私たちも山川建夫氏と同じに内なる自然を破壊されている: ずくなしの冷や水

2013年03月26日

私たちも山川建夫氏と同じに内なる自然を破壊されている

元フジTVアナウンサー山川建夫氏の健康悪化に関するツイートは、私に大きなショックを与えた。

同氏のツイートは、短い中に要点が盛り込まれている。
@ 市原市に住み、自家用の農業を営んでいた。
A 福島第一原発事故後、茫然自失だったが、周りの農家の水田作業の音で我に返り農作業を開始した。
B 房総も汚染から免れないと覚悟した。
C 米は、有機肥料もやらないほったらかし農業
D 収穫した米は汚染されていた。NPOの測定会で我が家の米糠、乾燥椎茸が断トツ一位。
E 自分だけは2011年の秋以降自家栽培米を食べてきた。
F 呼吸器、消化器、循環器系に違和感を覚える事が継続的、断続的にあった。そして倒れた。

山川建夫氏は、講演などの依頼に応じており、講演のテーマのひとつが「農的セカンドライフ」のススメ〜『農』を楽しむ暮らし〜

次のように書かれている。

◎自分自身を回復することは、自分自身の内なる自然を回復すること

もともと私たちは自然の一部であり、自然に生かされて、自然と共に暮らしてきました。しかし、いつの頃からか、私たち人間は自然を支配し、自然をいかようにも改変できると思い上がってしまいました。気がついたら私たちの周囲から自然が姿を消し、太陽や月といった自然のリズムから離れ、一分一秒を争う人工的な時間の真っ只中で自分自身を消費していたのです。そのことに、いま、多くの人々が気づきはじめています。そして、どうすればそこから抜け出すことができるのか模索しはじめています。
答えは明白です。失われた自分自身の「自然」を取り戻すことです。まずは「自然」を感じることです。

・・・引用終わり・・・

ここに書かれているとおりだと思う。山川氏の「プロの農家の方たちにとっては死活問題です。放射能汚染の残酷さが身に沁みます」との言葉に私は、原発事故に対する激しい憤りを読み取る。

私は内なる自然を奪われた山川氏の怒りや落胆を共にするが、同時に山川氏のツイートにある諸条件を考えると、より多くの人が内なる自然を奪われるのではないかとの危惧を強くした。

@ 山川氏は、市原市内、「房総半島の真ん中の里山で農的暮らしを実践」している。

位置的には、次の地図の下のほう、人工湖のある辺りだろう。左にある濃い部分が木更津市。

上の地図も、文部科学省の空中測定マップ(2011/11/5時点)から切り出したものだが、市原市全体としてはセシウムの沈着量は多くない。木更津市の濃厚沈着地域を手がかりとすれば市原市の位置関係が分かる。


A 山川氏の「家の入り口の土は千ベクレル位」とあるから、平米当りでは65千ベクレル程度となり、文部科学省の空中測定マップの第4階層に該当する。青の濃い部分、東葛飾の濃厚汚染地帯と同じだ。市原市全域は、第1階層となっているが、局部的に極めて高いところが存在することになる。

B 気象研究所のシミュレーションによると、房総半島はプルームのメインストリームがフレッシュな放射性物質を濃厚に含んだまま通ることはなかったが、関東平野に入り込んだプルームが太平洋へ抜ける際にしばしばその通り道となっており、ある時のプルームが放射性物質を多量に含み、それが降下、沈着したということはありうる。

C このように宅地土壌のセシウム濃度が高いところは、水田や畑にも同じようにセシウムが降下しているし、周囲の里山から雨水が流入するような条件であれば、水田のセシウム濃度はさらに高まる。

糠で33ベクレルとあるから、玄米ベースでは50ベクレル/kg程度あったのではなかろうか。

そして、野菜も栽培、自給されているようだから、野菜からのセシウム取り込みもありうる。

大雑把に言えば、玄米で50ベクレル/kg程度のものを1年半食べ続ければ、健康障害が出る危険性はほぼ確実ということになるのではなかろうか。

米の検査では、50ベクレル/kg程度のものは出ているし、福島県の全袋検査の精度は低いと見られるから、検査結果で見るよりもさらに多くの米が50ベクレル/kg程度汚染されていると見なければならない。

D 以上のところから私たちが学べることは
A 文部科学省の空中測定マップは、まだら状にセシウムが分布している場合には、その一帯の平均な値になっており、実態としては場所によるブレが大きい。そしてこれは、乾式沈着の場合に多い。地域の土壌汚染の度合いは、土壌検査を行わなくては正確にはわからない。

B 現行の農産物の規制基準値は100ベクレル/kgだが、50ベクレル/kg程度のものでも継続的に食べ続ければ、健康障害は避けがたい。セシウム汚染は、すべての農産物、畜産物に広がっており、積極的に内部被曝回避の努力をしないと、いろいろな食物から複合的にセシウムを摂取し、健康被害を生ずることになる。

C 50ベクレル/kg程度の汚染の農畜産物は、大手を振って流通しており、全量検査でなくまた測定されていても結果が表示されていない以上、どれが高濃度で汚染されているかは分からない。

それにまだら状に土壌が汚染されていた場合、500m離れた圃場で栽培された一方の農産物のセシウム濃度が低くても、もう一方のセシウムはえらく高いということも往々にしてありうる。

D 自衛のためには、汚染の強い農畜産物が見つかった産地、品目を避けるしか有効な手段はない。農産物の産地表示も県単位でしかないから、産地の選別は県単位で行うしかない。この方が、選択が容易だ。スーパーの品揃えによっては欲しいものが買えないことも多くなるが、これまでのような便利な生活はもはや望みがたい時代になったと認識して、食卓を変えるしかない。レンコンのてんぷらなどは、もう過去の楽しみになった。

山川建夫氏の健康回復を願う。
posted by ZUKUNASHI at 12:38| Comment(0) | 原発事故健康被害
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