福島県米放射能調査結果に重大な疑問 続き: ずくなしの冷や水

2011年11月16日

福島県米放射能調査結果に重大な疑問 続き

福島県にある市民放射能測定所のコメの測定データが増えてきた。福島県が行った米放射能調査結果と比較してみる。

なお、同測定所の測定結果に放射性ヨウ素の値が記載されているものがあるが、コメが収穫されてから時間も経過しており、これは同測定所のサイトに注があるように、「Pb214のガンマ線(351.92kev)の寄与である可能性」が高いと思う。Pb-214(鉛214)は、ウラン238、ラドン222の子孫核種で、空気中のちりにくっついて常に存在しており、平常時にも観測されるガンマ線の源という。

まず目に付いたのは、福島市渡利産の玄米のセシウム134、211.00±42.00 セシウム137、248.00±50.00 Bq/Kg。誤差を考慮しないとセシウム合計で459Bq/Kg

福島県の本調査で検出された最高値、二本松市小浜町産の玄米470Bq/Kgに匹敵する。福島市渡利産の玄米では、他にセシウム134、76.20±15.40:セシウム137、96.00±20.30 Bq/Kg。さらに、4.07±2.34:3.76±2.76 Bq/Kgの検出例がある。この地区の除染活動の状況は知られている。

伊達市霊山町下小国産の玄米が、132.00±26.00:146.00±31.00 Bq/Kgで合計では278Bq/Kg。福島県の本調査では、伊達市小国村のセシウム計163 Bq/Kgが市内で最も高かったが、市民放射能測定所の測定結果はこれを上回る。

伊達市霊山町下小国産の精米では、48.40±10.60:55.60±13.00 Bq/Kg検出されており、伊達市霊山町上小国産のコメからも、7.57±2.67:11.20±3.60 Bq/Kg検出されている。

伊達郡川俣町飯坂産の玄米からは、19.50±4.90:25.50±6.80 Bq/Kg検出されているが、福島県の調査では、川俣町旧飯坂村の予備調査でセシウム計62 Bq/Kgが町内では最も高い値だった。

上にあげた高い測定値を除き、玄米、精米の別、誤差を考慮しないでセシウム134と137の合計値を計算し並べると次のようになる。左端は、福島市上野寺産のコメ。

全体としては、それほど高くないというべきだろうか。

福島県内に住む方にとって、汚染度の少ないコメが手に入ることは大変喜ばしいと思う。

ただ、この市民放射能測定所に持ち込まれる試料は、自家消費用がほとんどだと思われる。1件の測定に3千円要するのだから、業者が業務用、販売用のものの検査を依頼するとは思えないし、市民放射能測定所も検査の趣旨にそう書いてある。

当然のことながら、汚染が強いと見込まれるコメは、販売用に出荷されると見なければならない。福島のコメはおいしいそうだが、上のデータで安心するのは早計だ。

上のデータでも分かるように同じ地域の産米でも汚染度のブレは大きい。個々人の食生活の中で、総合的にセシウム摂取量が抑制されるように努めなければならない。

・・・・・

11/16、福島県が発表したところによると、福島市大波地区で生産された「コシヒカリ」から1kg当たり630ベクレルの放射性セシウムが検出された。コメは出荷前で、市場には流通していないという。

このコメは、福島市の生産者が26アールの水田で840kgを生産。地元のJA新ふくしまが玄米の簡易検査を行ったところ規制値を超えるセシウムが検出され、県が再検査を行ったという。

福島県が行ったコメの予備調査と本調査では、福島市内では、本調査で旧平田村のコメからセシウム計139ベクレル/kgの検出が最高値だった。

630ベクレルのコメ。やはり出たかというしかない。

関連記事:福島県米放射能調査結果に重大な疑問
米の放射能本調査結果 1
米の放射能本調査結果 2
米の放射能本調査結果 3
posted by ZUKUNASHI at 22:06| Comment(0) | 内部被曝防止
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。