放射性物質降下量の読み方: ずくなしの冷や水

2011年10月05日

放射性物質降下量の読み方

10/3の東京新聞が『原発事故で全国各地に降ったセシウムの量』という表を掲載し、東京が千葉や群馬より多いと注目を集めているようだ。

これは、文部科学省が公表している「定時降下物」のデータを3〜5月分について集計したものだ。記事を見ていないが、伝えられた数値は正しいようだ。

次のグラフは、文部科学省が公表している「定時降下物」のデータ3〜6月分の月間合計を茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川について合計したもの。次の表の左からヨウ素131、セシウム134、同137で、放射性核種ごとに上の都県別に並んでいる。

確かに東京は、ヨウ素では栃木、茨城に次いで3位だし、セシウムでは栃木を抜いて2位となっている。

次は、3〜6月の月別の都県別降下量を見たもの。左から3月のヨウ素131、セシウム134、セシウム137、4月のヨウ素131・・・という順番で並んでいる。6月のヨウ素131は各都県ともに不検出だから省略している。横軸で10の箇所が抜けているのはそのためだ。

このグラフによると、3月の東京都の定時降下物が埼玉や千葉に比べて多いのが目立つ。4月は東京は千葉、神奈川とほぼ同じレベルとなり、5月には神奈川よりも低くなっている。

各都県の観測地点は、茨城県(ひたちなか市)、栃木県(宇都宮市)、群馬県(前橋市)、埼玉県(さいたま市)、千葉県(市原市)、東京都(新宿区)、神奈川県(茅ヶ崎市)。そして、各都県の測定精度の違いも小さくない。東京都はこれらの都県の中でも測定精度はトップクラスのはずだ。なにしろ、単位はMBq/km^2だから降下物が少なくなれば強く息を吹きかけただけで値が変化しかねない。

測定精度が低く、検出限界が高いと不検出が多くなり、検出精度が高いと日々の小さな数値まで拾って合計では大きくなると考えられるが、東京都が高いのは、そのような理由だけによるものでもなさそうだ。

各都県のセシウムの降下状況はまばらだから、この値をもって全体を判断するのはなかなか難しい。千葉の市原市は東葛飾地域から遠く離れているし、群馬県は北部の山間地帯の汚染が激しい。栃木県も宇都宮市より離れた県北の汚染が激しい。

ただ、東京を取り巻く周辺の県は、どこも平均的には東京都と同程度に放射性物質の降下があったと見て間違いない。

福島県は、(6月6日9時〜6月7日9時)〜(8月3日9時〜8月4日9時)約2ヶ月間の都道府県別環境放射能測定(定時降下物)の測定結果に誤りがある旨文部科学省に報告し、同省は2011/9/2訂正数値を発表している。10〜20倍高く修正されており、定時降下物の測定結果の信頼性に疑念を抱かせる。次は、日々雑感のボストの見出し。とてもうまい。

福島県「ごめ〜ん!環境放射能測定(定時降下物)の放射能測定結果、だいぶ間違ってた。本当はもっとヒドイから(´^з^)」

宮城県は、震災による被害で測定ができないとし、まったくデータがない。
posted by ZUKUNASHI at 13:42| Comment(0) | 福島原発事故
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