人口自然増変化指数から初期の被曝度合いを推定する その1: ずくなしの冷や水

2012年08月27日

人口自然増変化指数から初期の被曝度合いを推定する その1

2011/3の福島第一原発事故直後に各地を襲ったプルームが、急性、亜急性の健康被害を引き起こしていることは、私にとっては紛れのない事実であり、今後、晩発性の健康被害の多発、深刻化を憂慮している。

これまでの発症例を見ると、初期の放射性ヨウ素の多いプルームを呼吸によって体内に取り込んだりしたことが健康被害の主要な原因だ。関東では、福島第一原発周辺地域ほどの放射性物質の沈着はないし、水道水の汚染、大気中の放射性物質の浮遊は継続はしているものの、それに加えて食べ物の汚染を考慮しても、体内に取り込まれた放射性物質が生物学的半減期に従って蓄積中であっても、緩やかな体内蓄積によって健康障害を生ずるには、あくまでも一般論だがもう少し時間がかかるだろう。

初期の被曝は、既に1年半前に終わっており、いまさら取り返しがつかない。福島第一原発事故直後に、せめて政府が、あるいは有識者が、理化学研究所の所内向け助言のように、「無用な外出はしない。マスクをかける」と呼びかけていれば、初期の被曝の度合いは大きく抑制されたのにと残念に思うが、今となってはどうしようもない。

この先の健康被害を防ぐには、追加的な内外の被曝を抑制することがなによりも必要だから、汚染された飲食物を排除し、沈着した放射性物質が再飛散した際にこれを吸い込まない、浴びない努力が重要になる。できれば、汚染されていない場所への避難を強く勧めたい。私自身、汚染が低いと見られる農産物探しに嫌気が差し始めている。

だが、ここで気を緩めれば負けだ。まず、初期被曝の度合いを知り、もう後がないとの認識を新たにしよう。

初期被曝の度合いの推定については、いろいろなアプローチを試みたが、いずれも地域ごとの差を数値化、定量化するに至らなかった。ただ、いろいろ資料を漁り、分析する中で、人口自然増変化指数が地域の被曝の程度に応じて繊細な反応を示すことがわかってきた。ならば、測定期間を選べば、人口自然増変化指数それ自体が初期の被曝度合いのバロメーターとして使えるかもしれない。

こう気づいて、当初、2010/4〜7を事故前の基準期間とし、これと2011/4〜7の死亡数、出生数の変化を捉えれば、亜急性の健康被害も含めて被害要因の強さを測定できるのではないかと考え、改めて市町村ごとのデータを確認したが、2010/9以前の市町村別月次人口動態が把握できない県が多く、この期間での比較は断念せざるを得なかった。

代わりに、2010/10〜2011/2と2011/10〜2012/2の期間を対象にして人口自然増変化指数を計算した。この期間では、急性、亜急性の健康被害による死亡は把握できないが、事故後6ヶ月を経過しているので、人口移動も少し落ち着き、特に出生数については、事故後の妊娠分が出産に差し掛かり被曝の影響が本格的に出始める時期に入る。

人口自然増変化指数は、衆議院選挙の小選挙区ごとに計算した。大都市では概ね50万人程度の集団であり、大数法則がある程度は働いて市町村単位でのブレが少なくなる、人口移動の影響も少なくなるなどの効果がある。もちろん、自分たちが選挙で選んだ選良が、選挙民の窮状を見ぬ振りをしているという現実を知ってもらいたいという意図もある。

宮城県は、2011/3以前の市町村別の死亡と出生数のデータがないために除外、神奈川県の9区、10区、18区は、川崎市内の区別の人口動態データを入力していないために算出されていない。

下の表で福島2区の0.2を筆頭に指数の高いところは、初期被曝の影響が大きく、死亡増、出生減という究極の形での健康被害がより強く生じていると理解している。


posted by ZUKUNASHI at 13:38| Comment(0) | 原発事故健康被害
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。