プルトニウム、ストロンチウムの検出量: ずくなしの冷や水

2011年10月01日

プルトニウム、ストロンチウムの検出量

2011/9/30、文部科学省がプルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果を公表

1 調査の概要
福島第一原発から概ね100km圏内の約2,200箇所で各箇所5地点程度表層5cmの土壌を採取。これらについてガンマ線核種を分析し、さらにアルファ線、ベータ線核種の沈着状況を確認するため100箇所(各箇所1地点)でプルトニウムとストロンチウムの核種分析を実施。

100箇所の選定は、福島第一原発80km圏の59市町村について市町村内の空間線量率と人口の積が大きな箇所を中心に選定(59箇所)。41箇所は警戒区域等の市町村から福島第一原発から全方向に一様になるように選定。

プルトニウム238、239+240の検出限界値は約0.5Bq/m^2。239と240は検出時の区別が困難なため一括して測定。

ストロンチウム89、90の検出限界値は、89が約300Bq/m^2、90が約40Bq/m^2。

2 結果の概要
プルトニウム238、239+240、ストロンチウム89、90の沈着量の最高値が検出された各箇所における50年間積算実効線量は
プルトニウム238:0.027mSv、プルトニウム239+240:0.12mSv
ストロンチウム89:0.61μSv、ストロンチウム90:0.12mSv。

この調査において確認されたプルトニウム238、239+240の沈着量は、福島第一原発事故発生前に全国で観測されたプルトニウム238、239+240の測定値の範囲に入るレベル。

この調査結果から、放射性ストロンチウムおよび放射性セシウムの沈着量の分布は大きくばらつき一様でないことが確認された。ストロンチウム90が検出された土壌試料におけるセシウム137に対するストロンチウム90の沈着量の割合は、1.6×10^-4〜5.8×10^-2。

プルトニウムの検出例(マップの数字が小さく不鮮明なため読み取りミスの可能性あり)
238/239+240:4.0/1.8、2.3/1.8、0.82/2.5、0.77/0.6、0.55/0.66、ND/15、0.57/ND
(コメント:福島第一原発事故に伴い新たにプルトニウム238、239+240が沈着したと考えられ箇所は福島第一原発から概ね50kmの範囲にある)

ストロンチウムの検出例(マップの数字が小さく不鮮明なため読み取りミスの可能性あり)
89/90:22000/4800、17000/5700、16000/3700、7800/2400、7800/2000、2400/600、2100/500、820/220、ND/150、ND/40
(コメント:福島第一原発事故に伴い新たにストロンチウム89、90が沈着したと考えられ箇所は福島第一原発から概ね80kmの範囲にある。郡山市720/190、白河市500/130、石川町520/240、鮫川村820/220、国見町340/80、相馬市7800/2400、宮城県白石市1100/250) 

以下コメント

A ストロンチウムの降下は、セシウムの降下状況と大きく異なり、市町村別の空間線量率の分布からは推定できない。例えば、福島県石川町は私の調べた市町村の測定値は一つだけで0.12μSv/h、文部科学省による航空機モニタリング結果では0.2〜0.5μSv/hだが、空間線量率がより高い白河市と同等以上のストロンチウムが検出されている。一方、白河市の北に位置し、空間線量率が高い須賀川市は、ストロンチウムはND/77となっている。

B ストロンチウムが、どんなタイミング、どんなルートで飛散、降下したのかは、まだ分かっていない。

C この結果から、少なくとも福島第一原発から概ね80kmの範囲で栽培された作物はストロンチウムを吸収している危険性が高いと言うことになろう。作物のセシウム吸収の条件は多様に書いたように、植物はカルシウムとストロンチウムを区別できない。

文部科学省の資料では、IAEAの基準で50 年間積算実効線量を計算し、セシウム134、137のそれよりもはるかに小さいとしているが、これは主に外部被曝を計算したものであり、食物を通して摂取した場合の影響とは異なると思われる。
posted by ZUKUNASHI at 10:46| Comment(0) | 福島原発事故
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