その中にあった、除染ボランティアに参加する際の一般的な留意事項
1 服装
通常、長袖の作業服又は運動着となります。作業後の着替えもご用意ください。
長靴を用意できる方は持参してください。
夏場は日除けの帽子、タオル等の準備を、冬場は寒さ対策をお願いします。
2 持ち物
軍手又はゴム手袋
使い捨ての防塵マスク(数組)
作業後の汚れ物を収納するビニール袋
絆創膏、塗り薬、消毒液、虫除けの予防薬
雨合羽
タオル、ウェットティッシュ
健康保険証のコピー
ゴーグル又は保護メガネをお持ちの方は持参してください
線量計をお持ちの方は持参してください
3 食事、飲料水
近くにコンビニがない場合、食事や飲料水をご用意いただくことがあります。 飲食は休憩時間の際にお願いします(作業中はご遠慮いただきます)。
4 ボランティア保険及び放射線被ばくに関する留意事項
ボランティア活動中の様々な事故による怪我や損害賠償責任を保障する保険がありますので、保険の補償の範囲(通常、放射線被ばくは保険の対象外)や保険費用を踏まえて、ご加入についての検討をお願いします(原則、自己負担です)。
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作業内容は、民家の軒下、庭等の除染(除草作業、表土削り、コケ除去、ごみ回収など)が多いようだ。東京から福島までの往復の旅費は、もちろん自己負担だ。
放射能除染活動の手法と効果、作業時の危険は、未知の分野
除染ボランティア活動への参加を検討中の方の善意に水を差すようで迷うが、やはり書いておこう。
日本では、広域にわたる屋外での除染活動の手法と効果、作業時の危険防止策は、まだ未知の分野だ。原子力関連施設では、放射線管理区域が設けられ、必要な除染が行われているが、屋外ではなく、閉鎖空間での作業だ。
福島県下で屋外での除染活動が始まっているが、作業者の被曝が大きいと懸念する声もある。現に、北海道で熱心に自宅庭の除染を進めた主婦の体調不良なども伝えられている。
福島県下の汚染の度合いは、通常の服装と一般的なマスクだけで土を掘り返したりすることが、決して「大丈夫」なわけではないと思う。私は、関東の屋外作業、特に造園や土木工事に携わる人たちにマスクをつけてほしいと思うし、厚生労働省は労働安全衛生規則を至急改正し、雇用主に対策を義務付けるべきと考える。
東大の児玉龍彦氏が関与している南相馬市での父兄による除染活動の様子を見ても、作業者の防護は明らかに不備で心配になる。
危険を理解した上で自費負担も少なくないボランティア活動に参加される方の行動は尊いことは言うまでもない。ただ、若い方の参加については、私は少なからず懸念を持つ。いろいろな情報を検討して慎重に判断してほしいと願う。
10月末から11月はじめにかけて、福島県からチェリノブイリ原発事故現地視察団がベラルーシーとウクライナを訪問したという。彼我の社会条件の違いについては、改めて取り上げたいと思うが、学校や地域の除染が差し迫った課題なのに、なぜ以前と変わらない「視察行政」を続けているのだろうと疑問に思う。
その費用と時間は、他の活動に投入するよりも優先されるのだろうか。ヒマワリやナタネ栽培による除染活動は、農水省の副大臣も現地を見に行ったが、結局一夏かけて効果なしと判定された。無駄な時間だった。
チェリノブイリ原発事故に関連した研究データなどは、以前から日本の研究者などが収集して出版もしているし、福島原発事故以降、精力的な翻訳活動で日本語に置き換えられたものもある。
福島県をこの先長期に渡って、国民的にどう支援していくか、難しい問題も出てきたと感じる。
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細野豪志環境相は、11/13、福島県伊達市でボランティア約60人に混じって民家の除染に参加したと伝えられている。下は、朝日新聞が伝えた除染活動の様子。別の写真では何人かがマスクをしているが、この写真ではマスクをしている人がいない。

環境省は、内部被曝のリスクを軽視しているということを、大臣が身をもって示したに等しい。これはひどい。
除染活動に参加した後、急死した人もいるといわれている。環境省は、人命より環境が大事なのか。写真は、朝日新聞のサイトに掲載されたものの一部を切り出している。