この原因は、3/15、3/21の初期被曝によるものと考えられるが、SPEEDIのデータを探しても適当なものが見つからない。
次は、平成23年9月6日に(独)日本原子力研究開発機構が公表した「福島第一原子力発電所事故に伴うCs137の大気降下状況の試算-世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション-」に掲載されていた「セシウム137の積算沈着量予測」結果
午前9時を区切りとして、3/15分と3/16分がどれほどだったのかが分かる。2011/3/15の午前9時までに東京都と神奈川県全域で100から1,000ベクレル/m2の沈着があり、その後の24時間でも100から1,000ベクレル/m2、西部では1,000から10,000ベクレル/m2の沈着があったことがわかる。
新宿では2011/3/15の午前4時に空間線量率の最初のピーク、10時に3月最大のビーク、19時のピーク、3/16、午前6時の小さなピークと空間線量率が高止まりしており、プルームの流入、滞留の時間が長かった。このため、呼吸による内部被曝が大きくなったと見られる。


そして3/21午前9時から3/23午前9時までの沈着も多く、東京都と神奈川県では、外部被曝に加え吸気による内部被曝が関東の他地域に比べて大きかったと見られる。
東京都の土壌汚染は実は激しいと言われるが、乾式沈着が多かったため、あちこちに吹き寄せられてムラが生じている。このため経済産業省前の植え込みから驚くほど高い数値が検出されている。
関東に関しては、東葛飾など千葉の初期被爆は比較的少なかったが濃厚に土壌が汚染された地帯と、土壌汚染の程度は相対的に低いが初期被曝が大きかった東京都と神奈川県が人口も多く、どちらも健康被害が大きく出てくるだろう。
両者の間で、健康被害の出方に違いがあってもおかしくない。つまり、非確率的影響として、早い段階で多数の住民に健康被害が健在化してくるのはどちらだろう。
なお、SPEEDIのデータを探していて幼児の臓器器官被曝量のグラフが眼についた。同じようなグラフがいろいろあってよくわからない。ヨウ素とセシウムは飛び方が違ったのかもしれない。いわき市の数値が高いからヨウ素による内部被曝のデータで間違いないようだ。

A 照射の確率的影響として
・発癌(さまざまな部位での悪性腫瘍の発生)
・奇形形成(胎児照射による胎児の欠損症)
・遺伝学的異常(突然変異、染色体異常)など
B 非確率的影響として
・急性放射線宿酔を来した人に起こる皮膚疾患。これには、色素沈着、表皮萎縮、汗腺機能および皮脂機能の異常、毛嚢異常、弾性消失および皮膚線維化、慢性潰瘍、皮膚損傷過敏症。
・照射が起きてから最初の2〜4年間に急性放射線宿酔を来していた人に生じる水晶体の特異的変化および放射線誘発性白内障。
・出生前の状態や子宮内で照射を受けた子供の健康および発育の病的変化などが含まれる。
・ヨウ素の照射線量によって程度は異なるが、放射線による原発性甲状腺機能低下症(甲状腺の不活発)や、甲状腺の線維化および萎縮などを合わせた甲状腺病変
があげられています。
私は、ここでは主に甲状腺病変を念頭に置いて書いていますが、皮膚の異常、放射線誘発性白内障の多発、子供の健康および発育の病的変化は、比較的短期間にかつ確実に現れるはずですので、注目しているのです。
「チェルノブイリの長い影」から 個人的な注目点
http://inventsolitude.sblo.jp/article/61412173.html