地域社会は変貌最中 地域の人口活力で発展地域と衰退地域を仕分けするとどうなる: ずくなしの冷や水

2013年02月15日

地域社会は変貌最中 地域の人口活力で発展地域と衰退地域を仕分けするとどうなる

東京都と埼玉県は、2012年の人口自然増減が調査開始以来の純減になった。千葉県は2011年に人口自然増減がマイナスに転じており、首都圏の人口増加地帯に確実に変化が生じている。

住民の放射能被曝により、死亡者が増え、出生数が減ることは、チェルノブイリの経験から疑いのないところであり、福島第一原発事故後の東日本を中心とした人口変化は事故の影響を否定できず、事故後1年半以上を経過した今の時点で生じている変化は、これからも継続すると見るのが適当だろう。

この変化を捉えることは、商業展開などに際して考慮することが欠かせない。出生数が減っている地域で産婦人科を開業しても、繁忙となるかは疑問というしかないし、地域が求めているのは葬儀屋かもしれない。

これまで人口自然増変化指数で福島第一原発事故の人口動態への影響を計ってきたが、どうも自治体によっては、統計数値の操作の誘惑にかられるところも出て来ているようだ。

より長期の指標で変化を捉えられないか、試行錯誤が続くが、埼玉県が半月遅れで2012/12分までのデータを公表し、データが揃ったところで検討しなおしてみた。

今回は、2010/3から2011/2までの12ヶ月のうち2010/9を除いた11か月分の死亡数と出生数の合計を基準値とし、2011/3から2012/12までの22ヶ月間の死亡数と出生数がどう動いたかを見る。(2010/9分を除くのは、茨城県がこの月の市町村別データを公表していないことによる)

対象県は、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、新潟、静岡の14都県、121小選挙区。

これだけ広い地域を対象にすると、大都会から過疎地まで含まれ、例えば老人が多く、若い人が少ない、あるいはその逆などの地域特性の影響が強いので、それを回避する観点から、基準時の出生死亡比を算出し、これが事故後の22ヶ月でどう変化したかを見た。

例えば、甲府市などの山梨1区は、比較期間の死亡数が基準期間の 1.95倍だが、出生数が2.00倍となり、出生死亡比は 0.66から0.68に改善した。

他方、福島市などの福島1区は、死亡数伸び率2.20倍、出生数伸び率1.72倍となり、出生死亡比は 0.68から0.53に悪化している。

一部の県については、2010年の市町村別死亡数、出生数が公表されていないところもあるが、この方式では基準時のデータ数が少なくなると指数の振れが大きくなるものの、そのままのデータ数で計算している。

小選挙区 主要都市 基準期間出生死亡比 比較期間出生死亡比
秋田2 大館市 0.33 _ 0.36
秋田3 横手市 0.38 _ 0.40
長野2 松本市 0.72 _ 0.76

秋田県には避難者も流入しているようで、出生死亡比の改善が見られる。松本市も同じ要因だろう。

東京7 中野区 0.91 _ 0.99
東京3 品川区 0.99 _ 1.07
長野1 長野市 0.71 _ 0.74
東京2 文京区 0.98 _ 1.05
東京1 新宿区 1.15 _ 1.22
秋田1 秋田市 0.66 _ 0.68

長野市、秋田市は地方中核都市で、周辺町村からの若者の流入がある。東京は、出生死亡比が1前後と高く、特に新宿区は出生数増で1.22まで上昇している。

一方、出生死亡比の悪化したところは、やはり福島県。ここに載っていないが福島3区もよくない。

福島1 福島市 0.68 _ 0.53
福島2 郡山市 0.96 _ 0.81
福島5 いわき市 0.66 _ 0.56
神奈川6 保土ケ谷区 0.92 _ 0.81
東京23 町田市 1.10 _ 0.97
長野5 飯田市 0.69 _ 0.66
茨城3 取手市 0.95 _ 0.85
栃木5 足利市 0.64 _ 0.58
千葉8 柏市 1.23 _ 1.11
神奈川16 厚木市 1.21 _ 1.09
福島4 会津若松市 0.51 _ 0.46
千葉1 中央区 1.29 _ 1.17
新潟6 上越市 0.62 _ 0.56

注目されるのは、神奈川6区(保土ケ谷区)0.92が0.81に悪化。都市化で若い人は住めなくなっているのかもしれない。

町田市などの東京23区は、1.1から0.97に悪化。

長野5区(飯田市など)は 0.69から0.66に悪化。死亡数の伸びが大きい。この地域は浜岡原発の影響を免れないと思う。

取手市などの茨城3区は、0.95から0.85に悪化。柏市などの千葉8区、1.23から1.11へ、千葉1区の1.29から1.17へと同様な傾向を示しており、関東の汚染地域はやはり指標が悪い。

足利市などの栃木5区は、0.64から0.58へ、悪化。栃木南部には指標の悪いところがほかにもある。

厚木市など神奈川16区も1.21から1.09へ悪化。米人軍属の動向を反映したものだろうか。

上越市などの新潟6区は、原発が近い。0.62から0.56に悪化だ。全国の空間線量率一覧を眺めているとしばしば空間線量率が上がっている。福島第一原発事故では、強いプルームが到達しなかったと見られるのにこのような変化が出ているということは、将来的にさらに悪化するかもしれない。
posted by ZUKUNASHI at 18:26| Comment(0) | 原発事故健康被害
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