関東での降下核種は場所により大きく違う可能性 1: ずくなしの冷や水

2012年01月31日

関東での降下核種は場所により大きく違う可能性 1

ネット上では、放射能と関係があるのではないかと疑われる突然死や各種疾病の事例が伝えられている。私は、友人、知人、そしてパートで面識のある人に挨拶がてら健康状態の変化を聞いているのだが、これまでのところ深刻な話には接していない。

横浜市や東京都内では、深刻な健康被害が生じているのに、なぜなのだろう。私の仮説は、セシウム以外の核種の降下が地域によりバラバラで、α線源、β線源による健康被害が生じているところがあるというものだ。

福島第一原発は、3/12以降、爆発などが続いた。
3/12 14時30分 1号機ベント、15時36分 1号機建屋で水素爆発
3/13 8時41分 3号機ベント
3/14 11時1分 3号機爆発
3/15 0時0分 2号機ドライベント実施。3時00分 2号機格納容器圧力が設計圧力を超える 6時10分 2号機で異音発生、圧力抑制室の圧力低下(爆発) 8時25分 2号機で白煙確認
3/15 6時14分 4号機で異音発生、壁が破損(爆発) 9時38分 4号機で火災確認
3/15 11時 3号機再度爆発(RSMC北京)
3/16 5時45分 4号機で火災
3/20から3/21 3号機格納容器内爆発(推定)
これらの「異常事象」によって大気中に放出された放射性物質は、いろいろなルートで関東地方を襲った。

茨城県の放射線量固定観測局(日立市,常陸太田市,常陸大宮市)の観測値。3/15の4:50、3/16の5:50、3/21の4:30にピークがある。

次はつくば市での測定結果。KEKのサイトから。

次は、高崎市にある高崎量子応用研究所の空間線量率の測定値。3/15の13:00と18:00、3/16の2:00、3/20の18:00、3/22の7:00にピークがある。

千葉市にある日本分析センターの測定値。3/15の16:00、3/16の9:00、3/21の8:00にピークがある。

川崎市と横須賀市の空間線量率。青が川崎市。

まず、3/15の未明から早朝にかけての空間線量率のピークは、つくばが3時前後、茨城北部が4時から4時半、千葉市で5時、川崎市で6時となっている。高崎市では、早朝のピークは見られない。

3/15早朝の関東の気流は、茨城県北部から内陸に入り、つくばの近くを通って川崎、横須賀にまで達していたと推定される。

注目されるのは、高崎で3/15の午後に二つのピークがあることだ。つくば市で3/15の8時前後に二回目のピークをつけており、千葉市では16時、川崎市で19時にピークがある。つくば市で8時前後にピークを生じさせた放射能雲は、その後ばらけて時間をかけて広がったと見られ、この放射能雲が18時に再度高崎でピークを形成したとは考えにくい。


高崎のグラフの3/15の二つのピークは、福島で3/15の午前6時過ぎに2号機、4号機で異常、そして11時に3号機で爆発があり、それぞれ7時間後に高崎のピークとなっている。


東葛飾地域を強く汚染した3/21の放射能雲の来襲は、シミュレーションで見る気流とは合わないが、ルートが比較的はっきりしている。4時半に茨城北部、8時に千葉市、12時に川崎市、横須賀市でピークをつけている。この放射能雲は、東京湾全体に広がったようで木更津にも影響が及んだと見られる。

川崎や横須賀は、3/21以降に3/15前後のピークに匹敵する空間線量率を示している。一方、高崎では、3/21前後は比較的小さなピークにとどまっている

高崎で3/15の18時に観察された二つ目のピークが他の観測点のどのピークに対応するか、よく分からない。シミュレーションの気流の流れにを参考に、つくば市で8時前後に観測されたピークが13時に高崎で観測された放射能雲に対応するとするならば、高崎の18時のピークは他の都市では対応するものが見られなかったということになる。内陸を北から下ってきたものかもしれない。

宇都宮の空間線量率の変化を見ると、3/15の午前10時に1.318μSv/hを記録してすぐに低下傾向を辿り、これが3/18までのピークとなっている。さらに、那須町では3/15の午後1時(0.56μSv/h)を過ぎてから急速に空間線量率が上昇し、午後3時半に1.68、午後10時半に1.75のピークを記録、3/16の午前0時半までこのピークの頂上が継続した。

那須町のその後の空間線量率の低下は緩慢で、3/18の午後11時半になっても1.02μSv/hsとなっており、遅れて3/17から測定が始まった日光市でも同じ時刻に0.84μSv/hとなっている。

那須町、日光市が高くなっていて宇都宮が低いということは、北から来た放射能雲が宇都宮の北を通ったということであり、この雲が放射性物質を地上に降下させながら、栃木県の北部山間部を通り、群馬県の山間部に抜けたと見ることができる。高崎の3/15午後2回目のピークは、那須町の空間線量率を急上昇させた気流の影響によるものと考えられる。

3/16の各地のピークの現れ方も理解が難しい。高崎で午前2時、茨城北部で5時50分、川崎、横須賀で午前6時、千葉市、つくば市で9時だから関東平野を逆時計回りで回っている気団と新たに茨城県に流入した気団があるようだ。那須町の3/16未明の空間線量率は、午前4時に1.67μSv/hと高いままで推移している。

福島第一原発の異常事象では、画像から見る限り3号機の爆発がすさまじく、この時に放出された放射性物質が極端に多かったものと見られる。幸いにして3/14の11時には西風が吹いていて吹き上げられた放射性物質の多くは太平洋に飛んだ。

3/15の関東での空間線量率の上昇は、地理的、時間的に一定の順序が見られるから、上空から降ってきたものだけでなく、新たに福島第一原発から放出されたものの影響が多いと見られる。

つまり、3/15早朝に茨城で始まった空間線量率の上昇は、3/15、0時0分以降の2号機のドライベントなどが原因だろうし、3/15の午前から各地で観測された空間線量率の大幅上昇は、2号機の6時10分の爆発、6時14分の4号機での爆発、8時25分の2号機で白煙に至る異常、9時38分の4号機での火災 そして11時の3号機再爆発と次々と放射性物質の追い討ちがあったことが原因だ。

また、3/16の茨城県北部のピークは、3/16の5時45分に観察された4号機の火災に先立つ異常事象が原因の可能性が高い。

上のように理解すれば、3/15から3/16にかけては、2号機から4号機の異常事象により放出された放射性物質が次々と関東に飛んできたことなり、3号機のMOX燃料から出たものもたっぷりと関東に降り注いでいるはずだ。

3/15に都内で大気中の放射性物質を収集測定した小出氏は、ストロンチウムやプルトニウムのことには触れていなかったが、その後もプルームが時間差攻撃を加えているとしたら、α線源、β線源が想定を越える濃さになっていることもありうるだろう。

横浜市で個人が測定した結果でストロンチウムが検出されているし、熊本市でも掃除機のダストや空気清浄機のフィルターからα線源、β線源が検出されている。
床の上0.006mREM/hr = 0.06μSv/hr
ダストパックとフィルターを入れた袋の上0.046mREM/hr = 0.46μSv/hr
上の袋をアルミホイルで包む(β線遮断)0.030mREM/hr = 0.30μSv/hr

呼吸によるα線源、β線源の吸収は怖い。

(初出 1/28 1/30 見出し・記述変更、画像追加 1/31 記述変更)
posted by ZUKUNASHI at 11:38| Comment(0) | 福島原発事故
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