寿命20年短縮と出生1万分の5減少は現実性がある: ずくなしの冷や水

2012年08月16日

寿命20年短縮と出生1万分の5減少は現実性がある

新潟県の中越地方は柏崎刈羽による健康被害が出ていると、私はかねてから見ている。

原発は、恒常的に放射性物質を放出しているが、2007/7/16の新潟県中越沖地震では柏崎刈羽原発は3500箇所を超える装置・機器が損傷したとされ、変電所が火災を起こした。この時、柏崎刈羽から大量の放射性物質が排出されたから、その健康影響が分かれば、2011/3の福島第一原発事故による健康影響を推し量る参考になる。

行政当局は疫学調査を怠っているが、数少ない研究の一つ、多目的コホート研究事務局(東京都中央区築地5-1-1 独立行政法人国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部)が実施した「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究」によると、柏崎市の白血病の数値が突出している。

新潟県中越沖地震以降の柏崎刈羽原発周辺市町村(柏崎市、刈羽村、出雲崎町、長岡市)全体での死亡率、出生率(単月)の変化を見たのが次のグラフだ。

年間の死亡率、出生率に換算すると次のグラフになる。グラフの対象期間は、2007/3から2012/6まで5年3ヶ月だから、この間の死亡率の上昇は、近似直線のグラフから読み取ると、1万分の101から1万分の120くらいまで上がっている。毎年1万分の3.6程度、上積みされていることになる。

この死亡率の上昇は、言うまでもなく団塊の世代が次第に高齢化してきていることも影響しているから、解釈が難しいが、見方を変えて、全国どこでも団塊の世代が高齢化してきていると考えれば、同様な年齢構成の地域で健康にマイナス要因が加われば、同じような現象が起こるだろう。

つまり、福島第一原発事故による被爆があった地域では、毎年死亡率が1万分の3.6程度、おそらくは今回は被曝度合いがより高いからそれよりさらに多く、上積みされていくと見なければならない。5年経てば、少なくとも1万分の18程度、死亡率が上がることは覚悟しないといけないだろう。

出生率は、同じようにグラフから読み取ると、5年3ヶ月で1万分の5程度の低下となっている。1ミリシーベルトの被曝で1万分の5の出生率の低下との見解もあるから新潟県中越沖地震時の柏崎刈羽原発からの放射能漏れによる地域住民の被曝は、1ミリシーベルトをかなり下回ったのかもしれない。

一方、今回は、関東の県別の死亡率、出生率のこの1年間の変化を見ると、3ヶ月間の実績値の年間換算だが、埼玉県で1万分の26から1万分の19へ急降下、茨城、千葉、東京、神奈川でも1万分の2程度の低下を示している。

ということは、1ミリシーベルトよりも低い被曝でも、死亡率は1年で1万分の3.6程度上がるのであれば、今回は関東地域では10ミリシーベルトも被曝した人がいると推定されており、出生率の低下も中越沖地震後に比べて大きいから、関東の被曝の多い地域集団の死亡率の上昇は、上の何倍、何十倍にもなる恐れがある。

バズビー博士は、寿命は一般的に20年程縮まると思うと述べているが、決して非現実的な見通しとは思えず、底知れぬ怖さを感じる。

上のグラフに対応する人口の推移。
posted by ZUKUNASHI at 22:11| Comment(0) | 原発事故健康被害
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