福島第一原発周辺への帰還はこの上なく危険: ずくなしの冷や水

2012年07月04日

福島第一原発周辺への帰還はこの上なく危険

福島第一4号機燃料プールの危機に心構えを新たにの続き

前の記事で、福島第一原発4号機燃料プールに格納された燃料棒の冷却が止まったときは、燃料棒がくすぶり、そしていずれ燃えると想定し、その際に爆発的な事象がありうるのかは不明で、燃焼に伴って大気中に出た放射性物質は、これを運ぶ空気の温度も低く、比較的低空を漂うのではないかとの考えを述べた。

仮にそうなった場合、放射性物質を濃厚に含む気団は、どちらに流れるだろう。2011/3の場合は、西風に助けられたが、小名浜の風配図によれば、夏季の福島浜通りは7月は南風、8月は南風と北風が半々、9月は北風が多い。


日本の標準気象データ (小名浜(オナハマ))から借用。

2011/3の福島第一原発事故の際には、中通と浜通りの間にある阿武隈山地が壁になって、中通りの汚染を軽減したとの見方は否定できないだろう。今回もそのようになるだろうか。

次の図は、阿武隈山地の壁としての作用を見るために、角田市からいわき市まで線を引き、そのライン上の10km弱のポイントごとに標高を見たものだ。

2011/3には、高瀬川と請戸川の流れる谷あいをプルームが流れたと推定されている。4号機燃料プールの危機の際にも、もちろん風向きによるが同様に川の流れる谷あいを「煙」が流れていく可能性は高い。

ただ、この「煙」が前回よりも低空を流れると仮定すると、400mの高さを超えられずに阿武隈山地の海側に滞留する恐れもあるだろう。

東から強い風が吹き、山地を越えて中通り側に吹き込むことももちろんありうる。2011/3/15に、ブルームが上越国境を越えて新潟県の中越地方に流れ込んだ例がある。

だが、夏の卓越風を考慮すれば、「煙」が東西に動く以上に南北に動くと考えなければならない。南風が吹けば南相馬市の方向に、そして北風が吹けばいわき市の方向に流れる。

前回の記事で見たように、福島第一原発から放射性物質が放出されると、福島第一原発に近いほど濃度は累乗曲線に沿った形で高くなる。そして、それが滞留した場合は、内外の被爆量は濃度と時間の積で増えていく。

避難指示解除準備区域は、4号機燃料プールの危機を排除できない限り、危険極まりない区域だと思えるし、それよりもさらに離れた市町村も同様に危険だ。南相馬市の行政は、私には狂っているとしか思えないが、住民の帰還は即刻やめるべきだ。

福島第一原発の南の地域も危険がある。2011/3の場合は、いわき市は強力なプルームに見舞われている。4号機燃料プールの危機が生ずれば、前回と同様、おそらくはそれ以上の強力なプルームに長時間さらされることを深く危惧する。

茨城県北部も同じ危険がありうる。次の図は、いわき市いわき湯元と常陸太田市を結んだ線上の標高を示す。

北は、それほど山が迫っていないが、高萩市を過ぎると山が迫ってくる。プルームが山のふもとを通っていくことにならないだろうか。

常陸太田市を過ぎれば、その南は平地が広がる。後はプルームがどう流れるかは、そのときの風次第だ。

大熊町では2011/3に被爆が原因となって亡くなった方が千人近くおられ、その遺体がなお収容されていないとの見方もある。私は、それはないのではないかと思うが、4号機燃料プールの危機への対応を誤れば、そういう事態も生じうるのではないかと、心底恐れている。

関連記事
福島原発から放射能気団の定期便

福島原発から風の定期便
posted by ZUKUNASHI at 00:31| Comment(0) | 原発事故健康被害
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。