さらなるM9クラスの地震に備える: ずくなしの冷や水

2012年01月11日

さらなるM9クラスの地震に備える

北海道大学地震火山研究観測センターの森谷武男氏が、2011/10/20、自身のサイトで個人的な見解として「VHF電磁波の地震エコー観測からふたたびM9地震が発生する可能性が高まっていること」を告知したが、世間は特に危機感を高めていないようだ。

森谷氏は、当初の発表文に、その後、「あくまでも森谷武男の個人的な見解」である旨の断り書きを加えている。

私のように森谷氏の告知を真に受ける者は、東日本がさらに甚大な被害を受け、東京の首都機能も喪失してしまいかねない、日本の破局としか言いようがない危機を思い浮かべる。

森谷氏が今回の告知に踏み切った理由は何だろう。同氏は1942年生まれだけからもうすぐ70歳。いたずらに世の中を迷わすようなことはしない歳だ。私は、彼の提示するデータを見て、予想が外れて学者としての評価を下げるリスクよりも、口をつぐんでいて本当に大地震がおきてしまったときの良心の呵責の方がよほど大きいと判断したのではないかと推測する。ひっそりと自身のサイトに掲載するという公開の手法から見ても、自らの研究成果の意義をいちかばちかで世に問うたということではなさそうだ。

今、福島第一原発で最も恐れられることは、大地震や津波が来て、原子炉ないしは格納容器、使用済み燃料プールの冷却が止まることであり、そうなれば再度の爆発を招くこともある。

また、4号機については、大きな揺れによって建物が崩れたら、使用済み燃料プールに入っている1,535本の燃料棒が大気中に露出し、燃え始めるという事態を招く恐れがある。

この危険については、外国の学者や専門家が繰り返し指摘しており、最近も「カレイドスコープ」の記事によれば、カナダの物理学者 ゴードン・エドワーズ氏が「使用済み燃料プールと、それを支える構造物が、想定し得る最も厳しい余震に耐えることができるようにすることは、緊急の要件です」と述べている。

もし、1,535本の燃料棒が大気中に露出し、燃え始めるという事態になったら、自衛隊も、消防も誰も手をつけられない。強烈な放射能で現場に接近することはもうできなくなる。最後に原始的な手段として、土砂交じりの水をコンクリートポンプ車で燃料棒の上に振りかけるようなことが効果があるのかないのか分からないが、そんなことすらできなくなるだう。

森谷氏は、「震源メカニズムが正断層である場合には海底地殻上下変動が大きいので津波の振幅が大きく巨大津波になる可能性も考えられます」としている。再び津波が襲ったら、前回の津波の被災地区がまた被災しかねないし、新たな被災地域も生ずる。

津波や揺れは怖いが、より怖いのはさらなる放射性物質の拡散だ。東日本を放棄せざるを得ない事態も想定しなければならない。

東京やその近郊がさらに汚染されれば、避難住民は日本の人口の1割を優に超えることにもなりかねない。

このように悲観的に考えれば、次なる大地震に備えるということは、避難の態勢を整えるということにならざるをえない。少しくらい水や食糧を備蓄しても気休め程度にしかならない。

しかし、実際に森谷氏の考察に沿った形で大きな地震が発生したとしても、規模や場所、時期、津波の有無に関しては当然幅がある。とにかく地震が来るにしても、できる限り被害が少ないことを願うが、大きな地震の後には大きな余震を伴うというのは、科学者のコンセンサスのようだから相応の備えは必要だ。

どんな準備をどこまでするか、そこは個人の判断というしかないが、放射能に対する感受性が低い私の場合は、電気、水、ガスが供給される限りは、自分の家で急性放射線障害と戦うつもりだ。だが、首都圏が放射能で強く汚染されれば、ライフラインがどこまで維持されるかおぼつかない。

ただちに健康に影響はないと繰り返している人たちが、東京を脱出し始めたら、さて、私はどこに行こうか。

以下は、12月、1月の風配図。まず水戸市。冬季の季節風の影響が強い。

千葉市。関東の平野部は、西から関東平野を吹き渡ってくる風の影響が強いが、千葉市では北北東の風の日もかなりある。

東京都。

宇都宮市。ここは少し東寄りだ。


常に空間線量の変化に気を配り、福島で次なる事故が起きたら、即刻逃げるのがいいが、逃げ遅れたらできればコンクリート製の建物内にとどまり、風向きを見ながら避難するのが良い。また、外国の機関が拡散予測を出してくれるだろう。国内の機関は当てにならないが。

・・・・・・

森谷武男氏の「VHF電磁波の地震エコー観測」の最新結果が見つかった。NPO法人のサイトに掲載されていた。次の図は、2011/12/31までのもの。一部10月末に欠測があり空白となっているが、このところエコーが減少過程にあることが分かる。森谷武男氏の説に従えば、大きな地震が接近中だ。

1/8のサンデースクランブルに森谷武男氏が登場。現在捕捉されている地震エコーの積算では、M9くらいになると見られ、この規模の地震が起きる場所は限られていて、推定される震源は、伊豆・マリアナの方にかかる領域とか房総(沖)の領域だろうとしている。そして、それが数ヶ月に迫っているとも。

2011/10月の当初予想では、「震央は宮城県南部沖から茨城県沖の日本海溝南部付近であろうと考えられます」としていたから、震源の予想が変わっている。

(初出 10/31、追記 11/3 2012/1/6 1/11)
posted by ZUKUNASHI at 17:30| Comment(0) | 福島原発事故
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