2011/3/15の大気中の放射性物質濃度: ずくなしの冷や水

2013年03月14日

2011/3/15の大気中の放射性物質濃度

2011/3/15のプルームに含まれていた放射性物質を調べたいと思い、以前に集めたデータを見直しているが、データの制約が強い。次の表でKEKと国立環境研究所が測定したデータなどは何を目的とするのか不明だ。機械があるから使わなければという義務感からだろうか。これは検討の対象外、除外だ。


(注:この表に掲げられたデータは1年以上前に収集したものが多く、その後改訂されている可能性がある。確認未済、今後修正がありうる。)
残る6種のデータも、測定核種や測定タイミングが異なり、比較が難しい。特にCTBT高崎観測所と日本分析センターのデータは24時間測定した大気1立方メートル当りの数値となっており、濃度が低い。前回の記事でピーク時に捕集された放射性物質が全体の4分の3を占めると仮定したが、ここでも、CTBT高崎観測所と日本分析センターのデータには同じ仮定を置いて数値を修正した。大気1立方メートル当りだから調整を加えるのはおかしいように思うが、エアーサンプラーを通った大気量は時間の関数だから時間が長ければ濃度は下がる。

グラフにすると次のとおりで、台東区と世田谷区深沢はレベルに少し違いがあるが、組成はよく似ている。私が見た時点での小出氏の報告にはこれだけの核種しか載っていなかった。

千葉市稲毛区を除くとどれも似通っているといえるだろう。あえて違いを探してもあまり意味がないが、台東区の測定事例はヨウ素131に対してテルル132の比率が高くない。核燃料サイクル工学研究所と気象研究所でヨウ素132がないのは検出できなかったのか、あるいは調べなかったのか不明だ。

日本分析センターは、3種類しか公表されていないが。他の核種も調べているはずだが、サイト内では見つけられなかった。このデータは18倍の調整を加えているが、ヨウ素に比したセシウムの割合が低い。3/15の未明から早朝にプルームがこの地域を覆っているが、その段階ではセシウムの濃度が低かったのだろう。3/15のプルームのメインストリームは、茨城→埼玉・栃木と来て、その後は埼玉→東京→神奈川と埼玉→群馬だ。


気象研究所のデータは、詳しい実績値が得られないが、興味深いことを示す。次のグラフは、6時間ごとの検出核種の濃度を示す。これによると、3/15の0時から6時までがもっとも濃度が高く、6時から12時まで、12時から18時までと時間の経過とともに濃度が低下している。

一方気象研究所に近接した産業技術総合研究所で測定された空間線量率は、3/15、9時15分からの測定データしかないが、KEKの測定値も参照すると、13時台にピークを付けたと見られ、放射性物質濃度のピークと空間線量率のピークがずれている。3/15の午後には、つくばに早朝よりも一段と強力なプルームが襲来したと見られるが、放射性物質濃度は未明を上回らなかった。

今回新たに見つけた核燃料サイクル工学研究所の大気中放射能濃度と空間線量率のデータによると、空間線量率のピークが3/15の午前8時台、放射性物質濃度のピークが6時から9時までの間となっていて、両者のピークに時間差はさほどない。ピーク時空間線量率は、4.8マイクロシーベルトと高い



3/15未明から南下し始めたプルームは、3/15の午前0時頃に茨城県中部で東から押し流されるような形で内陸に入り込んでおり、その後海沿いにプルームの後続が流れたと見られるから、つくば南の未明のプルームは、拡散したプルームの端の部分であり、13時30分に1.54マイクロシーベルトのピークを記録しているが、東海村のピーク線量に比べれば格段に低い。気象研究所の測定した放射性物質濃度が他の場所での測定値に比べて低いことも考慮すれば、濃厚なプルームはつくばの南を回りこむようにして西南に流れたようだ。



上から3つ目の画像に戻ると、東海村、台東区、世田谷区と距離が離れるに従って放射性物質濃度が下がっているが、台東区と世田谷区は前者から後者へとプルームが流れて組成もそれほど変わらなかったと見られる。東海村で測定されたプルームと同じ放出源、放出タイミングのものかは分からない。

そして3/15午前10時のSPEEDIによる地表ヨウ素濃度分布を見ると、東京都23区の西側をプルームの主流が流れているようだから、台東区と世田谷区で測定された放射性物質濃度は、他の地域よりも低かった可能性もある。
新宿区の午前10時台の平均線量率が0.809だからピークはもっと高かっただろう。

上で見たところからすれば、3/15にプルームが襲った地域でも、プルームの主流部分が通ったのか、傍流が通ったのかで、内部被曝の程度は大きく異なることになる。そして、東京都の西部のどこがどれほど強いプルームの襲来を受けたかは分からないが、日野市で12時台になお0.75μシーベルトを記録しており、放射性物質の滞留は、東海村のようなパターンではなく、つくば南のような形ではなかったと考えられる。海沿いと違い内陸では滞留時間が長くなるのは地域的な気象変化の違いを考えれば分かるし、もうひとつ東京都の西部と南部ではプルームが丘陵に乗り上げたと見られることだ。


さらに、気象研究所のグラフによると、ヨウ素131は、他の放射性物質に比べて低下が遅い。他の放射性物質が地上に落ちても、ヨウ素131は大気中にとどまっていると見るべきなのだろう。この測定データは、気体のヨウ素131を含まないはずだから、エアロゾルの形態のものに加えて気体もあることを考慮すれば、プルームの襲来を受けた地域では、大気中のヨウ素131の濃度が高い状態が何日も続く。つくば南では、ピークを過ぎても3/24ころまで少しずつレベルを下げながらも高水準の状態が続いている。

茨城県も、子どもの甲状腺異常はすさまじいものになると恐れている。

参照サイト
気象研究所のシミュレーション画面
気象研究所
KEK

(この記事は題名も含め随時改訂予定)
posted by ZUKUNASHI at 16:41| Comment(0) | 内部被曝防止
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