2011/3/15午前4時台には東京新宿にプルーム第一波到達: ずくなしの冷や水

2012年08月06日

2011/3/15午前4時台には東京新宿にプルーム第一波到達

木下黄太のブログに東京都西部に住んでいた方の健康被害事例が報告されている。

一例目は、福島第一原発事故当時、多摩西部に住んでいた方で、震災後、上のお子さん(9歳)に学校を休ませていたが、3/15から登校させ、2歳のお子さんを連れて学校まで同行。7時50分に家を出て帰宅後下の子を遊ばせ9時少し前まで外にいたという。

3/18に静岡東部に避難し、夫婦はそこから東京に出勤。4/6、新学期にあわせて東京に戻り、2012/3/3まで生活。食べ物は汚染のないものを食べるよう気をつけていたが、上の子はしょっちゅう口内炎に罹り、下の子はアレルギー症状の悪化(目を痒がり、目やにがひどい。喘息のような咳が続く)と手足口病、溶連菌、その他よくわからない発熱と常に体調が悪い状態が続いたとのこと。母親は唇にヘルペスかと思うようなピリピリ感があり皮がぼろぼろむけた由。

5/7にエコー受診、下の子のほうにリンパの腫れを認め、7/30に甲状腺の再検査。エコーでリンパの腫れの増大と増加。上の子のリンパにも腫れが複数認められた。

二例目は、東京西部に住んでいた方の4歳の娘さんの健康被害。2011/3から2012/3まで東京都西部に在住。2011/4半ば頃から膣炎を繰り返し、痛みと痒みで夜中に泣き叫ぶ。2011/8頃から外遊びをすると40度の発熱、翌朝には平熱を繰り返すようになる。同時に全身に強い発疹。病院では突発性発疹と言われるが、6回も繰り返した。2011/10、尿中セシウムの検査、Cs合算で0.65Bq/Kg。

セシウム沈着量が少ないと見られている東京都西部から上のような健康被害の訴えが出ていることは、深刻だ。

私の調べた東京西部へのプルーム襲来のタイミングと照らすと、一人目の方の登校同行の時間帯は、3/15朝の新宿やさいたま市の空間線量率ピークの時間帯よりも早い。新宿の空間線量率ピークは10時台、さいたま市、和光市も同じ10時台だ。日野市は12時台にピークがある。

新宿で10時台に記録されたこのプルームが東京都西部にもっと早く来ていた可能性については、関東各地のプルーム到達時間を総合的に眺めるとまずなかったと思われる。

だが、東京にはそれ以前にもプルームが到達しており、3/15午前4時台に新宿で0.147μSv/hを記録している。このプルームについては、3/15の午前3時台につくばの北で0.54μSv/hの空間線量率が記録されているが、それより北でどういう経路をたどってきたかが確認できていない。

3/14の19時45分に福島第一原発2号機の全燃料棒が露出し、正門付近で21時台に3.13mSv/hを記録。第一原発の西に位置する大熊町大野のMPでは、22時台に40.563mSv/hを記録しているが、福島第二原発では23時台に23.1μSv/h、3/15午前0時台には95.7μSv/hを記録するにとどまり、福島第一原発から3/153/14の22時台に南に向けて強いプルームが流れたというふうには見られない。

ただ、この日の福島浜通りの風向は22時前後にめまぐるしく変わっており、いったん西ないしは近傍に溜まった強い放射能を持つ気団が、上空に上がり風の変化とともにあちこちに舞い降りた可能性がある。

鉾田市で3/15午前2時台に0.496μSv/h、つくばの北で3/15午前3時台に0.54μSv/h、新宿で3/15午前4時台に0.147μSv/h、千葉市稲毛区で3/15午前5時台に0.17μSv/h、東京都日野市と川崎市、横須賀市で3/15午前6時台に日野市が0.2μSv/h、他は0.21μSv/h。

3/14の福島第一原発周辺の風向等のデータが利用できないため、SPEEDIのシミュレーションデータを探すと次の図が見つかった。

3/14、15時時点では関東にはプルームは来ていない。

3/15、6時時点。埼玉、東京、千葉でヨウ素131の地上濃度が上がっている。

3/15、7時時点。少し拡散した。

3/15、10時時点。新宿で午前9時、10時と空間線量率が急上昇。強いプルームが到来した。図の時間表示はUST。

3/15、15時時点。ヨウ素131の地表沈着量。

次は、3/15、午後10時時点のヨウ素131の地上濃度だが、東京周辺には、3/15の夕刻にもプルームの第三波が到来しており、この図ではそれが明確になっていない。SPEEDIのシミュレーションでは、早朝、そして昼前のプルームと夕刻のプルームが区別されていないようだ。

個人が川口市とさいたま市で測定した記録によると、川口市では夕刻17時台に1.41μSv/hとこの日の最大値が出ており、和光市でも19時台に1.13μSv/hを記録している。

さらにこの後、3/16の未明から早朝にかけて那須方面からプルームの第四波が到来しており、地上付近の放射性物質濃度は長時間に渡り高い状態が続いたと推定される。

東京都の西部で深刻な健康被害の事例が報じられるのは、保護者が特別に神経質なわけでも、医学知識が深いからでもない。深刻な健康被害が生じうる客観的な状況が認められるのだ。

3/15に学校に行ったり、仕事で外出した人は、すべて、個人差はあるものの健康被害が生じうる状況に置かれていたということをしっかり認識しておこう。その上で、甲状腺については早期の診察も必要だし、異常があったら母親が自責の念に悩むより、適切な診断、治療を受けられるよう情報を集め、準備を進めたほうが良い。

大人も放射性ヨウ素の吸収などによって健康面の打撃を受けている。成人病の悪化、心筋にかかわるトラブルには細心の注意が必要だ。

当時の内閣官房長官枝野幸雄は平成23年3月15日午前11時07分からの会見で次のように述べている。
「20km圏内からの退避をお願いしてきた。更に万全を期す観点から20〜30kmの圏内にいる皆さんには外出することなく、建物など内部にいていただきたい。その折には窓を閉め、機密性を高め、換気はしない、洗濯物は屋内に干していただきたい。距離が遠くなれば、それだけ放射性物質の濃度は低くなってくるので、20kmを超える地点では、相当程度薄まって、身体への影響が小さい、あるいはない程度になっていることが想定されているが、万が一にも備え、なおかつ、こうしたものは気象条件にも影響されることから、こうした圏内の皆様には、こうした大気にできるだけ触れることのないよう、屋内等におられることをお願いする次第でございます。

この会見の時点で、210km離れたさいたま市では1.22μSv/h、和光市では1.62μSv/hまで空間線量率が上昇していた。そして、今、関東の各地で健康被害が顕在化している。マスコミは黙殺しているが。

冒頭に引用した二家族の例では、どちらも東京から避難している。身近に迫っているリスクをしっかりと認識し対処しなければならない。
posted by ZUKUNASHI at 17:34| Comment(0) | 原発事故健康被害
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。