市原の劣化ウランは燃えていた!?: ずくなしの冷や水

2013年11月14日

市原の劣化ウランは燃えていた!?

千葉県市原市にあるコスモ石油千葉製油所の火災で、隣接するチッソ石油化学がその敷地内に保管していた劣化ウランが延焼したという説が絶えない。

すぎもとゆうこ ‏@ikarostayuu 氏の2013/11/10のツイート
「秘密保持法が決まらんうちに書いておく。市原の劣化ウランが燃えた事は、一般人には隠蔽のまま。議員が食い下がって、やっと実は燃えましたと吐いたと。その議員さん直々に聞いたのだ。名前までは追及するなよ。逮捕されると大変だからなぁ。私もそのうちヤバくなるのかねぇ。」

この問題は、記事を書いたことがある。

化学工場の爆発時はやはり家にこもり換気を止める 避難は風向きと直角方向へ

今回の検討の出発点は、上の記事にも掲げた市原市の千葉県環境研究センターの1時間ごとの空間線量率測定値だ。コスモ石油の火災が燃え盛っていた午後6時台に空間線量率が0.01μSv/hほど上がっている。



劣化ウランが燃えるとガンマ線が出るのか、それとも製油所で何かガンマ線源を使っているのか分からないままになっていたが、山口潤一郎氏の著作「図解入門よくわかる最新元素の基本と仕組み: 全113元素を完全網羅、徹底解説」に劣化ウラン弾の解説があり、そこに次のように書かれている。

劣化ウランは、「融点が1132度と比較的低いため、着弾時の摩擦熱により融解飛散しやすく、発生するエアロゾルは、空気中の酸素で酸化されて燃焼」する。
また、劣化ウランは、アルファ崩壊しガンマ線が出るとも書かれている。
(この本はネットで一部が読めるが、分かりやすく内容豊富だ)

劣化ウランが燃えたという前提に立てば、当然劣化ウランがエアロゾルとなり、大気中に飛散したはずだ。そしてそのエアロゾルを濃厚に含んだ空気がガンマ線測定器に接近すれば、測定値は上がるはずだ。

チッソ五井工場の新しい劣化ウラン置き場の放射能を測定している様子が2011年9月22日 読売新聞に掲載されたが、ガンマ線の測り方だ。

この夏、各地で雷雨時に空間線量率が急上昇する現象が見られた。ラドンとその娘核種が検出された例もあるし、埼玉県などでは水道水にラドン系列の放射性物質が含まれていたようで、洗面ボウルに水道水を満たすと空間線量率が上がったりする現象も観察されている。

千葉県環境研究センターの2011/3/11夕刻の空間線量率測定値の上昇は、他に原因がある可能性はもちろんあるが、チッソ五井工場の劣化ウランが燃焼したのであれば、劣化ウランがエアロゾル化して飛散したことによるという可能性は小さくない。

次の図は、千葉県環境研究センター空間線量率測定値2011/3/11から4/17までの日平均。3/21のプルーム襲来時には3/20の0.035くらいが0.09まで上がっており、3/11のプルームの強さは、3/21のそれの5分の1程度だったと推定できる。



これ以上は私は独自の材料を有しない。

次は、劣化ウランが燃焼したとの前提でそれがどこに飛んだのか検討しよう。

まず千葉県環境研究センターを中心に2km、20km、40km、60kmの円を描く。センターの北北西2km地点がチッソ五井工場だ。



爆発の模様を比較的長い時間撮影し、ネットにアップしてくれている方がおられる。

次は、その動画の切り取り画像。時刻は不明だ。次第に暗くなっていく。





ここで注目するのは、煙の流れた方向。

この撮影者は、次の地図の青線上の千葉市内から撮影している。したがって煙は終始南ないしは南南東に流れている。


気象記録では、2011/3/11午後3時の風向、西南西、風速5m、午後5時に南西の風、風速8.5m、午後7時に北北西、3.8mとなっている。午後5時頃わずかな降雨があったが、記録上は0mmだ。


気象研究所のシミュレーション画像に、風向きが載っているからそれも参照する。見にくいが、基本的に南向きの風で一時東を向き、向きが回転したときもある。

コスモ石油の火災では、煙は高度1万メートル程度にまで達していたと思う。









上のビデオの切り取り画像では、黒煙が西に延びているようにも見えるが、風向きからはその西方向への広がりは限定的だと思われる。

千葉県環境研究センターの空間線量率から見ると午後6時台にもっとも高くなっており、この時間帯には煙は南ないしは南南東の方向に流れている。

市原市の北部から鴨川市、勝浦市の方向に飛んだのではないかというのが、私の推定だ。もちろん、劣化ウランはエアロゾルになっているから、短距離しか飛ばずにドンドン落ちるということではないのかもしれない。

東京湾の周りに広く降下した可能性も否定できないようにも思う。

かねてから現地にサーベイメーターを持っていって測定してみたいと思っているが、そのうち機会があれば試みてみたい。

なお、爪のウラン測定結果を診断に用いておられる医師の観察では、2011年の9月頃から検出率が上がったとの指摘もある。市原が起源か、福島第一原発が起源か、あるいはそれ以前からなのか分からないが、検出例が増えているということは嫌なことだ。

・・・・

「原発はいますぐ廃止せよ」の2013/11/14の記事に鳥取市岩倉地内における放射線レベルの高い廃棄物に関する鳥取県の分析結果が紹介されていた。

鳥取県は、「大部分がラジウム、或いはラジウムが崩壊してできる鉛やビスマスなど天然核種であり、原子炉生成物質を疑うセシウム143 などは含まれていませんでした」としている。「セシウム143」 はセシウム134の間違いと思われる。



天然性核種と言うがなぜこんなにいろいろなものが一緒くたに集まっているのだろう。次は、ウラン238の崩壊系列。


次は、ラドンとその娘核種の半減期とガンマ線放出の有無を書いてある。



ラジウムから発して空気に混じったラドンは、次々に壊変して→218Po (ポロニウム3.1分)→214Pb (鉛26.8分)→214Bi (ビスマス19.7分)→214Po (ポロニウム164マイクロ秒)→210Pb (鉛22.3年)まで一気呵成に変化していく。この間、アルファ線、ベータ線だけでなくガンマ線も出している。

2011/3/11にウラン238が降下沈着した地域では、これらの崩壊過程が進行していることになる。

・・・・・

なお、米国が実施した土壌調査の結果では、館山市国分で採取されたサンプル2件のうち1件で千葉県では最も高いGross Betaが検出されている。

他のサンプル採取地は、千葉県香取市津宮、千葉県成田市水の上、千葉県千葉市中央区花輪町、千葉県香取市下小野、千葉県袖ケ浦市上宮田、千葉県旭市岩井、千葉県山武市富田幸谷、千葉県長生郡一宮町一宮。地名は、緯度経度から一括変換しており、正確さを欠く場合がある。

この土壌調査の結果が何を意味するのかは、分からない。

・・・・・

読者が教えてくれた川合葉子氏の「ウラン238の放射線について」が分かりやすい。コメントの最初のリンク先にある。


(追記、加筆予定)
posted by ZUKUNASHI at 12:05| Comment(2) | 東日本大震災
この記事へのコメント
>劣化ウランが燃えるとガンマ線が出るのか?

こんばんは
私は専門家ではありませんので
ネット上のこれは?という情報を探してみました、

ここらあたりにその話があります
燃えた時と貫通してもえたのは結局 燃えることはたぶん一緒ですので、、
http://icbuw-hiroshima.org/fm/web/siryou13.htm
http://www.cnic.jp/knowledge/2606
http://plaza.rakuten.co.jp/reasontruth/diary/200607080000/
玉石混淆のちゃんねる(なかなか詳しいかたもいるかと、血尿体験談あり)
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/news5/1102952674/

ついでにもんか小のtekitooo orz…..
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/08/08_2.html

おまけ 1973年
http://ryukyueiken.web.fc2.com/section39.html
Posted by とおりすがり at 2013年11月13日 22:09
千葉日報ウェブでの「チッソ石油化学の劣化ウラン保管倉庫の屋根が焼け落ちていた」と報じられていたページはすでに閲覧不能になっているので、転載ページを参考として。
(断定で語りはしませんが。)

http://blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/25aa7f1b1ff7c899cdb754c6ab12f344
>コスモ石油のガスタンク火災で 千葉県議会
>2011年
>6月千葉県議会は30日、総務防災と総合企画水道の2常任委員会が開かれた。
>【総務防災】県消防課は、同製油所のガスタンクの火災・爆発事故で、隣接するチッソ石油化学の劣化ウラン保管倉庫の屋根が焼け落ちていたことを明らかにした。

↑ ※2011 年 12 月
http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/871.html
東京で中性子線を検出―千葉ではウラン235を検出
>10月11日には千葉県柏市でも松葉第一公園のベンチのそばでウラン235が検出されていた。

2011年 10月
http://nueq.exblog.jp/16532149/
>東京四谷の辻クリニック(辻直樹院長)が都内在住者の爪を、ドイツの検査機関に依頼して分析したところ、患者の爪からウランが検出されたことがわかった。

2011年 10月
http://ameblo.jp/kodomotomirai/entry-11069157525.html
>■3歳 男 町田市在住
>手の爪が二本根元から剥がれる。その後も数本剥がれる。

※劣化ウラン弾被弾地域の子供でも同じような症状が起きる。
Posted by 流しの at 2013年11月15日 04:20
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