まだ高水準のところもある。

関東でもすでに健康障害が多発しており、第一原発から飛んできたものはセシウムだけでなく、α線核種やβ線核種もあることを考えれば、決して警戒を緩めてはならないと思う。

次の表は、国立医薬品食品衛生研究所の調査に関連して「1日3ベクレルでこれだけの健康被害」に掲げたものだ。

この試算では、米の汚染をkg当たり4ベクレルと置いてある。牛乳乳製品もkg当たり1ベクレル。福島で誰もがこんなに汚染の低い食べ物にアクセスでき、利用しているとすれば、こんなにうれしいことはない。
posted by ZUKUNASHI at 19:16| Comment(0) | 内部被曝防止

2011年12月31日

マインホールド証言を踏まえて内部被曝回避の徹底を

マインホールド証言は、低線量被曝でも被曝量に応じて健康被害が生ずるということが現代の学問の到達点であり、原発推進派にもそれを否定する科学的根拠はないということを示したと言える。

以下は、「人体に入った放射性セシウムの医学的生物学的影響」に関するバンダジェフスキー博士論文の内容要約からとった体内の放射性物質蓄積量と病状の関係を整理したもの。

ここでセシウムとはセシウム137を指す。日本の場合は、セシウム134と137の合計で捉えればよいと思われる。

1 体内放射能レベル20Bq/kg・体重50kgで1,000Bq。
*ミンスクでは85%の子供が心電図に病理変化を記録
*子供の体が長期間この水準だと慢性胃腸病
*子供に心筋における代謝不調

2 体内放射能レベル30Bq/kg・体重50kgで1,500Bq。
*子供の体に肝臓機能の不調が見られた。すい臓機能の変化も観察されている
*急死の場合の肝臓のセシウム濃度(28.2Bq/kg)

3 体内放射能レベル50Bq/kg・体重50kgで2,500Bq。
*子供は器官や系にかなりの病理変化を持っていた。

4 心臓域のセシウム濃度136Bq/kg
*持続性の心臓血管病

5 腎臓のセシウム濃度192.8Bq/kg
*ゴメリ州の大人の死者の平均水準

6 腎臓のセシウム濃度645q/kg
*子供の死者の平均水準

7 900-1000Bq/kg のセシウム蓄積
*40%以上の動物の死を招いた

8 比例関係等
*体内のセシウム137と白内障発生率の間に正比例関係
*ゴメリの三歳から七歳の子供はセシウム蓄積量と心電図に比例関係があった。
* セシウムは男性により多く取り込まれやすく、女性より男性により強い影響が出ている。
*細胞増殖が無視できるかまったくない器官や組織(心筋)は、最大範囲の損傷を受ける。生命維持に必要な多くの系で乱れが生じるが、その最初は心臓血管系。

セシウム137の生物学的半減期を約70日とし、毎日6ベクレルずつ人体が吸収した場合の放射能の累積値は、416日目辺りで599ベクレル程度となり、後はほぼ横ばいとなる。体重50kgで体内の放射能が600ベクレルなら、体重1kg当たり12ベクレル。

子供では、個人差もあろうが、不整脈や慢性胃腸病が出てくる可能性がある。

セシウム137とセシウム134を3ベクレルずつ人体が吸収した場合には、セシウム134の生物学的半減期が約100〜200日と長いので、セシウム134が137の累積値599ベクレルの半分約300ベクレルを上回って蓄積される。

ただ、カリウムとの関係もあり、口に入ったセシウムがどの程度体内に取り込まれるかは、分からない。一説には100%吸収されるとの見方があるが、私は極端なカリウム欠乏状態でもなければ、そうはならないのではないかと見ている。

でなければ、2011年の夏からし尿に多量のセシウムが検出されるという事態は生じないと思う。

上で例にした1日6ベクレルは、玄米セシウム濃度100Bq/kgの米を精米し、3食で160g食べ、ご飯に含まれると推定される8ベクレルのセシウムの7割が体内に吸収されるとすれば、1日当たり6ベクレル程度の体内取り込みになるという計算から出たものだ。

特に福島県においては、この程度の体内取り込みは、決して特別、例外的なものではないと考える。

子を亡くす親、親を亡くした子供を出してはならない。
2011年最後のメッセージだ。
posted by ZUKUNASHI at 22:49| Comment(2) | 内部被曝防止

カリウムでセシウムを抑えられるか

今年も残すところ1日となったが、歳末の感がしない。もっと深刻なことで頭が一杯だ。ドイツの女医でベラルーシーの子供の面倒を見てきたデルテ・ジーデントプフ医学博士が日本人に向けて発したメッセージが重い。

これから日本の方々を襲おうとしている健康問題は想像を絶します。

し尿に含まれるセシウムは低下傾向」に書いたように、いくつかの都市のし尿に含まれる放射性セシウムは、ピークを越えたと見られるが、低減は緩やかだ。

上の記事で取り上げた上田市、相模原市、川口市、佐倉市のうち、ピーク時にセシウム濃度が特に高かった上田市は、特別の原因があるようだからこれを除いて考えよう。

川口市と佐倉市は、ピーク時の脱水汚泥中のセシウム濃度が60Bq/kgとなっていて、直近時点では、これが50Bq/kgまで低下している。しかし、ここ数ヶ月の数値の変化を見る限り、この値が短期間のうちに限りなくゼロに近づいていくとは、期待しがたい。

もし、し尿中のセシウム濃度が安定してきているとすれば、食物に含まれて消化器に入るセシウム量と体内に吸収されないで排出されるセシウム量および体内から尿により排泄されるセシウム量が平衡状態になっている可能性がある。

2011/12/29の読売新聞の報道によると、三郷市の市民団体が12/28、市内の3〜10歳の子ども5人の尿から1リットル中、1.04〜0.19ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表している。

川口市では、2011/7/29、10歳女の子の尿からセシウム137が0.41ベクレル検出されている。

セシウムは、カリウムに近い物質特性を有するため、生物体はセシウムをカリウムと取り違えて吸収することがあるという。

次の表は、大央電設工業株式会社のサイトに掲載されていた「尿と大便の栄養素比較」。このデータの原典は、リンク先のページに記載されている。

このデータによれば、人は、1日にし尿を1,400g排出し、尿にカリウムが2.5g、便に1.0g含まれていることになる。

日本人の1日の水を含めた食物摂取量は約2kg。日本の地方自治体のし尿処理のデータでは、一人1日当たりのし尿排出量は2〜3kgというデータがあるが、これはトイレで水が加えられたりしているためと考えられ、1.4kgという数値は、妥当なところだと思う。

このカリウム排出量は、平衡状態のもとでの数値だと見られるから、1日3.5gのカリウムを口から取り入れ、2.5gは吸収され、1gが体内に吸収されずに排泄され、尿に含まれるカリウムと合わせて排泄分は合計3.5gになると見ることができる。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2005年版によると、1日のカリウムの摂取目安量は、18以上の男で2000mg=2g、女で1600mg=1.6gとされており、上の平衡状態のもとでのカリウムの収支は、問題はない。

私の関心事項は、もし、生物体が、セシウムとカリウムをまったく同じものとして扱うなら、人間が長期にわたって放射性セシウムを1日3.5ベクレル口に入れたら、いずれセシウムの平衡状態のもとで1ベクレルがそのまま排泄され、2.5ベクレルが体内に取り込まれることになるのかどうかという点だ。

もし、そのような現象が起きるとしたら、尿中に0.25ベクレル検出される人は、0.35ベクレルを口にしていることとなる。

生体必須元素であるカリウムは、成人で約140g程度の一定量が常に体内に保持され排泄調整されているとされる。尿中の排泄量2.5gの56倍だから、この割合をセシウムに当てはめれば、0.25×56=14ベクレルが体内にあるという計算になる。

木下黄太のブログの2011-07-30の記事では、上の川口市の10歳のお子さんの例に関連して、次のように書かれている。

「体内にはいったセシウムは、尿の量や、生物学的半減期、排出の状況から判断して、尿の検出量の最低百倍程度は、一端、取り込んでいる可能性がある。勿論もう少し多い想定もありうる」と。この場合は40Bq以上は取り込んでいるということ」

放射性セシウムの生物学的半減期は、論者により異なるが、次のような見解が有力なようだ。、
セシウム137:生物学的半減期:約70日(物理学的半減期:約30.1年)
セシウム134:生物学的半減期:約100〜200日(物理学的半減期:約2.06年)

半減期の10倍の期間を経過すれば、減衰や排泄により放射能はゼロに近くなるが、290日前の福島第一原発事故直後に口に入ったセシウム137は、生物学的半減期の4倍、セシウム134は3倍から1.5倍しか経過しておらず、なお放射線を出し続けている。

仮に毎日一定量の放射性セシウムを口にし、これを人体がカリウムとまったく同じに扱えば、放射性セシウムの量がカリウムに比して微量である間は、体内に吸収された放射性セシウムがカリウムに置き換わっていくと考えられる。

次の図は、生物学的半減期70日として、毎日6ベクレルずつ人体が吸収した場合の放射能の累積値。416日目辺りで599ベクレル程度となり、後はほぼ横ばいとなる。416日は、1年と50日。2012/4月末までは体内にある放射能は増加していくこととなる。

この先、食品の放射性セシウム汚染は広がっていくことは避けられない。セシウムを口にしても、できるだけカラダが取り込まないようにできないものだろうか。

植物は、セシウムとカリウムを区別できるようなのだ。「作物のセシウム吸収の条件は多様」に引用した渡部敏裕・北海道大大学院助教(植物栄養学)のサイトには、次のように記載されている。

「セシウムは同族元素であるカリウムやナトリウムとの正の相関はほとんどありません(どちらかといえば排他的関係)。セシウムの場合、葉と種子ともにカリウム無施肥の処理区で高い値を示します。つまり逆に言えば、カリウム施肥を十分に行うことでセシウムの蓄積は抑制できる可能性があります」

それなら、人体だって、カリウムを多く含む食品を摂れば、セシウムの吸収と蓄積を抑制できるのではないか。

カリウムは、食品に幅広く含まれており、特に野菜や果物、豆類等に多い。1日当たり2.5g、3g摂るのは容易だ。たとえば、100g中、納豆660mg、アボカド720mg、里芋560mg、鶏ささみ420mgといった具合だ。

通常の食生活をしていれば、カリウムが不足することはないはずだ。むしろ、放射性物質の混入を恐れるあまり、食生活が偏るほうがセシウムにつけ込まれる恐れが強い。

バナナも360mgと果物の中では、カリウムが多いほうだ。カリウムには放射性のものが一定割合含まれており、この点を捉えてバナナ1本食べた場合の被曝量をあげつらう向きがあるが、とんでもない議論だ。人体は、放射性カリウムとは、折り合いをつけている。

カリウムの不足を避ける一方で、放射性セシウムを口に入れないようにするということは、確かに難しい。結局、外国産の放射能汚染のない高カリウム食品、たとえばアボガドやバナナのようなものを食事の中に取り入れていくことしかなさそうだ。

腎臓の悪い人には、カリウムの取りすぎは禁物だという。なんでも、行き過ぎはよくないのだ。
posted by ZUKUNASHI at 00:04| Comment(0) | 内部被曝防止

2011年12月28日

暫定基準値引き下げは、健康保険の破綻が差し迫ってきたため

報道によると、厚生労働省は12/20、食品に含まれる放射性物質の暫定基準値を引き下げ、米などの「一般食品」は1kg当たり100ベクレル、「牛乳」と「乳児用食品」を同50ベクレル、「飲料水」は同10ベクレルとする方針を固め、12/22に開催される同省の薬事・食品衛生審議会の放射性物質対策部会に提示するという。その後、年内にも文部科学省の放射線審議会に諮問し、来年4月に新たな基準値を適用する考えとのこと。

現行暫定基準の5分の1に下がるわけで、まだまだ高いが、改善であることは間違いない。

厚生労働省は、なぜ、暫定基準を引き下げようとするのだろうか? 答えは一つだ。さまざまな疾病が増加、又は増加必至の情勢だからだ。

一部の感染症については、国立感染症研究所のデータで急性出血性結膜炎手足口病が今年は異常な増加を示しているし、マイコプラズマ肺炎はなお急増中だ。

他の病気、心臓疾患や脳内血管障害、白血病などの動向は、テータがなく分からないが、増えていることは必至。統計的に有意な、かつ、急激な変化が現れているはずだ。

もちろん、厚生労働省に問えば、それが放射能によるものかどうかは判断を示さないだろう。だが、疫学的に見れば、天候要因でも、どこかの国の生物兵器でもなく、福島第一原発事故以外の要因は見当たらないはずだ。

厚生労働省が、今、とにかく動かざるを得ないのは、疾病に苦しむ国民を増やさないということ以上に、健康保険の保険給付負担を抑えたいからだろう。

市町村の国民健康保険収支は、すでに真っ赤かな自治体が多く、さらに保険給付が増大すると破綻する自治体が増える。企業の健康保険組合だって企業の業績が悪化する中で、保険料率を引き上げるのは困難だ。

自治体や健康保険組合からの悲鳴が厚生労働省に殺到しているはずだ。

私の推測が正しければ、健康保険のデータで、あるいは厚生労働省が集めている疾病の統計で様々な疾病の増加がはっきりしていることになる。

「今日の放射能」の記事にも書いているが、このブログの健康障害関係の記事の閲覧が急増している。

放射性物質による健康障害は、確実に広がっていて、かつ深刻化している。これまで、食べて応援していた人は、特にリスクが高い。内部被曝の抑制は、今や、日本で生きるための最も基本的な条件の一つになった。

・・・・・

木下黄太のブログに、神奈川西部で生じている胎児からお年寄りまでの健康障害の情報が載っている。大学病院は満床、野辺の送りは数日待たされるという状況だとも伝えられている。

神奈川県は、千葉などに比べて汚染は低いと見られているが、健康障害は少ないわけではないようだ。私の集めた土壌分析結果の集計値。宮城県がデータ追加でランクアップとなった。この表は、汚染農作物を回避する際の参考資料として使えると思う。
posted by ZUKUNASHI at 10:06| Comment(0) | 内部被曝防止

2011年12月27日

震災復興特別委のチェルノブイリ事故関連ウクライナ要人からのヒアリング

2011/10、震災復興特別委のチェルノブイリ視察に参加した柿沢未途衆議院議員(みんなの党)がツイッターで綴った視察の模様がSAVE CHILDに掲載されている。

以下は、その記録からポイントを拾ったもの。

日本側:日本は内部被曝の暫定規制値という事で食物500Bq/kg、飲用物200Bq/kgという原則一律の基準だが。

プリステル氏(事故当時の非常事態省副大臣):不可解な値だ。これから見直されなければならない。同じ100Bq/kgでも大人のワインと乳児のミルクでは違う考慮が必要だ。

トロニコ氏(甲状腺医学の権威):甲状腺癌はウクライナ、ベラルーシにおいて深刻な問題。事故から4年後に増え出した。事故当時0-9歳、特に0-4歳 だった子どもに特異的。ウクライナ北部州における発症率は10倍に。人口の10%しかない汚染州が甲状腺癌手術6049症例の46%を占める。子どもの甲状腺癌、大人なら問題化しない1cmの腺腫があれば、3〜6ヵ月の間に転移を起こしてしまう可能性。取るべき処置は甲状腺の全摘手術。米国との共同研究で、事故当時の胎内被曝で甲状腺癌を発症した例がある。妊娠3ヵ月で胎児にヨウ素が取り込まれる。兆候を早期につかむため、超音波スクリーニングが必要。福島における処置は適切ではないか。現地の30万人の子ども達にモニタリングをしていると聞くので。(注1)

日本側:その他の遺伝子損傷による障害等の異常や病気の発症は?

ロマネンコ氏(事故当時のソ連邦ウクライナ共和国保健相、事故後に創設された放射線医学センター元所長):チェルノブイリ後の病気等の影響を事故と関連付けるのは難しい。その中で特に心理的、精神的問題を強調したい。政府が国民の不信を払拭する事で、精神疾患の発症率を下げられる
チェルノブイリ事故では、国民が政府を、医学者を信用しなかった。私の娘は医師であり医大の准教授であるが、そのような私の娘でさえ、『お父さん、健康に影響がないなんて、嘘を言わないで』と私に言ったのだ!

日本側:ではロマネンコ氏は、甲状腺以外は放射線の影響はないと考えているのか?

ロマネンコ氏:YESかNOかで言えない。遺伝的な病気(例えばダウン症)は、確かにウクライナで増えている。それは言える。しかしそれが放射線の影響かは判断できない。長期間かけて症例を見なければならない。(注2)

プリステル氏:社会的に安心を与えるために除染をするのかもしれないが、村人にとって大切なのは除染より食物による内部被曝をいかに防止するかだ。私達の経験から学んでほしい。(注3)

日本側:それは『除染には意味がない、効果がない』という事か?

プリステル氏:家の除染も必要だろうが、子どもは川で遊ぶ、山で遊ぶ。それを軍隊を出して全部は除染できない。だから立入禁止区域がある。原発近くで汚染度合の低い村があるとする。そこには住めるが、学校の窓から原発が見え、四方八方を鉄条網で囲まれる。そこに住まわせるのはモラルに反する。
私達は『5キュリー以下の汚染の土地では農業しても良い』と言った。しかし同じ汚染でも沼地とミネラル分ある土では(草を食べる)牛肉、牛乳の汚染は40倍も違う。一方、350km先の牛乳が汚染値を超えたりする。土質や草に非常に影響される。汚染だけで居住の判断はできない。
土地の汚染より人々への影響を考えるべき。単純な汚染度合で居住の可否を判断する私達の間違いを繰り返すべきでない。当初は30km圏内に大量の兵隊と巨額の費用を投じて除染したが、それはいわば無駄だった。(注4)
米国コロンビア大との共同研究で、事故当時0-14歳の子ども10万人を調査したところ、胃腸病と放射線の関係があると分かった。それは空間線量ではなく、食物の摂取に由来している。
情報を隠すのは最も良くない。ソ連時代はやはり秘密があった。5/1付のプラウダ(注5)に小さな記事が載っただけだった。それでも専門家は夜に集まって情報交換した。今、IAEAは機能を果たさず、ソ連時代でもないのに福島のデータは入ってこない。

注1:「Fukushima Voice」というブログの「ある医療従事者からの報告」という記事に、「今後も各市町村で実施される子供達の甲状腺検査(エコーによる)を行っているのは、血液検査しかしたことない医大の検査技師だとのこと。エコー検査も使ったこともない人が現在検査してます」とある。トロニコ氏は、過大評価している。

注2:ロマネンコ氏が「YESかNOかで言えない」と述べているのは、医学者として当然の結論保留だ。氏の経歴からして、科学的根拠なしにものを言えば、世界の原子力マフィアから総攻撃を受けることを百も承知だろう。

注3:プリステル氏は、日本の食物の汚染基準が緩すぎること、国際機関経由でも日本から直接でも情報が少なすぎることに繰り返し懸念を表明している。震災復興特別委の視察団は、ウクライナ要人からのヒアリング結果をきちんと理解したのだろうか。

注4:小出裕章氏が当初から一貫して除染は効果なしと述べていたのは、ウクライナの経験を知っていたからだ。ヒマワリなどの栽培による除染などここでも話題にもなっていない。日本政府は、国内の研究者が蓄積した知識を活用せず、誤った施策を講じて時間とカネを無駄にしている。

注5:チェルノブイリ事故は、1986年4月26日1時23分

注6:私は、上の記録を読んで夕食会に参加したウクライナ要人の黙示的な日本政府批判を感じ取った。
カナダ医師会ジャーナル(CMAJ 12/21)の記事に引用された『核戦争防止医学協会』の会長ティルマン・ラフは次のように言っている。
「25年前のチェルノブイリ事故時には、現在よりずっと技術的にも進歩しておらず、開かれた、民主的な状態ではなかったにもかかわらず、公衆衛生の観点から見ると現在の日本で行われているものよりもはるかに責任を持った対応だった。」
日本政府と日本の放射能関係の医学者たちは、世界の良心から厳しい批判の目が注がれている。視察に参加した議員たちは、誰も恥ずかしいと感じなかったのだろうか。

注7:上のヒアリングでは話題にならなかったようだが、避難について彼我の差を論じる際に、資本主義経済と社会主義経済の違いを等閑視していると思う。社会主義体制の下では、土地も建物も基本的に国有財産。住宅は狭く、家財も少ないから、強制移住で新規の土地に移動させても、住宅さえ確保すれば基本的に当局側の責任は果たされたことになる。
一方、資本主義体制の日本では、住民に土地と建物とを放棄させて移住させれば、1世帯当たり4,000万円なら100世帯で40億円、1,000世帯で400億円の補償を要する。福島県の世帯数は72万世帯弱。この1割の世帯に補償するだけで2兆8000億円もの費用がかかる。日本のような人口稠密な私有財産制の国で原発を運転するのは、もともと正気の沙汰ではない。
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2011年12月23日

1日3ベクレルでこれだけの健康被害

国立医薬品食品衛生研究所の調査によると、2007年度の国民健康・栄養調査の食品ごとの平均摂取量をもとに2011/9と2011/11に福島県、宮城県、東京都で流通している食品を購入して調理し、1日の食生活から摂取される放射性セシウム量を測定した結果、福島県で3.39ベクレル、宮城県で3.11ベクレル、東京都では0.45ベクレルだったという。

この摂取量が1年間続いた場合の被曝量は、福島県で0.0193ミリシーベルト、宮城県で0.0178ミリシーベルト、東京都で0.0026ミリシーベルトになるという。

福島県で1日当たりの放射性セシウム摂取量が3.39ベクレルにとどまるのであれば、こんなに喜ばしいことはない。

1日当たりの放射性セシウム摂取量が3.39ベクレルになるように食品ごとのセシウム濃度を想定して計算した結果が次の表だ。

もし、米の濃度が40ベクレル/kgなら摂取量は9.24ベクレルに跳ね上がり、牛乳・乳製品が5ベクレル/kgなら摂取量は10.17ベクレル、さらに野菜が10ベクレル/kg、水と各種飲料が1ベクレル/kgなら1日のセシウム摂取量は12.31ベクレル/kgとなる。

東京都では、1日当たりの放射性セシウム摂取量が0.45ベクレルだから、米が3ベクレル/kgであっただけでこの水準を超えてしまう。

9月は新米がまだ出回っていなかっただろうが、11月は新米に切り替わっていたはずだからいささか信じがたい数値だ。

調査の詳細がまだ分からないが、まずはこのデータは意図的に低く算出されたものではないと信じよう。

ところが、この結果を信じたとたん、恐ろしい事実が浮かび上がる。食物を通じたこの程度の内部被曝で、伝えられる広範な、かつ深刻な健康被害が生じているということになる。

健康被害については、大動脈解離を発症した友人が言うようにマスコミが報じていないが、低線量被曝症状は言うに及ばず、急性白血病や心臓疾患、脳内血管障害で急死した人の事例がネット上で拾いきれないほどに伝えられている。

1日当たり3.39ベクレルなら、生物学的半減期70日として約700日でほぼ減衰しきるから、毎日の摂取量の累計値を出し、ここから日々の減衰分を差し引くと、416日目辺りで338ベクレル程度となり、後はほぼ横ばいとなる。416日は1年と50日、そして体重65kgの者であれば、体重1kg当たり約5.2ベクレルの蓄積となる。

生物学的半減期150日なら734ベクレル程度まで蓄積され、体重65kgの者であれば、体重1kg当たり約11.3ベクレルとなる。

元ゴメリ医大学長、バンダジェフスキー博士による『人体に入った放射性セシウムの医学的生物学的影響―チェルノブイリの教訓​ セシウム137による内臓の病変と対策 ―』の要約には、次のように書かれている。

* 子供の体内にセシウムが(19.70±0.90Bq/kg)が長期入ると慢性胃腸病を起こす。
* ゴメリ州で、急死の場合に肝臓を検査したところ、セシウム137の平均濃度は28.2Bq/kg で、このうち四割に脂肪過多の肝臓病か肝硬変の症状があったという。
* セシウムの平均蓄積量30.32±0.66Bq/kg にあるゴメリの三歳から七歳の子供は蓄積量と心電図に比例関係があった。
* SLIR (長寿命体内放射能症候群)を引き起こすセシウムの量は、年齢、性別、系の機能の状態に依存するが、体内放射能レベルが50Bq/kg 以上の子供は器官や系にかなりの病理変化を持っていた。(心筋における代謝不調は20Bq/kgで記録された​。)

福島第一原発事故後、まだそれほどの時間が経過していないのに、健康被害が続出しているということは、今回の国立医薬品食品衛生研究所の調査は、バンダジェフスキー博士の研究結果よりも少量の放射性セシウムで障害が出てくるという新しい発見につながりうるのかもしれない。

生物体は、セシウムとカリとの見分けがつかず、両者ともにあれば、差別なく吸収するらしい。一般的に、摂取した食べ物ののうち、92〜97パーセントが消化吸収されるとされている。

バンダジェフスキー博士の論文要約は、「* しかし、セシウムが人体に入るのを防ぐほうが、セシウムを排出したり乱れた代謝を正常にするより容易なことを心に留めるべきである。」との記述で結ばれている。
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2011年12月22日

暫定規制値が100ベクレルになると

厚生労働省が米などの食品に含まれる放射性物質濃度の暫定規制値を100Bq/kgに引き下げる方針を示しているが、これが決まるとどうなるだろう。

1 実現可能性
11月末に文部科学省が東北、関東甲信越と静岡県の教育委員会に対して、小中学校の給食に含まれる放射性物質濃度について、食材1kg当たり40ベクレル以下を目安とするよう通知したが、福島県から巻き返しがあったようで、すぐに測定機器選定の目安に後退してしまった。

しかし、今回、厚生労働省は、健康障害の発生に関するデータという強力な武器を持っているはずだから、いずれ統計が公表されて事実が世の中に知れ渡りますと説得できるばすだ。

したがって、実現可能性は高いと判断する。

2 放射性物質濃度規制値が100Bq/kgまで下がると、最も影響を受けるのは福島県産の米だ。次のグラフは、福島県内の旧市町村ごとに赤い線で予備調査・本調査のセシウム濃度の最高値を示し、青い点で緊急調査の最高値を示したものだ。

福島県の予備調査・本調査では、最高値で100Bq/kg以上の濃度を示した旧市町村は5.8%に過ぎなかったが、この調査の精度は低く、厳密に測定すれば最高値が100Bq/kg以上の旧市町村は大幅に増え、個別の検体でも100Bq/kg以上のものが相当数に上ると推測される。

つまり、2012/4以降、新しい基準が適用されると放射性廃棄物として扱われてしまう米が大量に生ずることになる。生産者や流通業者の対応は明らかだ。今のうちに売ってしまおう。

その米は、どこに行くか。外食、加工用などの「業務用」だ。

来年以降、米の栽培がためらわれる田も多くなり、福島県内での米の生産は減って結果的に国内に出回る米の放射性物質濃度は下がることが期待される。

3 水産物も影響を受けるだろうが、検査のカバレッジが狭いうえに、水産物の流通では産地偽装は当たり前だから、100Bq/kgを超えるものの店頭販売が後を絶たないと予想する。

水産庁が11/21発表した水産物の放射性物質の調査結果から、10月以降公表分で最近時点の放射能汚染の状況を見た結果が「魚介類の汚染が進んでいる 2」の記事にある。

4 農産物では、米以外では、最近はそれほど高い数値は検出されていないが、キノコや山菜などで100Bq/kgを超えるものはありうる。

5 健康保険料率が上がる。
私は、放射性物質濃度の暫定規制値を100Bq/kgに引き下げても健康障害はなくならないと考える。その理由は、一部の市町村のし尿に含まれる放射性セシウムの量は高水準で推移しており、それらの市町村の住民が数百Bq/kgもの高い濃度の食品を食べているからということではないと考えるからだ。

一般に流通している食品を食べた結果としてこれだけの濃度が維持されているわけで、福島県以外の米の予備調査・本調査の結果では、最高値が北茨城市の85Bq/kgだった。

野菜でも、特殊のものを除き100Bq/kgを超えるものは、一般的ではない。

つまり、問題は、100Bq/kg未満の食品でもそれを食べ続ければ健康被害が生ずるという点にある。

仮に、この私の見解が正しいとすれば、健康被害は時間の経過とともにさらに広範に、そして深刻化することか懸念され、そうなれば健康保険の収支が悪化し、自治体や健康保険組合は、料率の引き上げであれ、一般会計からの繰り入れであれ、赤字補填が必要となる。

国民健康保険は、市町村によって大きく料率が異なる。汚染が強い地域、健康被害が目立つ地域は、早い時期に料率の引き上げを余儀なくされるだろう。

福島原発事故によって健康被害が生じ、その治療費が必要となったことが交通事故の場合のように因果関係を明確に証明できれば、加害者に補償を求めることができるのだが、厚生労働省がどう動くだろうか。

予定される増税に加え、健康保険税や保険料率の引き上げが追いかけてくる。すべての人が内部被曝の回避に努めないと地域住民みんなで東電が負担すべき治療費を肩代わりすることになる。

・・・・・

12/22毎日新聞報道

食品に含まれる放射性セシウムの新しい基準値について、厚生労働省は22日、新設する「乳児用食品」を1キロあたり50ベクレルなどとする案を薬事・食品衛生審議会の放射性物質対策部会に提案し、同部会は了承した。国民からの意見募集や文部科学省の放射線審議会への諮問を経て、来年4月に施行される見通し。

 新基準値案はコメや野菜、肉などの「一般食品」が同100ベクレル、「牛乳」が同50ベクレル、「飲料水」が同10ベクレル。

 「乳児用食品」の対象は粉ミルクやベビーフード、服薬補助ゼリーなど乳児向けに販売される食品。「乳児用食品」と子供の摂取量が特に多い「牛乳」については、「子供は放射線の影響を受けやすい」と指摘されているため、「一般食品」の半分の同50ベクレルとした。

 厚労省は「一般食品は放射性物質による汚染割合を50%として基準値を算出した。しかし、乳児用食品と牛乳は、流通する全食品が汚染されたとしても影響のない値を基準値とした」と説明した。

 茶や乾燥食品の検査方法も定め、茶は「乾燥させた原材料の状態と飲用にする状態で形態が大きく異なる」として、お湯に入れた状態で検査し「飲料水」の基準値を適用する。乾燥シイタケや乾燥ワカメなどは、原材料と水戻しして食べる状態の両方に対し「一般食品」の基準値を適用するとした。

 暫定規制値の検査をパスして流通した今年のコメや大豆、牛肉は半年〜9カ月間の経過措置を設ける。加工食品は来年3月末までに製造されたものは、賞味期限が切れるまで暫定規制値を適用する。しかし、賞味期限は長いもので2年あり、委員から「暫定規制値をクリアしても、新基準に適合しない食品が長期間流通するのは消費者の混乱を招く」と指摘され、厚労省が経過措置を再検討する。

 厚労省によると、10〜11月に福島県が実施したモニタリング検査で新基準値を超える食品は9.2%、福島以外でも4.8%。同省は「新基準で出荷停止になる食品は多くはない」とみている。
posted by ZUKUNASHI at 22:09| Comment(0) | 内部被曝防止

2011年12月20日

内部被曝の軽減にもう一度決意を新たに

先日、外国人の女性留学生から、東京に戻って勉学を再開したいが、どうかと問われたので、将来、出産の意思があるなら、東京に滞在すべきでない、と迷わずに答えた。

理由は二つ、東京とその近郊にはセシウムの汚染のほかにβ線核種のストロンチウムなどの汚染があることは間違いないが、実態が分かっていないこと、もう一つは、近い将来、3/11の大きな余震があるはずで、その地震の規模によっては福島第一原発は完全に制御不能となり、東京とその近郊が大変なパニックに陥ることがありうることをあげた。

そして、私自身はともかく、家族は外国に出る方途を探してほしいと思っていると付け加えた。

内部被曝の怖さについては、11/29の転載記事1〜6を読めば、疑いの余地はない。

「木下黄太のブログ」などの情報によると、乳幼児の尿から検出されるセシウムの量は減っていないようだ。

一方、市町村の収集したし尿に含まれる放射性物質の量は、9月ないしは10月をピークに減少に転じているところもある
が、一定量は検出されており、これが住民の継続的なセシウムの体内取り込みを示すとすれば、懸念が残る。

次の図は、長野県上田市のし尿汚泥焼却灰のセシウム含有量。セシウム134は月を追って減少しているが、セシウム137は減り方が少ない。上田市のセシウム沈着量は、関東などに比べると少ないから、他地域から供給された食物に含まれるセシウムがこのような変化を示していると見られる。

し尿汚泥のセシウム含有量の減り方が少ないところもある。次は川口市の例。

9月、10月になっても、セシウムが増え続けていた原因が分からない。

枝野前官房長官は、自らの「ただちに健康に影響はない」との発言について、1度か2度食べた程度では健康に影響はないと言ったものだと釈明しているが、500ベクレルの汚染ではなくても低い汚染度のものを食べ続ければ、健康被害が出る。

食べ物による内部被曝を抑制する 1」に書いたように、毎日ごくわずかずつでも放射性物質が体内に取り込まれる限り、生物学的半減期はセシウム137で約70日、セシウム134で約100〜200日とされるから、体内のセシウム量がピークをつけるのは、まだまだ先だ。

ちなみに私の自己流の計算によると、生物学的半減期70日なら約700日でほぼ減衰しきるから、毎日6ベクレルずつ摂取するとして累計値を出し、ここから日々の減衰分を差し引くと、416日目辺りで599ベクレル程度となり、後はほぼ横ばいとなる。416日は、1年と50日。2012/4月末までは体内にある放射能は増加していくこととなる。

生物学的半減期150日ならほぼ減衰しきるには約1,500日要することとなり、累積値は1,000日を越えてもまだ増え続ける。そして、蓄積される放射能の量も大きい。

乳幼児の尿からセシウムが検出され続けると言うことは、既に体内に蓄積があるということになるし、し尿から量の変化はあっても、少なからざるセシウム量が検出され続けるということは、体内からの排出分だけではなく、飲食物の中にセシウムが含まれ、消化器を通じて排泄されていると見られ、今なお、体内蓄積のプロセスが進行中と見なければならないだろう。

気を引き締めて、セシウムの検出情報をウォッチし、セシウム汚染の少ない飲食物を選ぶしかない。

少し前に、大学関係者が、500ベクレル/kgなどという基準は、全面核戦争時の餓死を避けるための基準と発言したことがあった。最近、医療関係者が、東京中心に避難者が何千万人も出たら餓死者が出るから、それとの比較である程度の被曝はやむをえないとか述べているのを見て驚いた。

確かに、今の日本の物流システムは脆弱だ。東北の被災地では、何日も、水も食料も入手困難となった。近い時期に大きな地震が来るとの予想もあり、避難を想定する場合でも、備蓄は欠かせない。修学旅行の際に、米を袋に入れて東京に持っていったことを思い出す。

佐倉市などのし尿のセシウム濃度とそれから作られた肥料のセシウム濃度の推移。この肥料は400Bq/kg以下のため、使用可となり、2011/8/4から配布が再開されている。

セシウム濃度は、ここ3回の測定を見るとあまり下がっていない。肥料としてセシウムまでリサイクルしたら、地域住民のセシウムの摂取量は減らないことになるのではないか。

佐倉市の土壌中のセシウム濃度は、佐倉市城の庭で857Bq/kg、佐倉市白銀の庭で228Bq/kgというデータがある。肥料施用で土壌中のセシウム濃度が上昇する場合もある。

セシウムを含む食べ物が消化器官を通り抜ける間にどれだけ体内に吸収されるのか知らないが、セシウムの体内の取り込みが続いているのではないかと危惧する。
(初出 11/22 改訂 12/1、12/3、12/20)
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2011年12月19日

屋内の埃などに含まれるセシウム

木下黄太のブログの12/15の記事に、家庭の掃除機ごみパック内のごみのセシウム濃度を調べた結果が掲載されている。

東京都 世田谷区南部
土壌      Cs-134 255.7Bq/kg     Cs-137 290.2Bq/kg 
家庭内ダスト  Cs-134 662.57Bq/kg    Cs-137 771.81Bq/kg 

東京 多摩市 
土壌      Cs-134 88.1Bq/kg    Cs-137 122.3Bq/kg 
家庭内ダスト  Cs-134 808Bq/kg  Cs-137 922Bq/kg 

茨城県日立市        
土壌      Cs-134 348.98Bq/kg   Cs-137 401.37Bq/kg
家庭内ダスト  Cs-134 3216.58Bq/kg  Cs-137 3048.16Bq/kg

千葉県八千代市
土壌      Cs-134 674.99Bq/kg    Cs-137 912.73Bq/kg
家庭内ダスト  Cs-134 902.68Bq/kg  Cs-137 657.27Bq/kg

愛知県刈谷市 
土壌      Cs-134  不検出     Cs-137 不検出
家庭内ダスト  Cs-134  不検出     Cs-137 不検出

掃除機の集塵・ろ過能力、ごみパックの使用期間などが不明だが、上のデータから見る限り、掃除機の使用で屋内のセシウムが捕捉できていることがわかる。

上の4例では、土壌中のセシウム濃度よりごみパック内のホコリのセシウム濃度が高い。私見では、セシウムは、ごみパックを通り抜けているものも多いと思うし、掃除機の使い方によっては、屋内の汚染度合いを均等化している場合もあるのではないかと思う。

掃除機を使う場合は、花粉症対策と同様な使い方が良いのではないかと思う。

病院は、掃除用の配管が床に埋め込まれ、排気が室内に戻らない仕組みになっている。国立がんセンター東病院の屋内と屋外(陽子線治療棟屋上)で測定した空間線量率の推移は次のとおりで、内外の差が縮まってきている。屋内はむしろ上がっているとも読み取れる。

やはり、屋内の拭き掃除が有効のようだし、この先も掃除の手間を惜しむことはできない。

・・・・・

12/16、「福島老朽原発を考える会」が民家の埃を各地で測定した結果を公表

福島市・渡利地区 19,500Bq/kg
一関市 5,880Bq/kg
郡山市 4,910Bq/kg
柏市 5,970Bq/kg。

掃除機のゴミパックの測定結果だが、ずいぶん高い。柏市や一関市で毎日一回掃除機をかけて10グラムのホコリが集まったら60ベクレル、5グラムなら30ベクレルだ。
posted by ZUKUNASHI at 22:23| Comment(0) | 内部被曝防止

2011年12月07日

イオンが放射能独自検査で検出限界を超えた食品の販売を停止

スーパーのイオンは、11/8、放射性物質の自主検査の対象品目数をこれまでの約2.4倍に増やすとともに、検出限界を超えた測定値が出た食品は販売を停止する旨発表した。自主検査の結果は11/9から自社サイトと店頭で公表するという。

イオンは、これまでキログラム当たり50ベクレルを自主検査での販売停止の基準としたきたが、これが10数ベクレルまで下がることになる。

同社の公表資料によれば、2011/11/01に検査結果が出た福島県産「ひとめぼれ」はセシウム134:検出せず(検出限界17ベクレル)、セシウム137:30ベクレル(検出限界14ベクレル)。同コシヒカリはセシウム134:15ベクレル(検出限界14ベクレル)、セシウム137:検出せず(検出限界12ベクレル)でともに販売されなかったとある。

このイオンの措置は、主婦層に歓迎されるだろう。野菜などを一つごとに産地を確かめて買うのは面倒だ。いささか疲れてきている主婦も多い中で、イオンなら、全品検査ではないものの、検査品目数が多いからこれまでほどに気を使わなくても済むと考える人は多いのではないか。

大手スーパーがこのような詳細な自主検査を始めると、特に中小スーパーは影響がありそうだ。

それにしても、イオンの自主検査で検出限界を上回る測定値が出た食品は、どうなるのだろう。納入業者が引き取るのだろうが、そうだとすれば納入業者も産地を選ぶか、自分も検査をするかなどの対応を迫られることとなる。

そして、イオンの検査を通らなかった食品は、納入業者が他の販売先に回すだろう。値段も安くなるかもしれない。どこに回るだろう。

・・・・・

12/7現在のイオンの検査結果

水産物で結果を見ると、検出せずが多いが、一部検出されたものがあり、販売せず又は再検査となっている。
検査結果確認日 品目 水揚港 海域 セシウム13 同検出限界 セシウム137 同検出限界
2011/11/03 カツオ 岩手県大船渡港 日本太平洋沖合北部 9.3_ 7.8_ 12_ 7.5
2011/11/03 めじまぐろ 宮城県塩釜港 三陸南部沖 検出せず_ 9.3_ 11_ 8.8
2011/11/05 真たら 宮城県石巻港 三陸南部沖  47.9_ 7.37_ 49.0_ 6.05
2011/11/10 めじまぐろ 千葉県銚子港 房総沖 検出せず_ 7.9_ 17_ 9.8
2011/11/10 真だら 北海道八雲港 北海道・青森県沖太平洋 12_ 8.5_ 12_ 9.8
2011/11/10 めいたかれい 宮城県石巻港 三陸南部沖 13_ 9_ 21_ 10
2011/11/10 ぶり 宮城県石巻港 三陸南部沖 23 9.1_ 22_ 9.7
2011/11/17 カツオ 宮城県気仙沼港 日本太平洋沖合北部 検出せず_ 8.0_ 6.2_ 6.2
2011/12/01 ぶり 千葉県銚子港 日立・鹿嶋沖 16_ 5.2_ 16_ 6.7

米では、福島産米に一部出ているものがあるが、上に書いたものと同じだ。
検査結果確認日 品種 産地 セシウム13 同検出限界 セシウム137 同検出限界
2011/11/01 ひとめぼれ 福島県福島市 検出せず 17_ 30_ 14
2011/11/01 コシヒカリ 福島県福島市 15_ 14 _ 検出せず_ 12

イオンのこの努力が、消費者からどのように評価されているのか、興味あるところだ。

(初出 2011/11/8 追記 12/7)
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2011年12月06日

明治の乳児用粉ミルクに30.8Bq/kgのセシウム

菓子・乳製品大手の明治は、2011/12/6、自社が製造、販売する粉ミルク「明治ステップ」から、22から31Bq/kgの放射性セシウムが検出されたため、新たな製品と交換することを発表した

明治の自社検査結果。検出限界:5Bq/kg、ゲルマニウム半導体検出器による。
賞味期限 検査日     Cs134 Cs137(Bq/kg)
2012.10.03 2011.12.03 検出せず 検出せず
2012.10.04 2011.12.03 8.3 13.2
2012.10.05 2011.12.03 検出せず 検出せず
2012.10.06 2011.12.03 検出せず 検出せず
2012.10.21 2011.12.04 15.2 13.8
2012.10.22 2011.12.03 14.3 16.5
2012.10.23 2011.12.04 検出せず 検出せず
2012.10.24 2011.12.03 9.2 13.3
2012.11.06 2011.12.05 検出せず 検出せず

同社によると、無償交換の対象とする40万缶は、埼玉県春日部市の工場で3月14〜20日に牛乳を乾燥させる工程を経た製品だとのこと。原料の牛乳には、3/11以前に加工された北海道産などを使用していた。大量の空気を当てる過程で、福島第1原発事故で放出された大気中の放射性セシウムが混ざったとみられている。

空気で牛乳を乾燥させるといっても、外気の埃などをフィルターで除去して使っているはず。それでもこれだけのセシウムが乾燥用の空気に含まれていたということになる。

当初、当社が自発的に汚染を検知し、発表したのかと思っていたら、NPO法人TEAM二本松が検出し、これをもとに共同通信が動いたために会社側も対応せざるを得なかったようだ。

TEAM二本松は、2011/11/16に牛乳に関する測定結果をまとめて公表しており、それによると、明治、メグミルク、森永、東北森永乳業、みちのくミルクの製品から15〜39Bq/kgの放射性セシウムが検出されている。

これはちょっと困った事態だ。国産乳製品は控えないといけないようだ。

牛乳から離れるが、春に天日乾燥された食品が、汚染されていることは避けられないだろう。東京湾周辺で収穫、調製された干しノリなども、セシウムが検出されている。
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2011年12月02日

給食食材上限40ベクレルだと給食kg当たり12ベクレル見当

文部科学省が11/30に東日本の都県教育委員会に通知した、小中学校の給食に含まれる放射性物質濃度について、食材1kg当たり40ベクレル以下を目安とする方針が実施された場合の給食1kg当たりのセシウム濃度は、約12ベクレルと推計される。

2011/8/23の記事「福島市学校給食40ベクレルの謎」で取り上げた、福島市の父兄が依頼した民間検査機関の測定で1kg当たり40ベクレルという数値が出ており、これとの比較では格段に低くなる。

この民間検査機関の測定値は、セシウムのほかにカリの放射能も含んでいるとの指摘もあるから、単純には比較できないのかもしれないが、いずれにしても、コメ、肉類、水産物、キノコなどについて、セシウム濃度が40ベクレル以下なら、全体としては1kg当たり20ベクレルを越えないのではないか。

残念ながら、「給食食材上限40ベクレルで福島県産米と縁切り?」で書いたように、文部科学省の方針は、被災地からの反発にあって後退の気配を見せている。

私は、給食のセシウム濃度は低ければ低いほど良いと考える。1kg当たり20ベクレルでも保護者は満足すべきでない。カリの放射能は別として、セシウム以外にストロンチウムなどの放射性物質を含んでいることは、避けられないはずだと考えるからだ。
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