関東に放射性物質は降り続けている 山武市の空間線量率と千葉市下水汚泥セシウム濃度が証明している 2: ずくなしの冷や水

2013年06月17日

関東に放射性物質は降り続けている 山武市の空間線量率と千葉市下水汚泥セシウム濃度が証明している 2

関東に放射性物質は降り続けている 山武市の空間線量率と千葉市下水汚泥セシウム濃度が証明している 1から続く

核実験監視用放射性核種観測網による大気中の人工放射性核種の測定に興味深いグラフがある。

CTBTの測定データについては、一般には限定された資料しか公開されていないが、当然空間線量率は測っているだろうから、そのデータと捕捉された人工放射性核種の変化とがあわせて表示されている。

このグラフの2011/3/20以降の部分を見ると、粒子状全放射性核種濃度が上昇してピークをつけても、空間γ線線量率は数日後に上昇してピークをつけている。

私は、空間線量率のほうがリアルタイムで敏速に反応すると考えていたが、必ずしもそうではないようだ。どちらも日平均だろうから、空間線量率は時間帯によっては高い数値を示しているのだろうが、平均的水準が上がるには、飛来した放射性物質が降下し定着する時間が必要なようだ。

特に大量の放射性物質が降下した後はその減衰もあり、追加的な降下が少しあっても、測定値はあまり変わらないということのようだ。

そのような観点から、山武市の空間線量率と千葉市南部浄化センターの汚泥焼却灰のセシウム濃度を見れば、汚泥焼却灰が先行指標になる。



下水道が雨水と生活排水を分離した分流式ならば、汚泥に含まれる放射性物質の源は、水道水、し尿、炊事の排水、洗濯排水になるだろう。千葉市の場合は一部合流式があるようだから、雨水に含まれる放射性物質の影響も出てくることになる。

ここでは、雨水の影響が相当あると仮定しよう。その場合、雨水が下水道に流れ込んで終末処理場に到達し、処理過程を経て汚泥サンプルが測定されるまで5日間とする。この前提で、汚泥焼却灰の測定結果を5日間日付を遡及させて山武市の空間線量率と比べると次のようになる。山武市の空間線量率は、5日間の移動平均を使っている。


ここで、下水汚泥焼却灰のセシウム濃度の意味を考えると、処理が終わった後に処理済み水は放流され、汚泥が取り出されて測定されるわけだから、放流水にも当然セシウムが含まれている。そして、下水汚水に、以前に降下した放射性物質が時間をかけて流れ込むという面はもちろんあろうが、特に雨水が流入しているのであれば、測定結果の変動状況からしても、フローをとらえていると見てよいだろう。つまり追加的な降下があれば測定値は高くなり、追加的な降下がなければ測定値はゼロに近くなるという変化を示す。

一方、山武市の空間線量率は、当初降下した放射性物質の減衰曲線を上回る差分だから、こちらも追加的な降下の影響によるものだが、下水処理水のようなフローではなく、ストックと見るべきものだ。そのため、追加的な降下によって下水汚泥のセシウム濃度が上がっても、ただちには空間線量率が上がらず、追加的な降下がなくてもまた急激な低下はないという関係になっていると考える。

このように考えれば、福島第一原発からの放射性物質の放出状況を見るには、各地の下水処理場汚泥の放射性物質濃度を観察するのがもっとも簡単でかつ確実ということになる。

私が観察しているし尿処理場の汚泥焼却灰のセシウム濃度の中にも南部浄化センター汚泥のセシウム濃度と同様な動きを示しているものがある。

し尿汚泥のセシウム濃度は、当初あまりにも下がり方が鈍かったため、人体や処理施設内でのキャリーオーバー、持ち越し分が大きいのではないかと考えていたが、空間線量率の変化と比較することで必ずしもそうではないことが分かった。

2013/6/8の記事「私たちはまだセシウムをたっぷり食べている し尿中のセシウム濃度」に書いたことは間違っていない。

そして、この見方の正しさは、誠に残念なことだが、これから先、健康被害が止め処もなく広がることで証明されるだろう。

CTBT高崎観測所では、最近になってもこれだけのセシウムの飛来が観測されている。
CTBT高崎放射性核種観測所の粒子状放射性核種の観測結果(2012年4月〜2013年3月)から

posted by ZUKUNASHI at 12:24| Comment(0) | 原発事故健康被害
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