2011年3月茨城県で被曝が契機となって300人前後が死亡した可能性: ずくなしの冷や水

2012年07月12日

2011年3月茨城県で被曝が契機となって300人前後が死亡した可能性

毎月、都道府県別、市町村別の人口自然増変化指数を計算し、また、今月に入って「2011/3の関東地方プルーム往来推定チャート」を作成して検討する中で、ずーっと抱いていた疑問がある。

関東地方へのプルーム襲来時の通り道となっていた茨城県内の人口自然増変化指数が、なぜか関東の他の都県に比べて悪くない。2011/3に茨城県で特別な対策を講じていたとは聞いていない。

茨城県は、福島第一原発に近いから、プルームがより上空を流れ、内部被曝が少なかったのかとも考えたが、最近になって茨城県の西部で人口自然増変化指数が悪化しており、そういうことでもないようだ。

茨城県の西部より東北部が数段被曝量が多いはずだから、東北部では影響が生じたのが早かったのかもしれない。改めて、茨城県と県内市町村の人口動態の動きを見直すと、2011/3の死亡者数が県全体として急増している。

茨城県では津波の被害もあり、地震で亡くなった方もおられる。茨城県のサイトでは2011/6/1、18時00分現在で東日本大震災による死亡者数は、24名となっている。

次のグラフが、茨城県の人口動態統計からとった月別の死亡数、出生数を示す。横軸は、茨城県の統計の月別を示し、死亡数、出生数は、表示された月の前月発生分だ。

2011/3発生の死亡数が、その前後の年の同月と比べて明らかに増えている。例年、寒さが強まるとともに死亡数が増え、正月には死亡数がピークをつけてその後は傾向としては減少していくが、2011年は3月に正月に並ぶピークをつけている。

厚生労働省が発表した県別の人口動態統計で見ても同じだ。2011/3の死亡数は、2010/3に比べて549人多く、2012/3に比べても267人多い。

市町村別にどこで増えているか、2010/3の死亡数と2011/3の死亡数の比較で1.0超の市は、次の表のとおりとなる。概して県北の都市の死亡数の伸びが高いが、3/21のプルームの影響が強かったと見られる稲敷市や牛久市が上位にあり、さらに古河市やつくばみらい市も伸び率が大きい。


伸び率が大きい都市について最近時点の「人口自然増変化指数 2012/5まで 茨城県」を参照すると、古河市や北茨城市の人口自然増変化指数はマイナスとなっており、死にやすく生まれにくいという傾向は出ていない。2011/3の死亡数が多いと2012/3の死亡数が相対的に少なくなるから、死亡数増加率が1.0以下に低下することが原因だ。

以上のところから私が得た結論
@ プルームの襲来を受けると、外部被曝が増えるとともに、呼吸によって放射性物質を体内に取り込み、内部被曝が著しく増大する。これにより、持病を持つ者など抵抗力の弱い者を中心に急性、亜急性の健康障害が生じ、死に至ることもある。

A 急性、亜急性の健康障害とならなかった場合でも、内外の被曝が増えたことにより、時間の経過とともに健康障害が顕在化し、死に至ることもある。自治体等が発表するプルーム到来時の空間線量率の上昇が大きくない場合でも、健康被害は生じている。

B 内外の被曝が増えると、慢性的な皮膚の異常、疲れやすさ、だるさ、視力の低下、発咳などあらゆる形態の身体異常が生じうる。

@の例としては、2011/3に死亡者が著増した茨城県東北部の都市があげられる。Aの例としては、東京都多摩地区の都市、茨城県西部の都市、栃木県東南部の都市、千葉県の濃厚汚染地域の都市と東部太平洋岸の都市、昨年秋の神奈川県下があげられる。

Bの例としては、関東地方全域が該当するようだ。特に茨城県下では慢性的な体調不良、身体の異常が出ていると聞く。そんな関係もあってか、茨城県の2011/3以降の転出超過は、福島県からの転入もあると見られるのに2012/5までで約12千人に達している。

高橋美穂子@roarmihoko氏が 肥田舜太郎医師の講演会に参加したときに綴ったツイートをまとめてくれた方がおられる。ぜひご覧いただきたいが、私が特に注目するのは、次の発言だ。

「最近出たロシアの論文によればセシウム137は遅効性でなく、その場で即心臓の筋肉に支障をきたすとある。福一に最初に入った労働者の方が2日後に心筋梗塞で亡くなったのはそれではないかと今は思っている。」

肥田舜太郎医師の上の指摘については、「おやじが次々死んでいく怖すぎる現実」の2011/5から2011/8ころの事例参照。
posted by ZUKUNASHI at 12:32| Comment(0) | 原発事故健康被害
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