被害額と復興 1: ずくなしの冷や水

2011年04月22日

被害額と復興 1

政府は3/23、東日本大震災で損壊した道路や港湾、住宅、生産設備などの直接的な被害額が16兆〜25兆円にのぼるとの試算をまとめた。1995年の阪神大震災の9.6兆円(政府試算)を上回る。今回の政府試算は住宅や社会資本をはじめとする構造物が対象で、企業が倉庫などで保管している製品在庫や個人の家財道具などは含んでいない。また、東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質による汚染や、計画停電に伴う経済活動の損失といった間接的な被害額は入っていない。(011年3月23日10時26分朝日)

リスク分析モデル開発会社の米リスク・マネジメント・ソリューションズは、東日本大震災による経済的損失は合計2000億−3000億ドル(約16兆 2500億−24兆3700億円)に上るとの試算を示した。損害額には津波による被害と避難の費用、電力供給の乱れと企業の事業中断によるコストを含むという。(2011/03/22 00:11 ブルームバーグ)

ロンドンの世界エネルギー研究所は3/21、東京電力福島第1原発など東日本各地の原発が停止した影響で、日本の石油消費量が少なくとも約6.8%増加するとの試算を発表した。不足する電力を石油を原料とする火力発電で補うと、日量30万バレルの石油が追加で必要になるとした。国際エネルギー機関によると、2010年の日本の石油消費量は全体で日量442万バレル。IEAは日量約20万バレルの石油が追加で必要になると試算している。(2011.3.21 23:41 共同)

政府・与党は子ども手当などマニフェスト施策の一部撤回に踏み切る方針だが、それだけでは「10兆円規模」(民主党幹部)ともされる必要額に遠く及ばない。新規国債の大量発行による財政の一段の悪化を避けるため、所得増税など時限的な特別増税案も浮上している。(2011/03/23-20:37時事)

菅首相は、2011年度第1次補正予算編成に向け、財政支出2兆〜3兆円規模を軸に調整する。4月中の編成、早期成立を目指、民主党マニフェストを大胆に見直す方針を打ち出す。財源については2011年度予算の予備費1兆1600億円を活用するほか、主要政策の削減などで極力捻出する構えだが、最終的に赤字国債発行に頼らざるを得ないとの見方が大勢。

第1次補正は、被災者の仮設住宅建設やがれきの除去作業が中心。被災自治体の財政支援も課題となる。政府、与党は6月ごろにも第2次補正予算を編成する方針。(2011/03/29 19:11共同)

民主党が東日本大震災の復興財源を確保するために行う新年度予算の歳出見直し案が明らかになった。子ども手当増額のとりやめや国家公務員の給与削減などで計5千億円を捻出し、4月中の編成を目指す第1次補正予算案の財源にあてる。

見直すのは、3歳未満の子ども手当の7千円増額分(2100億円)▽高速道路無料化の社会実験(1200億円)▽国家公務員の給与(1500億円)▽原子力発電所新設のための周辺地域整備(500億円)▽国会議員歳費(25億円)の計5300億円。法人税5%引き下げの撤回をはじめ、税制改革の修正でも4千億円強の増収を見込んでおり、最終的に計1兆円を確保したい考えだ。 (2011年3月30日7時42分朝日)

政府が東日本大震災の復旧・復興に向けて検討している基本法案の素案が31日、明らかになった。5年間を「集中復旧復興期間」と位置付け、・・略・・復興財源を確保するため、復旧復興特別税の創設や震災国債の発行、日銀引き受けの検討を打ち出した。首相を本部長に全閣僚で構成する復旧復興戦略本部を設置。震災復興担当相の下に復興庁の新設も明記した。

被災者の生活再建の支援に向けては被災者生活再建支援法に基づく支援金の上限を現在の300万円から引き上げる。水没した被災土地の買い上げや、集落の集団移転による街づくりを検討する。 (2011/3/31 14:00日経)

民主の復興法案原案のポイント(2011年4月1日3時0分朝日から抜粋)
・震災の被害額を16兆〜25兆円と試算。
・法人特別税、特別消費税、社会連帯税(被災地以外の人の所得税に一定割合を上乗せ)の創設検討
・震災国債(被災世帯の住環境整備や生活再建支援、道路・河川・公園・下水道、農水施設、社会福祉施設などの復旧財源)の発行と日銀の引き受けを検討。
・水没した土地や原発事故で住めなくなった土地の買い上げの検討
・「復旧復興交付金」を創設し、市町村が設ける復旧復興基金に拠出金を出すことも検討。
・集団移転を後押しするとともに「移転が完了するまで被災世帯の『人々の絆』が保たれるよう努める」と強調。
・津波被害を受けた地域の土地所有権の内容や範囲、売買に特別な制限を課すことも検討。
・エネルギー政策では「原子力に依存しているエネルギー政策を見直す」と明記。
・復旧復興の第1弾として、4月中に2011年度の第1次補正予算案を編成、2兆〜3兆円規模とし、大部分を赤字国債で賄う方針だ。

菅直人首相は13日、松本健一内閣官房参与と官邸で会談した。松本氏は福島第1原発周辺の居住が長期間困難になった場合の移住先として、内陸部に5万〜10万人規模のエコタウンを建設する構想を提案。首相は賛同した上で「市の中心部は、ドイツの田園都市をモデルに考えたい」と述べた。

松本氏は会談後、首相が福島第1原発周辺の避難区域に関し「当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか、ということになってくる」との認識を示したと記者団に紹介したが、その後「首相はそんなことを一言も言っていない」と修正した。(2011/04/13 19:42 共同)

福島第1原発周辺の避難区域の将来的な居住可能性について、首相発言の真偽に関し、そのような発言があれば問題とする声が強いが、20年、30年住めないのは間違いないだろうし、そういうところに住まわせるべきではない。マスコミの議論は、客観的な現実から目をそむけた感情論のように聞こえる。

福島県の佐藤雄平知事は同日夜の県災害対策本部会議で「私どもは(被災者に)一日も早くふるさとに戻ってもらいたいと思って苦労しているのに、信じられない」と不快感を表明したとのことだが、津波の被災地区と原発事故の被災地区とでは事情が違う。


川崎市が東日本大震災で出たがれきなどを受け入れる方針を表明したことが波紋を広げている。「放射能で汚染されたごみが持ち込まれる」などとする情報が一部で流れたため、市には14日までに合計3000件近い苦情や問い合わせが相次いだ。市環境局は「放射能を帯びた廃棄物は移動自体が禁止されており、市で処理することはない」と説明。市民らに冷静な対応を呼びかけている。(2011/4/15 3:00日経)

政府は22日、東日本大震災の被災地の復旧対策を中心とする2011年度第1次補正予算案を閣議決定した。財政支出額は4兆0153億円で、がれき撤去や仮設住宅整備、ライフライン復旧などの費用を盛り込んだ。財源には、基礎年金の国庫負担割合(2分の1)を維持するための2兆4897億円を流用するほか、民主党のマニフェスト(政権公約)施策を含む歳出見直しなどで確保。厳しい財政状況を踏まえ、国債発行は回避した。(2011/04/22-08:44 時事)
posted by ZUKUNASHI at 09:14| Comment(1) | 震災復興
この記事へのコメント
今回の東日本大震災。
目を覆うばかりの惨状が
毎日のように綴られております。
胸が痛いですね。

原発は人災でしょうが、
政府と東電には
事の経緯を明確にしてほしいものです。
被災された方が浮かばれません。
Posted by 九州@55 at 2011年03月23日 11:29
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