けいとうさぎで見る千葉県の尿検査結果: ずくなしの冷や水

2012年10月28日

けいとうさぎで見る千葉県の尿検査結果

「けいとうさぎ」に掲載されたデータは、「千葉市花見川区9歳女児の甲状腺異状」で取り上げた例のように福島第一原発事故以降の行動などが詳しく書かれたものもあるが、全般的に関連情報が少ないきらいがあり、事例研究に限界がある。

次は、千葉県のデータについて、尿検査のデータを取り出して都市別、数値順に並べたものだ。セシウム134と137の合算。単位はBq/kgまたはBq/L。黄色の背景の数字はその都市のデータ数。NDはグラフ作成の都合上ゼロと置いてある。



サンプル数が絶対的に少ないが、やはり濃厚汚染地帯の計測値が概して高いと言わなければならないだろう。ただ、銚子市のようにセシウム沈着密度は相対的に高くないのに、尿検査の検出値が高いところもある。

そして、柏市や千葉市、松戸市ではNDの例もあり、土壌の濃厚汚染が直ちに尿中のセシウム濃度を高めているとは言えない。

この中には、千葉市若葉区にお住まいの30代のご夫婦の測定値が含まれている。測定日は2012年03月11日。ご主人がセシウム134:0.068Bq/Kg、セシウム137:0.074Bq/Kg、ご夫人がセシウム134:N/D、セシウム137:0.11Bq/L。ご主人の測定値が少し高い。

ご主人は、事故時には転居前の市川市で、いつもと変わらない生活をし、自宅での飲用水は市販のペットボトルだが、それ以外は気にしない。食材は産地を気にせず、昼食は外食、牛乳も飲んでいたとのこと。被爆と関係があるのか不明だが、2012年3月に前歯が根本から折れた由。

ご夫人は、事故前後のことはあまり覚えていないが、不要な外出は避けていたと記憶。3/20から1週間ほど浜松と京都に避難。水は、飲用は市販のペットボトル、米とぎや麺や野菜をゆでるのは水道水を使用。食材は、店で産地を選んだり、西から取り寄せたりと気をつけた模様だが、産地選択までは触れられていない。牛乳は飲んでいないと。

外食のあるご主人の測定値が、ご夫人と大差ないのはやはり家庭での食事が大きく影響するということのようだ。

このご夫婦の事例を見て、私は、2012年3月ころまでは尿中にかなり多くのセシウムが含まれていたのではないかと少々怖くなった。ある程度、食べ物や飲み物に気をつけたお宅でも、尿を検査すれば、この程度のセシウムは検出されると見るべきなのかもしれない。

一方、2012/3/29に岩手県が発表した「放射線内部被ばく 健康影響調査について」の中に子供の尿検査の結果がある。


ここでは、検出された者の中には、4から6Bq/L台の子供さんもいて、けいとうさぎが収集したデータより格段に高い。一関市と東葛飾は同じような汚染程度だから、両者の結果を見れば、飲食物の影響が大きいと考えざるを得ず、飲食物は地域性が強く、特に地方では野菜や肉の選択の幅が限られていることが影響していると思われる。

なお、尿中のセシウム濃度がどの程度まで高くなると健康被害が出てくるのか確たる説は見つからないが、一説には150倍程度のセシウムが体内にあるとされる。この説によれば、尿中濃度1Bq/kgならば、体内に150Bqのセシウムがありうることとなり、体重30kgなら体重1kg当たり5Bq、健康被害の懸念がない水準とも言い切れないのではなかろうか。
posted by ZUKUNASHI at 08:47| Comment(0) | 原発事故健康被害
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