福島第一原発から1時間当たり1千万ベクレル放出は本当か: ずくなしの冷や水

2013年02月07日

福島第一原発から1時間当たり1千万ベクレル放出は本当か

東電の説明によれば、現在も福島第一原発から一時間当たり1千万ベクレルの放射性物質が放出されているという。

@ もし、これがすべて福島第一原発を取り巻く半径1kmの円内に均等に降下していると仮定すれば

円の面積:3,141,600平方メートル
一日当たり降下放射性物質総量:2億4千万ベクレル
円内の1日1平方メートル当り放射性物質降下量:76.39ベクレル

A 降下の範囲を広げすべて福島第一原発を取り巻く半径210kmの円内に均等に降下していると仮定すれば

円の面積:138,544,560,000平方メートル(1,385億平米)
一日当たり降下放射性物質総量:2億4千万ベクレル
円内の1日1平方メートル当り放射性物質降下量:0.001732ベクレル

B 山武市内にある民間企業の空間線量率測定値の推移。最近また下げ止まっている。ここは福島第一原発から直線距離で210kmの地点にある。

減衰曲線による理論値と実測値の差異。また拡大傾向にある。

C 実測値が理論値から乖離し始めた基準日を2012/3/1とし、2013/1/31以前10日間の乖離幅の平均は0.0109マイクロシーベルト。10日間の中間に当る2013/1/26は331日経過だ。0.0109マイクロシーベルトを平米当りベクレル数に換算するため276000を乗ずると、3,010.5ベクレル。一日当りは331で除算して 9.095ベクレル。9ベクレルだ。

D これをAの210km円内一日1平米当たりの放射性物質降下量試算値0.001732ベクレルと比較すると、約5千倍の開きがある。そもそも東電の発表値は大幅に内輪に見積もられているというのは、衆目の一致するところだが、それにしても開きがありすぎる。

E このような開きが生じる原因は、いろいろ考えられるが、山武市の実測値は間違いが無いとの前提で考える。

A 東電の発表している放射性物質放出量は、根拠が明らかでなく、そもそも正確な見積もりは困難だと見られる。

B 2011/3の福島第一原発事故によって放出された放射性物質は地球の大気中になお残存しており、時間の経過とともに地上に降下している。現在、地上に降下しつつあるものが、最近時に放出されたものとは限らない。

C 山武市は福島第一原発の太平洋に沿った南に位置しており、北風が吹くと気流で放射性物質が運ばれやすい。

D 放射性物質の降下量は、場所的、時間的に均等ではなく、気流の具合によりある程度まとまって降下している可能性。定時降下物の測定結果でこの傾向が見られる。

E 山武市の民間企業は、周囲を林に囲まれた奥まった場所に立地しており、一度降下した放射性物質が離散しにくい環境にある可能性。

F 東京都を始めとしてゴミや下水汚泥などの焼却によって放射性物質が飛散し、それが降下している可能性。

福島第一原発から放出されている放射性物質の量について、東電の発表が事実と異なることを示す決定的なものはない。しかし、山武市の民間企業の測定データを見れば、現在も放射性物質の降下が続いている。

私の試算では、年間1平方メートル当り3,320ベクレルの追加的な放射性物質の降下だが、これが地上に落ちる直前には、外に干したタオルや下着に付着するし、湖沼や川の集水域にも降下して水道水源を汚染する。

関東のすべての地域で同等の放射性物質の追加的な降下があるとは考えないが、福島第一原発に近いところではより多くの降下物があると考えるのが自然だ。

日本人は、今なお常時放射性物質の含まれた大気を呼吸している。福島第一原発事故による健康被害は、深刻さを増す一方だろう。

・・・・・

2月2〜3日の福島市の定時降下物測定値が高いと注目されている。合計で30ベクレル強だからNDの日に比べれば確かに高いが、福島県は空気が乾燥していて強風が吹いたためと説明するのだろう。

福島県は、2012/1/2〜1/3にかけてのピークについて2012/2/6にコメントを発表している。次は、このコメントに掲載されていたグラフ。日によってバラツキが大きい。


ついでに過去の定時降下物を月別に集計してみた。


10ヶ月間のセシウム降下量の合計は、3017.13ベクレル、300日として1日当りでは、10.0571ベクレル。へぇっ!? 上の山武市の一日当たり降下量とほぼ同じではないか。

しかも、2012/3月、4月、5月の降下物が多い。山武市でも同様なパターンで降下していたのであれば、減衰曲線からの乖離が2012/3以降大きくなっていたこととも符合する。

福島第一原発から今なお放出が続く放射性物質は、上空に舞い上がり、時間をかけて広範な地域に広く薄く降下していると見るべきだろう。福島市は福島第一原発から北西に60kmだ。

この記事がこんな形で検証されるとは思わなかった。誰も・・・から自分でほめよう。


2013/2の福島市の定時降下物が急増しているとの指摘がある。2/7までで1月分を超えているが、1年前に比べれば格段に少ない。ついでに2012/1分までさかのぼって調べてみた。2013/2は2/7まで。1ヶ月に1800ベクレルなら1日60ベクレル。山武市の例から簡易計算すると1日0.007マイクロシーベルト空間線量率を押し上げることになる。いくら除染しても空間線量率が下がらないのも無理はないわけだ。

posted by ZUKUNASHI at 19:04| Comment(0) | 福島原発事故
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。