東西日本の出生数、死亡数の推移の比較 3  死亡者は5年間で100万人に達する可能性も: ずくなしの冷や水

2012年05月01日

東西日本の出生数、死亡数の推移の比較 3  死亡者は5年間で100万人に達する可能性も

「東西日本の出生数、死亡数の推移の比較 2」の続き

前の記事の最後に掲げたグラフはとても興味深い。2012/4/25の記事「行楽シーズンだが気分は低空飛行 2」にも同種のグラフを掲げたが、あちらは2012/1・2月の死亡者計と2011/1・2月の死亡者計を比較した伸び率でグラフを作成していた。

今回3ヶ月間の死亡者合計を使って作図したら、前回ほどに傾向がはっきりしないので、2009年冬を基準として3ヶ月の合計で2010年、2011年冬の伸び率を使ってみた。このグラフで、だいだい色の近似直線と緑の近似直線に注目すると、右端、つまりセシウム降下量の少ない地域を支点にして時計の針が10分程度進んだように見える。

グラフの右側3分の1ほどにある主として西日本の県は、もともと死亡者数の変動が大きかったようだ。そして、この近似直線に関して言えば、2010年冬は西高東低だったのに、2011年冬は東高西低に転換している。この原因は、2011年冬の厳しい寒さもあるだろうが、この間に福島第一原発事故があったことも忘れてはならない。現に、このグラフの横軸はセシウム降下量の累計値が高い順に並んでいる。

だから、素直に考えれば、気象条件の違いはあっても、それに加えて福島第一原発からの放射性物質の放出が、この死亡者数増加率の変化に影響していると推定できる。

そして、事故後1年足らずの間にこれだけの変化が生じたわけだから、放出、沈着した放射性物質の影響が続く限り、セシウム降下沈着量の多い地域での死亡者の増加は続く可能性が高いということになる。

考えたくないところだが、もし、毎年このような時計の針の回転が見られるだろうとの想定のもとに、モデルを作って計算すれば、この先の死亡者数の増加のめども立つかもしれない。

ここでの最大の問題は、@時計の針が毎年何分ずつか上がり続ける、つまり毎年死亡者数が増え続けると見るか、それともA時計の針の回転はこの程度にとどまり、年によっては逆回転もありうると見るかだ。

Aの想定が現実のものとなるなら、毎年多数の死亡者が出るのは辛いことだが、それでもありがたいことと言うべきだろう。

だが、残念ながら、チェルノブイリの経験からは、事故の翌年以降も健康被害が顕在化し続け、キエフでは5年後にパニックが起こったという。私は、キエフに旅したことがあるが、キエフは落ち着いた感じのする古い街だったが・・・。

もし、@の想定を取るなら、この1年でだいだい色の直線が緑の直線の位置までシフトしたこの角度、割合を使ってこの先の死亡者数の増加を推定できる。

その場合でも各年のシフトの角度を見積もるのは至難の業だ。大体の見当をつけてそれに備えるほうが現実的だろう。近似直線を使わずとも、凸凹のある曲線のまま、つまり実績値で計算してみよう。

2010年12月〜2011年2月 死亡者合計 322,339人(宮城県と福島県を除く。以下同じ)
2011年12月〜2012年2月 死亡者合計 341,834人、前年同期比 1.06、19,495人増。

3ヶ月間で約2万人の増加だから、計算上では年間では8万人の増加となる。2010年の冬に比した毎年の死亡者上乗せ数が8万人で累増しないなら2011年から2015年の間に死亡者の上乗せ数は40万人程度にとどまることになる。

深刻なケースとして、毎年死亡者が8万人ずつ累増上乗せされるなら、2011年8万人、2012年16万人・・・と来て2011年から2015年の間の死亡者の2010年の冬に比した増加数は120万人程度に達する。

福島第一原発事故による死亡者の増加については、論者によりさまざまだが、上の試算からすると、5年間で100万人近くに達することは十分現実味がある。上の数字には、福島県と宮城県分が含まれていない。

そして、最も警戒すべきは晩発性の放射線障害だという。こちらは、5年、10年経ってから深刻な症状が現れる。

個人的には、5年間の死亡者増加が100万人にとどまってほしいと願うし、5年間で120人につき1人死亡者が増えるだけならたいしたことはないと考える人もいるだろう。

だが、この死亡者増の中に入って寿命を縮めるか、そうでないかは本人や保護者の努力次第で左右できる。この先5年間の死亡者の増加が100万人にはとどまらないことも大いにありうること、5年を経過した後もリスクは低下しないということをはっきりと認識して、防護措置を怠らないようにしなければならない。
posted by ZUKUNASHI at 21:45| Comment(0) | 原発事故健康被害
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。