「いま心筋梗塞流行ってるから気を付けろ」: ずくなしの冷や水

2012年01月14日

「いま心筋梗塞流行ってるから気を付けろ」

福島の浜通りに実家のある方が、帰省した際に祖母から注意された言葉が重い。「いま心筋梗塞流行ってるから気を付けろ」

「木下黄太のブログ」の記事とコメントを読むと、やはりオオカミが来たようだ。突然死については、早い時点から原発周辺で車の回収に当たっていた複数の男性の死亡が伝えられていたし、その後東京近郊で中古車を扱っていたパキスタン人のグループの死亡が報じられた。

ところが、数日前の上記ブログの記事で、横浜市旭区での高校女性教師と男子高校生が年が明けてから突然死、同じ旭区にある小学校の男性教諭も年末に死亡したとの情報が載っている。

さらに、コメント欄には、千葉、茨城、東京などでの突然死の情報が寄せられ、福島については冒頭の「心筋梗塞流行ってるから」との祖母の注意発言となる。

神奈川県は、私が自治体の測定した空間線量率を調べたときも関東各県の中では低いほうだったし、文部科学省の空中測定でも県下全域がセシウム134と137の合計で10kBq/m^2以下とされている。

10kBq/m^2以下でも心臓の障害発生が避けられないなら、東日本の多くの区域で心筋梗塞などの心臓の障害が発生することになりかねない。もし、そうであれば怖すぎる。

文部科学省の空中測定結果は、最も低い階層が「10kBq/m^2以下」であり、「放射性セシウムの有意なエネルギースペクトルが検出されていない地域を特定した上で、これらの地域については、マップ上の最低のレンジ(10kBq/m2)として表記することとしております」としているから、最低階層には、不検出から1万ベクレルまでが含まれることとなる。

土壌調査では、kg当たりのセシウム濃度で表示されるから、国の機関が示した換算係数65を適用すれば、10kBq/m^2は、154Bq/kgに相当する。私が集めた土壌調査のデータによると、神奈川県は最高が横須賀市港が丘の庭2,236Bq/kg、他に横浜市鶴見区の公園985Bq/kgなどがあり、平均は347Bq/kgと154Bq/kgの2倍以上の数値を示している。

そもそも換算係数65は、一定の条件下でしか適用できないものだろうし、個人が採取した土壌は採取方法もアバウトだろうから、これらの数値を細かく比較してもあまり意味はない。

ただ、神奈川県下でも、10kBq/m^2に近い、あるいは所によりこれを越える密度の場所が少なくないことは想定しないといけないだろう。そして、問題は、5kBq/m^2程度の場所でも心臓にかかわる健康障害が生じうるのか否かだ。

実測値ではないが、シミュレーションでは10kBq/m^2以下をさらに細分して表示しているものもある。2011/11/15の米国科学アカデミー紀要電子版に掲載された、名古屋大学などの国際研究チームが行った福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質の拡散、沈着シミュレーションでは、より細かい汚染度区分が使われている。

こちらは、土壌のセシウム濃度だから、154Bq/kgが10kBq/m^2に相当するとすれば、文部科学省の最低階層がさらに5つに細分されていることになる。

次の図は、上の図の原図を拡大したものだ。これで神奈川県を見ると、全域が50Bq/kg以上で、県西部には100Bq/kg〜250Bq/kgのところも広がっている。県東部が仮に75Bq/kg程度だとすれば、面積当たりでは5kBq/m^2相当ということになる。土壌調査では、県平均が347Bq/kgだから、自然濃縮の結果として数値が高くなっていることはあるとしても、かなりの地域で面積当たりで10kBq/m^2近いところがある可能性も高い。

以上のところからすると、文部科学省の空中測定で10kBq/m^2以下だからといって、心臓にかかわる健康障害を免れられると解するのは早計だろう。

上のシミュレーションの結果と突然死の情報を照らし合わせれば、50Bq/kg〜100Bq/kgの土壌汚染の地域でも、心臓にかかわる健康障害がありうると警戒しておいたほうが良い。

突然死の情報では、体育関係の教師、学生、活動的な教諭などの例が多いように見える。屋外での活動時に放射性物質を吸い込む、あるいは飲み込むことが不幸な結果になっていなければいいが、土壌の汚染度からして外部被曝より内部被曝の影響が大きいのではないかと、素人なりに考える。

上のように考えると、心臓にかかわる健康障害は、上の図で濃い青の区域から空色、あるいは緑色の地域に向かってリスクが高まると考えられるから、東日本のほとんどの地域で警戒すべきとなる。

上のシミュレーションによれば、宮城県、栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県のほぼ全域。福島県の只見地方を除いた全域。群馬県は(文部科学省の空中測定による汚染分布と異なるが)東側のほぼ半分、静岡県は伊豆半島と駿河湾に面した太平洋岸、新潟県の下越地方、山形県の東側3分の2、秋田県の南東隅、岩手県の南側3分の2、そして北海道の十勝地方の太平洋側と道東地域は、ハイリスクの地域となる。

上のシミュレーションが実際のセシウム汚染度合いをどの程度正確に示しているのかの判断は、私の能力を越える。参考までに、もう一つのシミュレーションの結果を掲げる。次の画像は、独立行政法人日本原子力開発機構が作成した「福島第一原子力発電所事故に伴うCs137の大気降下状況の試算−世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション」からとった3月12日5時から5月1日0時までのセシウム137の積算沈着量予測図だ。緑がかった黄色の部分が100〜1,000Bq/m^2、黄色が1,000〜10,000Bq/m^2だ。文部科学省の空中測定図の区分を適用すれば、黄色、黄緑、白の部分が10kBq/m^2以下として同じ色で塗られることになる。
posted by ZUKUNASHI at 22:17| Comment(1) | 原発事故健康被害
この記事へのコメント
怖いです(>_<)
Posted by ひと at 2012年04月27日 00:16
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。