栃木県で健康被害は起きないのか: ずくなしの冷や水

2014年03月27日

栃木県で健康被害は起きないのか

友人が先日、栃木県の濃厚汚染地帯の近くに住む人から手作り野菜をもらっておいしく食べたそうだ。

友人が言うには、自分の知り合いや友人はまったく放射能を心配していないと。「新聞もテレビも放射能が原因で病気が増えたなど一言も言っていないから、心配ないんじゃないの」と私を責める。

「うーん、そうかも」言葉に詰まる私。新聞やテレビがいかに嘘をつきまくっているか、材料を揃えて説得することもできるが、もし、それが本当だと分かったらおそらく精神的に破綻する中年以上の男性も多いだろう。

彼らは、既成の社会規範に合せ、周りに順応して時にはポチにもタマにもなって自分の地位を築くのに半生を費やしてきたのだから、これまで社会規範の読本であった新聞やテレビの言うことがずーっと嘘だったと知ったら、精神的な支えを失うだろう。

「被曝で病気になるとは、一部の外国人が言っているだけ、なんとかという黄色い人の言うことは極端だ・・・」

友人の話には小出裕章氏は出てこなかったし、バンダジェフスキー博士も、バスビー博士も出てこなかった。もちろん、ウクライナ要人の日本の議員に対する助言も頭に残ってはいないようだ。そもそも、読んでくれているのか???

まあ、仕方がなかろう。へたに既成秩序の反人間性を吹き込んで、生きるのが嫌になっても困る。ここは、とにかくできる範囲で被曝回避に努めてもらうしかない。

もともとテレビが大好きでほとんど家の外に出ないから吸気被曝も少ないだろう。用事は妻に任せきりだから、外出の多い嫁さんのほうが先に???

ところで、栃木県は濃厚汚染地帯もあるのだが、みんなノーテンキらしい。健康被害の心配はないのだろうか。

まず、空中測定による汚染状況。桐生市、日光市、矢板市、大田原市を結んだ線より北が濃厚汚染地帯だ。



3/14AM9〜3/15AM9の沈着量。栃木県の茨城県に沿った幅10km弱の地帯がプルームに覆われる。


以下、地図省略。

3/15AM9〜3/16AM9の沈着量。栃木県全域にセシウムが沈着、特に北半分の沈着が大きい。

3/20AM9〜3/21AM9の沈着量。3/15AM9〜3/16AM9より濃度は低いが、栃木県全域にセシウムが沈着。

3/21AM9〜3/22AM9の沈着量。栃木県全域にセシウムが沈着。南半分の濃度が高い。

3/22M9〜3/23AM9の沈着量。栃木県全域にセシウムが沈着、特に北半分の沈着が大きい。

3/25M9〜3/26AM9、3/30M9〜3/31AM9の沈着量。ほぼ全域でセシウムが沈着。

セシウムが降下沈着していた時間は長いが、3/15AM9〜3/16AM9、3/21AM9〜3/22AM9、3/30M9〜3/31AM9に降雨があり、空中の放射性物質は長時間滞留せずに落下したと見られる。

このため、吸気被曝は、降雨がない場合に比してあまり大きくならずに済んだ可能性がある。

栃木県内主要都市の2011/3/14〜3/31までの日別雨量は次のとおりだ。プルームが襲来するとその直後に雨が降っている。この降雨によって、沈着量は増えたが、吸気被曝はその分少なくなった。



とは言っても、内部被曝が原因でないかと疑われる事例もあった。

2011/12/4、那須塩原市の栗川仁市長(67歳)が胸部大動脈瘤破裂のため市内の病院で急逝。

2012/3/20、ビジネス誌「プレジデント」元編集長で同県那珂川町矢又、文筆業、樺島弘文さん(56)が大田原市で用水路に転落し死亡。
樺島弘文氏はサイクリング中の事故だった。

栃木県人が、今も地元産の野菜などをぱくぱく食べているのは、まだ健康被害の出方が少ないからだろう。だが、吸気内部被曝はないわけではないし、汚染食品を食し続ければ早晩健康被害は免れない。

友よ! せめて身内の人たちだけでも十分注意喚起しておいたほうが良くはないか。甥っ子、姪っ子の野辺の送りには参列したくないだろうが。

次の図をよく眺めて欲しい。



茨城県寄りの地域は、3/15に強いプルームが通過し、吸気被曝が大きかったために2011/3に死亡数がピークとなり、日光、鹿沼は少し遅れて5月にピーク、雨が多く放射性物質が洗い落された那須塩原方面と強いプルームが通らなかったと見られる佐野市などは寒さが増した12月にピークとなっている。

この地域差の原因を、上の私の仮説と違う根拠で私に説明してくれるなら、私はこのブログを閉じるのもやぶさかではないよ。



みゅうひめ(脱原発に1票+1票) ‏@myuuhime 市の2013/2/27のツイートに日光の汚染地図が付されている。ご友人が作られたものだと。0.64μSv/hの数値も見える。

posted by ZUKUNASHI at 21:28| Comment(4) | 原発事故健康被害
この記事へのコメント
こんばんは。
いつもブログを拝見させていただいている者です。
静岡在住時、マンションの上の階の方のご実家が栃木の方(市までは不明)で、ご実家で採れたお野菜を食べていました。
その方の子供(2歳女児)のリンパがとても腫れあがり・・・スゴかったです。
熱や咳等もなく、医師からも『原因不明』と診断されたと母親は言っていました。でも、放射能は大丈夫と。子供が不憫でなりません。
自分自身も静岡では、遺伝的に弱い腎臓が痛み立てなくなったので、母子避難しました。
どうか、まだ放射能の怖さを気づいてない方が一刻も早く気づいてくれるよう、日々願っています。
Posted by 匿名希望 at 2014年03月27日 23:05
こんばんは やはり被害出ていないはずはありませんよね。ご自身の体調は改善しましたか? 静岡も健康被害は強いようですね。小田原から伊豆半島にかけては汚染地帯で人口動態大きく悪化していす。避難生活、いろいろ大変でしょうが、がんばってください。
Posted by ずくなし at 2014年03月27日 23:27
那須塩原に住んでいましたが2011年の3月15日は一日霧雨が降っていて夕方になって金属の焦げた臭いがしてきたので「放射能がやってきた〜」ということで急いでなにも持たず犬だけ連れて京都へ避難しました。その後那須塩原へは帰っていませんが昨年は近所で5件の葬式がありました。60代2人70代一人80代2人です元々高齢化地域でしたが13、4件の隣組で80歳以上はゼロになったのではないかとおもっています。子供の健康被害ばかりが騒がれていますがまず始めに体力のない高齢者が健康被害にあっているように思います
Posted by yaeko at 2014年03月30日 00:08
「3/15は一日霧雨、夕方になって金属の焦げた臭い」だったのですか、それで濃厚沈着が生じたのですね。霧雨は、放射性物質を洗い落とす効果が大きかったと思いますが、そこで栽培される農作物などは汚染が強まりますから少し時間を置いて健康被害が出てくるのですね。「体力のない高齢者が健康被害」にあうというのは、ご指摘のとおりだと思います。ですが、時間が経つに連れて全年齢階層に被害が広がってくるのではないでしょうか。栃木県からは健康被害の情報発信が極めて少なく、住民の認識も特に低いのではないかと懸念されます。
Posted by ずくなし at 2014年03月30日 08:13
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