市民と科学者の内部被曝問題研究会設立会見における肥田舜太郎氏の発言: ずくなしの冷や水

2012年02月03日

市民と科学者の内部被曝問題研究会設立会見における肥田舜太郎氏の発言

2012/1/27、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」が設立され、「内部被曝の拡大と健康被害を防ぐ為に政府がとるべき安全対策」に関する提言が発表された。

この提言は、合理的なもので評価されるべきと思う。食物汚染については、「「健康を維持できる限度値」(現在の限度値の100分の1程度)を設定して限度値以上の汚染食品は市場に出さない」としている。

以下は、設立会見における肥田舜太郎氏の発言(webDICEから抄録)

私は日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)のたったひとりの医師として、全国の被曝者の相談を一手に引き受けてきました。聴診器をあて診断をした人間は少なくとも6,000人に及びます。そのなかには、外部被曝を受けて大変な思いをして今日まで生き延びてきた人もいますし、内部被曝で説明のできない非常に困難な症状を持ちながら、外から見てなにも症状がわからないため世間からは被曝者として認められず、社会から差別を受け、一人前の人間として生きていけなくなった患者もたくさん見てきました。

最近、外国の人から『広島と長崎の経験をした日本が、なぜ地震の多い自国の海岸沿いに原発を54基もの原発を作ったんだ』というお話がたくさんあります。この原因はたったひとつ、占領したアメリカ軍が被曝者の病気すらもアメリカの軍事機密という声明を出して、被曝者に一切被害をしゃべってはいかん、書いてもいかん。また医師は職業柄被曝者が来れば診療はしてもよろしいがその結果を書き残したり、それを論文にして論議をしたり、日本の医学会が放射線のことを研究することを一切禁じる。これに違反する者は占領軍として重罪に処すという声明を発表して以来、被曝者は沈黙を守り、医師は自分の診察した症状を記録もしなくなったのです。ですから、当時の被曝者が戦後経験してきた放射線の被害の実情は、どこにも正確に記録されていない。今の政府も今のお医者さんも、誰もこの当時のことを正確に学ぶ資料がまったくありません。

福島第一原発から出ているのは、広島や長崎の原爆で使われたウラニウムとプルトニウムを混ぜあわせた放射線です。あそこの人たちに将来、広島と長崎の被曝者が経験したことがそのまま起こってくると考えるほうが常識なんです。

アメリカの国内の医師や学者にも(私たちと)同じことを思っている方がたくさんおられます。アメリカの国民のなかの核兵器に対する反対勢力は同じくらいあります。これが結束して、アメリカの世論を変えていくなかで、いま沈黙している医師や学者は必ず私たちと一緒になっていく。特に英国の学会はアメリカから完全に離れて内部被曝を危険とみなす考えに変わってきています。ですから国際情勢は大変厳しいけれど、一歩一歩事実に基づいたところに足をかけはじめている。私はこの動きに大きな希望をかけています。そして、日本の中の良心を持った学者たちをできるだけ掘り起こして、力を作りながら世界の世論にしていくことが大事で、できないことではないと思います。

(内部被曝の防止策について)どうしたらいいかということについて専門家の方々は口を揃えて『原発から遠くへいけ』『汚染された疑いのあるものは口にせず、必ず大丈夫だというものを手に入れて食べろ』、この二つが安全な道だということをおっしゃる。確かにその通りなんですけれど、外部であれ内部であれ被曝したことは日本中みんな間違いないんです。

実際に福島のいろんな方に会ってみると、遠くへ行けない人はどうしたらいいのかを聞きたいというんです。それがあまり強いものだから、私は自分の経験から、放射性が原因になって病気になって、それで命を取られるんだから、病気を起こさないように我々の生活を工夫しようじゃないかという運動を起こしたんです。その工夫の中には昔から言われる『腹八分目で飯を食え』とか、早寝早起きがいいとかいろいろなものが出ますよね。その一つ一つを点検して20年くらい全国で論議をした結果、これがいいという一つの柱ができたんです。

本当にバカバカしいようなことだけれど、我々の祖先が免疫を作ったときの条件は、灯りもなければ熱もなく、太陽以外のエネルギーを持たなかった。その状態を壊さないために、太陽と一緒に起きて、太陽と一緒に寝るという規則正しい生活をするのが一番いいんじゃないかということになって、何万という人間が実際にやったんです。その結果、いま80過ぎ、90過ぎの被曝者が生き残っている。だから、道は遠いようだけど、みんなに誰でもができることですから、まずそこから話をはじめよう。被曝者が具体的に行い、一人一人が命を守って今日まで来たことなので、これはやはり現在福島で被害に遭っている方が参考に聞いたほうがいいだろうと。なので私はあちこちで話します。

そうすると、他に対策が何もないものだから、『たった一つこれがあればなんとかなるという希望が一つできた』と言ってみんな喜んで帰っていく。それほど行き詰まって、どうしたらいいかわからない。だから私はそうした努力をみんなでしていくべきだろうと思っています。誰か偉い人がパッと教えてなんとかなるという状況じゃないのです。

上記のほか、日刊ゲンダイの2012年1月31日掲載記事には、次のように伝えられている。

「福島第1原発から出ているのは、広島や長崎の原爆で使われたウラニウムとプルトニウムを混ぜ合わせた(より強烈な)放射線です。将来、広島と長崎の被爆者が経験したことが、そのまま起こってくると考えるほうが常識です。(今回も)おそらく3月以降、(放射線の影響を受けた住民の中に)医師が診ても診断がつかない、非常に不思議な症状で苦しむ人が出るでしょう」

「残念ながら日本の医療界には、相手(診察)のできる医師はひとりもいません。おそらく、どの病院も『病気じゃない』と放り出す。広島、長崎でも『ブラブラ病』という名前で(患者は)社会から抹殺された。同じことが起きないか心配です」
posted by ZUKUNASHI at 18:48| Comment(0) | 原発事故健康被害
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