我が家の食品調達方針: ずくなしの冷や水

2011年09月08日

我が家の食品調達方針

コメの放射能検査の結果を待っていたが、不検出がずらりと並ぶ。これが1ベクレルまで測った結果ならこんなにめでたいことはないと思うが、検出限界が意図的に高く設定されている疑いが濃厚で、検査結果は、まったく信用できない。

セシウム134とセシウム137のそれぞれについて検出限界20ベクレルということでは、セシウム合計で39ベクレルまで不検出と表示されることがあるということだ。

野菜なども同じ。JTの調査結果で値は低いものの、葉タバコからセシウムが検出されており、葉タバコと同じエリアで栽培される野菜も、同程度のセシウムを含むと考えなければならない。

これからも食品検査の検体数は増えそうもない。機械は高価だし、検査に人手もかかるわけだから市場に出回る農産物すべてを検査することは無理なのだが、それでは農産物・食品選択のてがかりがない。

私は、リスク管理の観点から、県単位で産地を区分することにした。リスクを少なくするには、汚染度の高い農産物を購入しないようにすることが必須。汚染度の高い農産物が生産、出荷されそうな産地のものを避けなければならない。

「汚染度の高い農産物が生産、出荷されそうな産地」とは、私の考えでは、空間線量率が高く、土壌の汚染が高いと見込まれる産地だ。

私が収集した「自治体の測定した空間線量率」は、自治体の行政区域全体の中での空間線量率の最高と最低を拾ったものだ。

市町村の区域の中で、1箇所飛び抜けて高いところがあったとしても、その市町村の産物がすべて高度に汚染されているということにはならない。しかし、その市町村の農産物を購入していれば、その強く汚染された場所の農産物を購入するリスクがある。

量販店における農産物の産地表示は、市町村名、生産者名まで表示されているものもあるが、それよりも細かい情報は入手できない。市町村名が表示されていれば、その情報はもちろん選択の参考にできるが、市町村名を表示してあるものはごく一部だ。

しかし、県名は、量販店によっては、ほとんどの野菜等に表示されている。県名を選択の基準とするしかないだろう。

次の表は、「自治体の測定した空間線量率」から県別に最高値と最低値を拾ったものだ。

どの県でも、最低値は、自然放射線量に近い値を示しているが、問題は最高値に近い場所で栽培された野菜やコメを食さないようにするということに尽きる。

この表に掲げた県のいくつかは、消費者に安全な食べ物を届けるという意識が希薄なのではないかと疑われるところもある。

福島県は、「食べて応援しよう」、「地産地消」の掛け声が強い。応援することは吝かではないが、汚染された食物で体調を崩すのはごめんだ。

宮城県知事は、8/22の会見で、(500ベクレル以下なら)「健康上全く問題のない数値であるわけですので、詳細な数値を出したところで消費者の皆さんは理解ができないわけでありますから、安全か安全でないかということだけはっきりと証明すれば十分だと思っております。正式には、牛肉の放射性物質検査結果通知書といったような形で添付をしたいと考えております。500ベクレル以下であるということであります」と述べているほどの無理解ぶりだ。

栃木県は、宮城と同じく一部に濃厚汚染地帯があるが、出荷された腐葉土が驚きの高濃度汚染で返品の山を築いた。観光地も空間線量率が高いが、県がどう対処しようとしているのか、姿が見えない。

茨城県は、空間線量率モニタリングシステムも整い、JCO事故の経験もあって見識はあるはずだが、穀倉地帯がこれだけ広範に汚染されると打つ手がないのだろう。同情に堪えないが、農産物は遠慮せざるを得ない。

千葉県は、初期の野菜出荷自粛措置などで混乱が見られた。コメの検査ではすべて不検出となっており、適切に検査しているのか疑問なしとしない。

群馬県は、山間部の汚染が強い。森林公園でのイベント前に除染を行うなど努力は認めるが、農産物の検査件数が少ない。

埼玉県は、空間線量率の計測がきちんと行われているのか、やや疑問がある。狭山茶の安全宣言問題で、同県の食品安全に対する姿勢は、信頼を失った

岩手県は、関係市町村が汚染の強さを指摘した者に反発するなど、対処の方向を間違えている。私がデータを集め始めた段階では、岩手の汚染は強くないという印象だったが、次第に汚染地域が広がっているのも懸念される。

やはり、これらの県、上の表の黄色く塗った県の産物は敬遠せざるを得ないだろう。そういう割り切りでもしないと買い物担当者は面倒でやっていられないと思う。

一方、黄色に塗らなかった県でも懸念はある。新潟県は、魚沼地方が少し空間線量率が高い。評価の高い魚沼米が影響を受けていないのか、そして、阿賀野川の水を使っている穀倉地帯のコメが汚染されていないか、気になるところだ。

山形は、米沢市、山形市の空間線量率が少し高い。庄内のコメはリスクは低いのではないかと思うが。秋田も概して空間線量率は低く、今年は、秋田産キュウリなどが大手スーパーに出回っていた。

コメについては、あらかじめ購入してもよいと考える産地を絞っておき、JAの集中精米工場で精米、袋詰めされたコメを買うのがいいだろけう。比較的産地偽装の恐れが少ないと思う。このようなコメは、栽培された地域も表示されていることがある。

産地選択には、右手のリンクに掲げた「自治体の測定した空間線量率の最大値の分布(地図画像1200×1710px)」が参考になるだろう。

最後に一言、家族の内部被曝の抑制のため、日々、孤立無援でも頑張っておられる若い母親に声援を送ろう。食べ物の安全のために一人苦労していると考えるのは、大きな間違いだ。もし、他の住民も意識が高く、先を争って汚染の少ない野菜などを求め始めたら、モノは不足し価格は高騰するだろう。今は、先発者の利益を享受しているわけだ。見えないところで、あなたと同じ努力をしている人は大勢いる。
posted by ZUKUNASHI at 19:54| Comment(0) | 内部被曝防止
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