死亡者数の変化率の計算方法
東京都:(2011/12、2012/1、2の3ヶ月の死者の平均)÷(2010/9、10、11の3ヶ月の死者の平均)
群馬県:(2012/1、2の2ヶ月の死者の平均)÷(2011/1、2の2ヶ月の死者の平均)
千葉県:(2012/1、2の2ヶ月の死者の平均)÷(2010/1、2の2ヶ月の死者の平均)
茨城県:(2011/12、2012/1、2の3ヶ月の死者の平均)÷(2009/12、2010/1、2の3ヶ月の死者の平均)
栃木県、さいたま県、神奈川県のデータがないが、それでも関東一円であちこちに死亡者数の伸びの大きい区市郡があることがわかる。なお、東京都は、「都市は人間を自由にする。死ぬも生きるも自分次第。台東区では毎月千人に一人死ぬ」の記事の計算対象期間と異なるので、23区の中では板橋区がトップに来ている。
表だけでは分かりにくいので、地図に落としてみた。朱色に近い赤が1.4以上、桃色がかった赤が1.3〜1.4、くすんだ桃色が1.2〜1.3、黄色が1.2以下。1.1台の区市郡は多いが、上の表は適当なところで区切って掲載している。

このグラフで、まず、汚染の強いところはやはり死亡者数の伸びが大きいことが分かる。千葉県の袖ヶ浦、木更津、君津、富津が典型だし、東葛飾地域とその周辺市町村も死亡者数の伸びが大きい。
二点目は、汚染が相対的に強くないと見られる農村部に死亡者数の伸びが大きいところがある。千葉県匝瑳市が典型だ。
匝瑳市(そうさし、旧八日市場市)は、植木の産地として知られる。サツマイモなどの野菜や養豚もある。空間線量率は特に高くない。市が2011/12/19に採取して土壌の放射能を測定した結果では、草地がセシウム計で110Bq/kg、水田が69Bq/kgで草地の平方メートル当たりでは7,150ベクレルだから少し高いだろうか。
匝瑳市と多古町、横芝光町で構成する匝瑳市ほか二町環境衛生組合のし尿中のセシウム検査結果によると、2011/7/11と2011/11/16に検査した結果では、234Bq/kgと485Bq/kgで関東の他の都市が2011/7半ばから2011/9初めにはピークをつけ、その後数値が低下しているのに特異な動きを示している。検出値の水準の他都市との比較は意味がないが、高めだ。
農産物の地産地消による内部被曝の増加が死亡者の増加を招いていると判断できる。多古町が死亡者増加率1.2、横芝光町は1.01だ。
農村部で死亡者数の伸びが大きいところとしては、茨城県北部内陸、房総半島の太平洋側にもある。
群馬県では、縁辺部の汚染が強く高崎などの中央部は比較的汚染が弱いはずなのに、高崎、前橋、渋川、伊勢崎の一帯の死亡者数の伸びが大きい。原因が分からないが、群馬県は養豚が盛んだ。この先、群馬県産豚肉、こんにゃくにどんな影響が出るのか、注目される。
このデータで大変驚かされたのが、東京都内で死亡者数の伸びが大きい区市が多いことだ。23区の東北方向にある区は、3/21のプルームの影響を受けていることは明らかだが、三多摩の都市にも死亡者数の伸びが大きいところが多い。
私は、3/15、3/16の西回りで東京に到達したプルームは、都内を汚染したはずだと見ているが、文部科学省の空中モニタリングの結果が示す以上に汚染がきついようだ。
それに、東京では地産地消がなく、全国から流入する農産物に依存し、流通の過程で産地ローンダリングも行われているから、生鮮食品を通じたセシウム取り込みが多いと推定される。外食の利用度が高いことも内部被曝増大の一因だろう。
都内在住者の健康被害多発という観察は、確かなことかもしれない。「食べて応援」が最大の原因だと確信する。
関東では、どこに住まおうと、放射性物質による健康被害の脅威にさらされていることは間違いないが、自助努力で自衛が効果を上げていると見られるところもある。
「茨城県の死亡率の差はどこから?」で書いたように、守谷市のように濃厚汚染地域と判明した市町村の中には住民が自衛措置を講じているところもあり、そういうところでは死亡者数も増えず、死亡率も上がっていない例が見られる。
自治体が放射性物質による汚染を隠蔽すると、住民の気が緩み、防護措置がおろそかになり、健康被害が増えるという関係は、間違いなくある。
国や自治体の情報開示の遅れ、隠蔽が事故直後のみならず今も健康被害の拡大を招いていると訴えたい。
死亡者数増加の水面下では、疾病の多発がある。現在は、免疫力の低い人や既往症を持つ人がまず亡くなっている段階であり、内部被曝が継続すると新たな罹患者の増加、疾病の悪化が進み、死者が増えていくと推測する。
都内や東京近郊で死者が増加し、疾病に苦しむ人が増えていくと、首都圏は強制避難措置を講じなくても、何年か先には内部崩壊し、首都機能が失われることになる。
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(初出 2012-04-18 、4/19 題名変、地図追加、記述追加)