厚生労働省は9/2、国立医薬品食品衛生研究所が8月上旬に購入した埼玉県産の製茶から1キログラム当たり1,530〜800ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。千葉県産の製茶からも同2,720ベクレルを検出した。
この発表で、埼玉県は県庁内に掲出してあった「狭山茶は安全です」との張り紙を急遽撤去したという。
埼玉県は、お茶の高度汚染の危険性を知りながら、検査に消極的な姿勢をとり、安全宣言まで出していた悪質な実態隠蔽、誤宣伝を続けた疑いが濃厚だ。
各種報道によれば、2011/7に、都内で購入した狭山茶から439ベクレルの放射能が検出(7月 OurPlanetTV)されているし、同じく2011/7の市民団体の検査では、狭山茶一番茶の煎茶から1,319ベクレルが検出されている。
埼玉県内では、狭山茶は独自の地位を占める。埼玉県は、一部製茶業界の利益のために県民の健康が犠牲になってもよいと考えたということだ。
千葉県産製茶についても、厚生労働省の検査で高い値が出ているが、同県産茶についても、八街市産茶の抽出液から 31ベクレル、勝浦市産荒茶から2,300ベクレルの放射能が検出されたと報じられていた。
埼玉県の例は、農産物の放射能汚染に関する自治体の姿勢を端的に表している。
汚染検査には後ろ向き、検体数はしるしだけ。民間の調査などで汚染が判明しても無視。それにもかかわらず、安全性は強調する。そもそも埼玉県による野菜などの汚染調査件数は少な過ぎる。空間線量率の調査でも、東京都23区隣接地帯などは埼玉県内の市町村の値には落差があり、きちんと測定しているのか疑問なしとしない。
3月11日を境に世界が一変したのだが、世の中のパラダイムや道徳も一変した。公益企業、政府、自治体、学者が嘘をつきく続け、ばれてもなんら悪びれるところがなく、政府が悪いと責任転嫁。
埼玉県当局を、不当表示で立件すべきだ。
食品汚染の最大の問題はコメ。埼玉県の姿勢は、すべての地方自治体と政府に共通すると見なければならない。さて、どう自衛策を講じるか。少し考えなければならない。
岩手県一関市の市長は、9/6、テレビ番組で中部大教授の武田邦彦氏が一関市を挙げて「東北の野菜や牛肉を食べたら健康を壊す」などと発言したことに関し、取り消すよう抗議のメールを送ったことを明らかにした。「農家の感情を逆なでする非常識な発言である」とのコメントも発表したとのこと。
岩手県一関市が測定した市内の空間線量率は、0.46〜0.28μSv/h。千葉県柏市などと同等レベレルだ。個人的には柏市産の農産物は避けているが、柏市も一関市もその市内で生産された農産物の放射能汚染状況を詳しく把握し、公開していないのだから、反発する資格はない。
岩手県内では、市町村が測定した市内の空間線量率の最高値が、奥州市 0.55、一関市 0.46、平泉町 0.33、藤沢町 0.29となっており、若い女性や子供は場所により避難を考えるべき汚染状況だと思う。
根拠のない安全宣言や安全性に関する懸念封じは、時間の経過とともに逆効果となる。奥州市、一関市産の農産物は、ネガリストに載せなければならないことがはっきりした。
2011年09月07日
食品安全宣言の大嘘 埼玉県
posted by ZUKUNASHI at 08:48| Comment(0)
| 内部被曝防止
この記事へのコメント
コメントを書く