2011年3月12日から同年5月11日までの2カ月間を対象とした被ばく線量の推計。いずれも成人の場合。推計方法は不明。
以下では、関東と東北のみを取り上げた。まず実数。単位rem。



2011/3/15〜3/16 神奈川県はプルームの下にあったで厚木基地や藤沢市の線量率が把握できたのでそれと比較したいところだが、なぜか厚木基地については推計値が示されていない。
東京(赤坂と見られる)、横田基地、横須賀基地の推計値があり、それらの値が似通っているからその平均値を基準として他の場所と比較する。平均値=1。

米国国防総省は、甲状腺被曝量についてはヨウ素を中心に内部被曝を推定しているだろう。福島第一原発より南の地域では、北よりもヨウ素が多かったとの説もあるが、仙台市の推計値は小山市や百里基地より高い。
藤沢市で個人が測定した空間線量率と厚木基地で米軍が測定した線量率は一桁違う。国防総省の甲状腺被曝量の推定は、ベータ線込みでの測定値を踏まえたものだろう。そうであれば、内部被曝による健康被害の発生見込みを比較するには、甲状腺被曝量の推計値を使ったほうがよいだろう。

そのように考えれば、茨城県の小美玉市など霞ヶ浦の周辺地域、茨城2区、3区、小山市などの周辺地域、栃木4区、5区、そして仙台市や宮城3区は、今神奈川県下で生じている健康被害と同等以上の被害が出る潜在リスクを抱えているといえるだろう。
地方は情報が出にくいから、事態の悪化に気づくのが遅れることがある。茨城県南部の健康被害は深刻なものがあるし、宮城県は眼の疾患がとにかく多いようだ。
栃木県は、2013年12月24日、県の有識者会議「放射線による健康影響に関する有識者会議」が県に対し、「臨床的な検査を含む健康調査は必要ない」との追加報告を行っているが、バカな話だ。栃木2区は出生数が減少している。ウクライナの教訓によれば、これに続くのは死亡数の増加だ。

在日米国大使館が、2011/3/15、横須賀の海軍大将からTEDEという測定方式で計測したら午前5時に毎時15マイクロシーベルト出たとの情報を得ていたという。
TEDEというのは、内部被曝による預託実効線量当量(CEDE)と外部被爆の合計、総実効線量当量のことだという。簡単に言うと外部被曝と内部被曝の合計を測定するものらしい。
TEDE15μSv/hで米軍の家族は窓に目張りをし、3/21には避難した。3/21の午後にはジョージワシントンも緊急出港。ガンマ線だけで測定した空間線量率はたいしたことがなくても、米国は深刻な内部被曝があると判断していたわけだ。
同じ場所で格段に低い防御措置しかとらないまま被曝しているのに、日本人に健康被害が出ないと考えるのは、どれほどおかしいか分かってもらえるだろう。
3/15には、厚木と横須賀でほぼ同じ5μSv/hを記録したとされているから、空間線量率では5μSv/hで、TEDEが15μSv/hということのようだ。
米国国防総省の被曝量推定では横須賀より仙台や小山の被曝量が大きくなっているから、仙台や小山ではTEDEが15μSv/h以上あったと見るべきだ。