日本はベラルーシー、ウクライナの轍を踏むことになるだろう: ずくなしの冷や水

2013年01月04日

日本はベラルーシー、ウクライナの轍を踏むことになるだろう

衆議院チェルノブイリ原子力発電所事故等調査議員団報告書に掲載された『チェルノブイリの長い影〜チェルノブイリ核事故後の健康被害』は、汚染による健康被害を統計的な観点から分析しており、大変参考になる。

この結果を日本に当てはめてみようと、ウクライナなどの人口推移をGoogleで検索したら、国際機関のサイトではなく、グラフ表示の「世界開発指標」がヒットした。まだ、確認できていないが、国際機関の発表した統計データを収録したものと見られ、厳密さは別として便利だ。

そもそも、ウクライナやベラルーシーの人口統計等は、特にチェルノブイリ原発事故後の数年間は、歪曲、隠蔽されていると見られるからこのGoogleのサイトに表示されるデータ自体、信憑性に疑問なしとしないが、この問題は解決が望みがたい。

そのような限界、限定つきながら、このデータは役に立つ。

まず、ウクライナとベラルーシーの死亡率の推移。

日本の2011年の全国の単純な死亡率は1000人当り10人弱だから、ベラルーシーの1986年の死亡率に相当する。ベラルーシーでは、これが20年後の2006年には14.4人程度にまで上昇している。

ウクライナの1986年の死亡率は11人を少し上回ったところで、これが2006年には16.2人程度にまで上昇している。両国の例を見れば、日本でも死亡率が今後上昇し、14人ないし16人程度に上がる蓋然性は高いと見なければならない。

仮に20年後に現在の10人が14.4人に上がるとすると、1000人当り4.4人の増加となる。そしてこの増加分は、ほとんどが東日本の汚染地域で生ずるはずだから汚染地域の居住人口を5千万人と見ると、総人口1億2750万人に対する死亡数の増加は561000人、5千万人に対する従来ベースの年間死亡数が50万人だからこの増加分を加えると106万1千人となり、5千万人に対する死亡率は1000人当り21人となる。

この記事の当初の記述で次のように書いたが、どちらのアプローチでも同じような結果になった。

図9によると、ウクライナの労働年齢の男性人口の1989年の死亡率は、1000人当り4人強、これが事故から9年後には6.5人に上がっている。

日本の男女全年齢の年間死亡率は1000人当り10人弱、高齢者の割合が高いが、高齢者は生産年齢人口の男性よりも放射能による健康被害がより強く出ることを考慮すれば、全体として同じ程度の伸びが生ずるかもしれない。

となると、年間1000人当り16人強の死亡数となり、6人程度の増加になる。これは全国ベースの推計だから地域的には南東北と関東で重点的に死亡が増えるはずで、これらの地域の人口は5千万人だから1000人当り14.4人程度の死亡増となり、現在の年間1000人当り10人が24.4人程度に増える、年間40人に一人だ。やけに葬式が多いと感ずることになるだろう。


ウクライナとベラルーシーの平均寿命は、次のグラフのとおりであり、70歳前後から2、3歳の低下にとどまっている。平均寿命をどのように計算しているかにも疑問があり、こちらは過小ではないかとの印象をぬぐいきれない。



次は、ウクライナの人口の推移。ベラルーシーは表示されていないが、おおむね同様な傾向を示している。今に至るも人口減少は止まっていない。



人口動向を規定する人口増加率の推移。死亡率の変化に出生数の動向が加わる。

ベラルーシーは、2年後の1988年から人口増加率が急低下している。ウクライナは4年後から。日本はまもなく3年目に入る。

人口増加率については、都市と地方に分けたデータもある。まず、都市はベラルーシーで2年後から低下が始まり、ウクライナは5年後から始まっている。


地方は、両国ともに概して人口増加率がマイナスだが、1990年代に入っていったん人口増加率のマイナス幅が小さくなり、その後再びマイナス幅が拡大するという経過をたどっている。移住措置によるものではなかろうか。


このブログでは、人口自然増変化指数で、過去の一定時期と最近時の死亡数の変化率と出生数の変化率の双方を勘案して人口動態を測定しているが、汚染地域ほど死亡数の伸びは大きく、出生数の伸びは小さい。

日本では、団塊の世代が高齢化しつつあり、放射能汚染の影響も加わって人口増加率は大きく低下することは避けられない。日本の人口全体が急速に縮小していくだろう。

次は、日本の総人口の推移。2011年の人口数の変化がおかしいが、2012年には、月を追ってなだらかな減少傾向を示している。どこまで縮小するか? 2012/9には65歳以上の人口は3074万人だという。20年後にはこれらの人々の多くは亡くなっているだろう。青壮年にもすでに健康被害が出ているから、人口減少は20年間で3千万人を大きく超えるのではなかろうか。この点については、改めて検討する必要がある。

posted by ZUKUNASHI at 22:52| Comment(0) | 原発事故健康被害
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