ブログ閉鎖の危機を乗り越える: ずくなしの冷や水

2014年03月29日

ブログ閉鎖の危機を乗り越える

友人から、栃木県で健康被害は起きないのかの記事に関してコメントがあった。

@ 3月に死亡数が最大になったというのは、月別の日数の違いを考慮しておらず、厳密さに欠ける。

A バンダジェフスキーやクリス・バスビーの言うことが専門家の立場から見て正しいのなら、日本でもその観点から研究し、成果を示す医師や研究者が何人かはいてよいはずなのに、そのような動きは見当たらず、日本ではベラルーシーやウクライナのような被害は出ないのではないか。

B 基本的に、私(ずくなし)が、放射能問題にのめり込み過ぎだ。人生はいろいろなことをバランスよく受け止めていくのが良い。

AとBについては、私の立場ははっきりしている。

A 今の日本では政府が徹底的な隠蔽策をとっており、放射能による生物の障害を調べる研究は研究費を打ち切られているし、学会が研究成果の発表にたがをはめている。良心的な医学関係者がいてもその声は一般のマスコミでは伝えられない。

B チェルノブイリの被害を見てきた私の経験から、日本の人たちに最大限の警告を発するのが、今私にできる最大の社会貢献だ。いい年をしてとか、なんと言われようがかまわない。

だが、困ったのは@の指摘だ。これをクリアーできなければ、ブログを閉鎖しなければならない。

やむを得ず作業した。小選挙区別に2010/1からの月別死亡数を拾い出し、これを一日当りに換算する。2012/2はうるう月だから29日、他は28日、30日、31日で除した。

次は、茨城県についての結果だ。白抜きの部分が各年3月。



データを加工して我ながら驚いたのだが、7つの小選挙区のうち、4つで3月の一日当り死亡数が1月のそれを上回って最大になっている。青が最大、緑が二位、黄色が三位だ。



少なくとも茨城県に関しては、2011年は2月以降で7つの小選挙区すべてで3月の死亡数が最大になったという指摘は間違っていないし、年間を通じて3月が最大の一日当り死亡数を示した小選挙区が4つもあるとも言える。

2010年に関しては、2月以降で3月の死亡数が最大になった小選挙区は3つ、2012年に関しては2つ、2013年に関してはゼロ。2010年、2012年、2013年ともに、3月の死亡数が1月を超えたところはない。

東日本のすべての小選挙区について日当り死亡数で計算し直した。厳密性追求のため、下に注を付した。



・宮城県は2011/2以前のデータがない。
・政令指定都市は、その市域の一部でも含む小選挙区の死亡数最大月を拾い出し、政令市一本にまとめた。横浜市は、2月が9、3月が7、11月が2なので2月を適用。さいたま市は、2月が6、12月が4なので2月、川崎市は2月が4、12月が2なので2月、千葉市は5月、8月、10月が各1、12月が3なので12月、新潟市は2月が2、3月が3、11月が4なので11月、静岡市はともに3月なので3月、浜松市は2月が3、5月が4なので5月。

次は、1月も含めた死亡数最大月。茨城の2区、4区、5区、7区、栃木1区、4区、山形1区、東京12区(東京都北区)で1月を含めても3月が年間のピークとなっている。



そして、最後にもう一つ。「福島県の人口減はもう止まらないだろう 群馬県、栃木県の出生数が最低を記録 2014/2の人口動態から」に掲げた次の図に注目して欲しい。

茨城7区、栃木4区の人口自然増変化指数が急に悪化。原因は分からないがひょっとすると上の地図でこの地域が赤いことと関係しているのかもしれない。


一応、ブログ閉鎖の危機は免れただろうか。友人は、「この先何年生きられるか分からないが、ずーっと放射能のことばかり気にして生きるのは・・・」と言っていた。それはよく分かる。

だが、ヒトの生活環境の面からいえば、世界は根本から変わったのだ。私らの年代はもういい。好きなことをして暮らしたらいいと思う。

だが、私は、無知な母親が注意を払わなかったために、幼い子供が次々と深刻な病を発症していくのを横目で見ていたくない。私は、いや私も、私のやりたいようにやっていく。
posted by ZUKUNASHI at 15:52| Comment(10) | 原発事故健康被害
この記事へのコメント
ずくなし様
いつもありがとうございます。
放射能の危険性を発信し続ける信念に涙が出ました。
関東から西に移住していますが、政府の悪質さに怒りいっぱいです。そして日本人の健康が脅かされる事態が辛いです。
孫の父親は昨年11月、心不全で急死しました。千葉のホットスポットから西日本に移住して4ヶ月後でした。回復しきれなかったのでしょう。放射能による健康被害を認めず、コンビニ弁当を食べ、外食ばかりしてました。37歳でした。
Posted by mini at 2014年03月29日 17:41
mini様 ご親族のご逝去を悼み 心からお悔やみを申し上げます。
食事などに注意して欲しいと願っても、働き盛りの男性には、なかなかそのようにしてもらうことは難しいです。
私が突然死などの事例を調べた印象では、飲食物からの放射性物質の摂取が原因となることは疑いがありませんが、吸気被曝がより大きな原因となっている場合も多いように感じています。
プルームは濃淡にむらがあり、100m離れた場所でも内部被曝に関しては大きな差が生ずることがあります。これはウォーキングの際に測定器を手にして歩きながら測っていると実感します。
仕事で飛び回っておられる方の場合、どこでそのようなプルームに遭遇しているか分かりません。特に2011/3のプルーム襲来時は、情報もなく、運不運により被曝に大きな差が出たのではないでしょうか。
私は、福島第一原発事故後1年間パート労働で街中を走り回っており、健康被害も出ました。そのせいもあって今は食べ物には気をつけていますが、それでも毎夜、明朝はちゃんと目が覚めるだろうかと不安を抱きながら床についています。
西日本に避難されたのですからそれ以降は内外の被曝は格段に少なくなっています。
どうぞ、悲しみの中から力強く立ちあがっていただくことを願っております。
mini様も、もう一踏ん張り、精神的な面では家族のために貢献できます。ともにジジババも役に立つことを実証してみせましょう。
Posted by ずくなし at 2014年03月29日 20:41
ずくなし様、
いつも誠に的確にして深い洞察に感謝致しております。ブログ閉鎖という言葉を拝見して、初めてコメント致しました。冒頭の3点のコメントは、あまりにもレベルの低い幼稚なコメントですので、全くお気にかけることは無いと思います。これからも、お体にお気を付けられて、深い洞察に満ちたお考えをご発表なさって下さい。毎日、拝読するのを、(心が重くなりながらも)楽しみに致しております。
Posted by プロテウス at 2014年03月29日 20:53
ずくなし様
毎日拝見しています。
今日、ブログ閉鎖という文字を見て、ドキッとしました。最後まで読んで、閉鎖にならないことがわかり、安堵したとともに、日頃の感謝の気持ちをお伝えしたくなりました。
事故直後の平成23年度、政府は福島県と宮城県の一部の患者調査をしないことにしてしまいました。関東にいた自分の回りでは明らかに若者の突然死や病気が増えているのに、周りの人たちは心配する人をノイローゼ扱い、その様な話をすること自体悪い事をしているような扱いです。このブログの冷静な分析が、どんなに自分の励みになったかわかりません。
どんなにか、大変な労力を費やされてブログをお続けになっているかと思います。
感謝の気持ちでいっぱいです。
Posted by taranome at 2014年03月29日 23:50
プロテウスさん こんにちは
私の友人は善良で素直な性格なのです。これまでは、みんなと一緒に死ぬならそれでもいいなどと言って放射能問題に関心を示しませんでした。今回は、私の挑発に乗って、私のこのブログの土俵の中に少しは踏み込んで議論してくれただけで私には大きな収穫なのです。
放射能問題は、背景や理論の幅が広くかつ深いために善意の人でもなかなか理解して自分の立場を固めるのが難しいということだと思います。
自分や家族に健康被害が出れば、真剣に調べるのでしょうが、そうなってからでは遅いので、なんとか防護策を強めて欲しいと思っているのです。
どんな記事を書いたら安全論のデマに洗脳されている人に目覚めてもらうことができるのか、模索しています。

taranomeさん タラの芽のてんぷらの季節ですね。好物ですけど、もう何年も食べていません。タケノコ、レンコン、山菜、きのこ、庶民のささやかな季節の楽しみが奪われてしまいました。気にしないで食べている人は大勢おられるのでしょうが、近くのスーパーでは鮮魚の品揃えがめっきり減りました。安全デマは流れていても、危険を知っている人は増えていて、危険が少ないものは高値で流通しているのでスーパーには並ばないのだと思います。
悲しいことに、安全デマに乗せられた人は、滅びて行くのです。それが今の日本です。
Posted by ずくなし at 2014年03月30日 08:52
お疲れ様です。たくさんの人の気持ち、行動を変えるのは、こんなに努力しなくてはならないのかと思いました。
私に何が出来るのか分かりませんが、金曜行動で内部被曝問題のビラを作って配り始めました。一人でも食事に注意してくれると嬉しいと思います。
本当に、何の落ち度もない子供たちが被害に遭っていくのが悔しくてなりません。
たくさんの情報に触れ、事実を知れば知るほど辛いです。
女は案外あっさり納得するのですが、男の人は理論がしっかりしていないと難しいです。金曜行動でアンケートを取っていましたが、中年男性の原発賛成(理由は経済)の考えは覆すのは難しいようでした。
もっと勉強して、理論武装(この言葉もなんだかなぁという感じですが)したいと思います。
あまり思いつめないように、ご自愛下さい。
Posted by 鳥取の主婦 at 2014年03月30日 08:57
はじめまして。
半年ほど前から拝見しています。とても見識の高い方と、感心しております。「ずくなし(ものぐさ)」という言葉は似合いませんね。
このブログの情報はとても参考になります。どうぞ今後も頑張ってください。

仮に間違った事を書いたから、ブログ閉鎖という事にはならないと思います。そういう発想は理科系の人の発想ですね。
正しいか否かという二者択一ではなく、もっと複合的に考えないと。
つまり、この問題は科学の問題であると同時に、人災だからです。
科学的な視点は基本的に大切ですが、「人の心」という視点も重要だと思います。
楽観的か悲観的か?それ以前に事象を客観的に見ようとする態度があるか?

ひとつ私が違和感を覚えるのは、突然死など原因不明の疾患をすべて放射能被害に結びつけようとする傾向です。
放射能による健康被害についての研究はまだまだ遅れており、わからない事だらけです。
安全を最優先するなら、すべてを疑ってかかる態度は必要だと思います。しかし、行き過ぎもまずいかなと思います。
Posted by 渡辺 at 2014年03月30日 10:05
渡辺さん こんにちは
私は、最近のすべての疾患の増加の背景には、放射能の影響があると考えています。
心筋梗塞や川崎病などは被曝が原因で起きると指摘されていますし、「このブログの内容早分かり 健康被害はすでに深刻 被曝回避を」に掲げた「北ウクライナの精神身体疾患の患者数割合のグラフ」を見れば、分野の例外なく患者割合が増えています。
でも、私は、福島第一原発や除染現場での急死事例などを除けば、個別の事例が放射能が原因だとこのブログで断定はしていないつもりです。工作員避けの意味もありますから。
医者の診断能力や知識が足りないために「原因不明」とされる疾患については、その原因と考えられるものを自分で探し、対策を講ずるしか手はありません。研究が進んでいないから原因は判断できないとされ、放置されたり見当違いの処置をされる患者はたまったものではありません。
原因として放射能の存在を疑い、被曝対策を講じてなにか弊害はありますでしょうか。被曝は少ないほど良いと私は考えますが。
Posted by ずくなし at 2014年03月30日 15:29
ずくなし様
いつも貴重な情報有難うございます。
仰るとおり、日本は未曾有の放射能実験場になっているのは事実で、政府、東電、地方公共団体、企業、マスコミ、専門家は
何を言おうと、福島原発事故が原因で病気になろうが、死のうが一切責任はとらないという事は確実ですよね。

ご友人が健やかにお過ごしできれば、それを喜び、放射能由来の病気になれば心配する、それくらいしかできませんし、逆にこちらの意見に対して、無反応、反対意見であれば、逆にこちらに対しても意見を言ってほしくないというスタンスで良いのではないでしょうか。
事故後、自分の体は自分で守るしかなく、
どんなに家族や友達を大切に思ってもどうすることもできません。
放射能由来の病気になっても、たったひとつの命、もう取り返しがつきません。
ずくなし様の様に、この危機的状況において情報発信してくださる方はわずかで、大変感謝しております。

これからも体調にお気をつけて、無理せず活動してくださるとうれしいです。
Posted by incarose at 2014年03月30日 19:13
incaroseさん こんにちは
お説のとおりだと思います。本人が問題意識を持ち、どうすべきか考え始めなければ、周りがどんなに心配しても、どうにもなりません。
ですが、私は、長年の友人には、諦めずに働きかけていくつもりです。友人は、1、2年前に聞いたら、面倒だから私のブログなぞ見ていないと言っていましたが、最近は見ていて、そして意見を言って来たのです。
こっちの土俵に乗ってくれればしめたものです。
現実がどんどん予想した最悪の事態に近づいていますから、情報に基づく状況評価ではいくらでも議論できますし、説得の材料もあります。
今でも、このブログのアクセスの大半は検索エンジン経由です。ネット界のビッグネームが記事を紹介してくれてもその時だけアクセスが少し増えますが、すぐ元に戻ります。
検索エンジン経由のアクセスの中には、遅まきながら最近問題意識を持った方もおられるでしょうから、まだ希望はあると思います。
というか、健康被害の深刻化が明らかになるには、もはやあまり時間を要しないでしょう。私のこのブログのアクセスが急増するときは、まさに地獄の門が開いたときだろうと恐れています。
Posted by ずくなし at 2014年03月30日 21:07
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