福島第一原発より南はヨウ素、テルルが多い テルルは腎臓にたまるそうだ: ずくなしの冷や水

2013年07月10日

福島第一原発より南はヨウ素、テルルが多い テルルは腎臓にたまるそうだ

米国による土壌調査結果から地点ごとの総ベクレル数を計算し、高いものから順次核種組成を見た。Gross AlphaとGross Betaは、個別核種との重複部分があるのだろうが、ここでは無視して合算した。uCi/gをBq/kgに換算している。

最上位3箇所。福島第一原発の南はヨウ素の構成比が高い。そしてテルル。セシウムなどは雀の涙に見える。横須賀市の事例は、基地の中で採取した標本のようだが、なぜかテクネチウム99mが圧倒的だ。テクネチウム99mは医療用に使われ、日本は輸入しているらしいが、なんでこんなところで検出されるのだろう。原因の見当もつかない。福島市飯坂町平野については横須賀市新港町との比較で既出。






次に4位以下だが地域的比較のため、適宜順位を飛ばしている。浪江町はおおむねイメージに沿った構成といえるだろうか。郡山市と須賀川市はヨウ素の割合が少ない。ところがいわき市和泉町の事例ではヨウ素の割合が極めて大きい。


浜通りの福島第一原発以南と中通では核種構成がこのように違っていることの確認。


本宮市は、比較のために入れたが、他の3箇所はそれぞれ特徴がある。横浜市はテルルとヨウ素が圧倒的な割合を占め、新宿区市谷もヨウ素、テルルが多い。セシウムも一定の割合を占める。大田原市ではGross AlphaとGross Betaが大きい。これが那須地域の特徴で宮城県丸森町はさらにこの割合が高い。


水戸市の事例と武蔵村山市の事例は、市谷の事例に似ている。関東はおおむねこんな構成ではないか。会津地方の磐梯町は栃木県北部に似ている。宮城県丸森町はGross AlphaとGross Betaの割合が特に大きく、具体的にどんな核種が寄与しているのか、大変気になるところだ。


以上のところから、浜通りの福島第一原発以南、そして関東は横須賀市の特殊例を除けば、ヨウ素とテルルの割合が高いことが分かる。福島県中通のある地点Aと関東のある地点Bを比較してセシウム濃度が同程度、あるいはBが少し低くても、ヨウ素やテルルを考慮に入れれば、B地点の被曝総量がA地点を上回ることは大いにありうるということになる。

小出裕章氏は、2011/11/1の「たね蒔きジャーナル」で次のように説明している。
核分裂生成物の1つに、テルルという元素があり、テルルの129mというのは、半分に減るまでに34日、つまりひと月位かかるという、比較的あの寿命の長いほうに属する核分裂生成物で、事故からすでに8ヶ月ぐらい経ってますけれども、まだ検出できる程度に環境中に残っているという、そういう放射性物質の1つです。放射性物質であるかぎり危険がありますので、注意をしなければいけません。ただし、セシウムに比べれば影響が少ないという意味で言えば、私もそうだと思いますし、この問題にあまり皆さんの目が奪われることは私はあの、好ましくないと、思います。このテルル129mという放射性物質が、ベータ線を出しながら崩壊するのですが。崩壊した後にヨウ素の129というものが出来ます。これもまた放射性物質で半分に減るまでに1600万年かかるという、半ばもうなくならないという放射性物質になります。普通の皆さんにとって問題なのは、ようするに、トータルの被曝という問題だと思いますので。えーその意味では、テルル129mにあまり皆さんの注意が奪われないようにして欲しいと私は願います。

・・・引用終わり・・・

関東では、セシウムと同じ程度にテルル129mが検出されているところもある。小出氏の見解に疑問なしとしない。

2011/10/31文部科学省が発表したテルル129mの土壌濃度マップ。茨城県北以南の関東については調べられていない。



この文部科学省の発表に関して、WINEPブログ(森 敏 東京大学 名誉教授のブログ)では次のように記されている。

この報告書の中で、放射性銀による50年間の積算被ばく線量は放射性セシウムと比べると3ケタ以下の違いがあり、気にすることはない、と述べられています。
 残念ながら文科省では「生物濃縮」による生態系汚染には、まだまだ考えが及んでいないようです。
 実は、今回我々が明らかにした放射性銀(Ag-110m)の生物濃縮ばかりでなく、この文科省の報告書で述べられているテルル(Te-129m, 105.5keV)も、生物濃縮して、自然生態系の中では重要な影響を及ぼしている可能性があります。
 なぜならテルルは(Te)は周期律表の中では、生物の必須元素である酸素(O)、硫黄(S), セレン(Se)などの「5B」の系列に属し、硫黄(S)のトランスポーターを通して生物体内で細胞内外で膜輸送される可能性があるからです。

・・・引用終わり・・・

東北大学のプレスリリースから

福島原発から半径20km圏として設定された警戒区域内に残され、2011年8月29日から11月15日の間に安楽殺された、川内村と南相馬市の79頭の牛について臓器別にγ線を放出する放射性物質の放射能濃度を計測しました。すべての臓器でセシウム134とセシウム137の放射能がほぼ1:1の濃度で検出されました。さらに、半減期の比較的短い放射性銀110mが肝臓に、テルル129mが腎臓に特異的に集積していました。回帰解析の結果、臓器中の放射性セシウム濃度は血液中の放射性セシウムに比例しており、骨格筋で最も高く、血中の約21倍でした。また、各臓器別に放射性セシウム濃度を比較すると、臓器によらず母親に比較して胎児で1.2倍、仔牛で1.5倍でした。放射性セシウムの放射能濃度は牛の捕獲場所と餌に依存していました。

・・・引用終わり・・・

どうだろう、これでも関東で子どもを育てていけるだろうか。
posted by ZUKUNASHI at 11:53| Comment(4) | 福島原発事故
この記事へのコメント
横須賀のテクネチウムは神奈川歯科大だと思います。長年99mTc-MDP骨シンチやってます。
Posted by いくしま at 2013年07月12日 03:23
ご教示ありがとうございます。町名表示は稲岡町としてありますが、緯度経度でポイントを探すと地図の場所です。医療に使ったものが建物の外にこんなに出て溜るものでしょうか。横須賀は核関連企業も立地しており、福島由来の汚染だけではないようですね。
Posted by ずくなし at 2013年07月12日 08:28
横須賀の99mTc値は特異的すぎるので、ミルキングしながら臨床研究している医療関係が疑われます。山武(富士フィルムRI)ならあり得ますが、横須賀のGNFは畑が違います。基地内・周辺のL/Lはkokikokiyaさんのサイトにもあるように参考程度でしょう。

以上私見を述べましたが、私はずくなしさんの警鐘に同意するところ大であり、真摯な情報提供にいつも感謝しております。
Posted by いくしま at 2013年07月13日 00:56
ご意見ありがとうございます。お気づきのことがあれば、何でもご教示ください。
Posted by ずくなし at 2013年07月13日 08:22
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