県が県内各地で行っている大気中の放射線量測定で、南会津合同庁舎駐車場の測定値が16日午後3時から急上昇した。県は「上昇した時間帯に大雨が降り、自然由来の放射性物質が降下したため」としている。
県によると、同庁舎の午後3時の測定値は毎時0.05マイクロシーベルトだったが、同4時は毎時0.09マイクロシーベルト、同5時は毎時0.12マイクロシーベルトまで上昇。同日午後8時現在、測定値は毎時0.05マイクロシーベルトに戻ったという。
また、南会津地方では同日、南会津町のリゾートイン台鞍、びわのかげ運動公園でも同様に数値の上昇が見られた。県によると、南会津合庁と要因は同じという。
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南会津合同庁舎の2013/8/16の最高値は、16時半の0.135μSv/hだ。最低値は0.045があるから3倍に跳ね上がったことになる。
よくもこんな大嘘をつくものだと呆れるが、まあ、よかろう。福島県会津地方は、「自然由来の放射性物質」が降下すると空間線量率が0.09μSv/hも上がる。空間線量率0.09μSv/hは土壌の汚染密度で25,000ベクレル/平方メートル相当だから、それだけ追加的に落ちてくる、と声を大にして叫ばせてもらおう。
次の図は、7/27の午前、午後、7/28の午前、7/29の午前、7/30の午後、8/15〜8/17の午前、午後の10分値を対象に最低値と最大値を取り出し、最大値をつけた日付を並べたものだ。7/27は、東日本の広範な地域で空間線量率が上昇したから、この日に最大値をつけたところが多い。
ところが、その後も最大値を更新するところが相次ぎ、約3分の1のMPで8/15以降に最大値をつけている。8/16には、南会津で空間線量率が大きく上昇し、冒頭の記事にある福島県の見解が出たわけだ。
8/16に最大値をつけたのは、南会津のMPだけではなく、福島県内各地のMPが最大値をつけている。

2013/8/15には、須賀川市北横田の北横田集会所で15時40分、対象期間の最小値0.363μSv/hが2.02μSv/hまで、実に1.657μSv/h上昇し、上昇率 5.5倍を記録している。1時間値では、16時の0.69μSv/hが最高だが、急激な上昇であり、「自然由来の放射性物質」によるもので反復出現しうるのだとしたら、殺人的な環境だ。

この1日後の8/16、南会津町びわのかげ保育所で最小値0.035μSv/hが0.147μSv/hまで上昇、上げ幅0.112μSv/h、4.2倍の上昇を示している。
福島第一原発と須賀川市、そして南会津の位置関係は次の地図のとおりだ。福島第一原発由来のプルームがこの地方を襲ったことは間違いがない。

前の記事、「最近の空間線量率急上昇地点の県別分布」で福島に近いところほど上昇率でも、上昇幅でも大きくなっている、と書いたが、福島第一原発構内、近傍、中通、会津とプルームが流れている。
「東京では毎日放射性物質を吸わされている それを受忍できるのか」の根拠を補強できた。2011/3/15でも、関東では2.02μSv/hまで空間線量率が上がったところは、茨城県北部と鉾田市くらいなものだ。
いつ、東京で2011/3/15の再現があってもおかしくない。「自然由来の放射性物質」であれば、福島第一原発の状況にかかわらず起こりうるわけだ。いつ強力なプルームが福島から飛んできてもおかしくないことになる。
覚悟はよろしいかな?