農業被害 1: ずくなしの冷や水

2011年03月23日

農業被害 1

枝野官房長官は3/19午後4時頃の記者会見で、福島県内の牛乳1検体と茨城県内のホウレンソウ6検体から暫定基準値を超える放射線量が検出されたことを明らかにした。

牛乳が取れた場所は、福島第1原発から30キロ強の距離、ホウレンソウは高萩市産だという。専門家は、この程度の放射能であれば健康への悪影響はないとする者もあれば、値が高いものは食べないほうがいいと思われるとの見解を示す者もある。いずれにしても、葉物野菜は、よく洗えば放射能値は下がるとのこと。

暫定基準値を超える放射線量を示した原因の汚染物質は放射性ヨウ素のようだから半減期は短く時間の経過とともに急速に減衰するが、福島原発からの放射性物質の拡散が止まらないとさらに暫定基準値を超える食品が発見されるかもしれない。

暫定基準値を超える野菜が特定産地のホウレンソウだけにとどまっていれば、余り心配はないだろうが、暫定基準値を超えるものが増えると懸念が高まるだろう。

東北電力女川原発のモニタリングポストの計測値は上がっていない。

東海第二発電所の放射線監視状況、モニタリングポスト(A)のトレンドグラフ。単位は、線量率(nGy/H) 。こちらも数値は低下傾向と読み取れる。

北関東の海岸近くの風は、ここ数日海に向けて吹いているが、この1週間に降下した放射性物質の影響が出てくる可能性がある。

3/19昼頃近くのスーパーを覗いたら、ヨーグルトは一人一個限りと書いてあった。トイレットペーパーを4パックも抱えている人もいた。食品については、さらに混乱が深まりそうだ。

政府は、ホウレンソウやコマツナなどの葉もの野菜については、茨城、福島両県全域、原乳については、福島県全域で出荷停止を検討している。厚生労働省は今後、検査地域や対象品目を拡大し、安全性の確認を急ぐ方針だ。(2011/3/19 20:49 読売)

茨城県の発表資料によると、ホウレンソウの放射性ヨウ素と放射性セシウムの測定値は次の通り。
高萩市 ホウレンソウ 15,020___524
日立市 ホウレンソウ 14,500___359
常陸太田市 ホウレンソウ 8,830___374
大子町 ホウレンソウ 6,100___478
東海村 ホウレンソウ 9,840___233
ひたちなか市 ホウレンソウ 8,420___140
県北の高萩市だけでなく、水戸市に近いひたちなか市でも検出されている。高萩市では放射性セシウムも暫定基準を超えている。大子町は栃木県県境にある。

3/20、茨城県は北茨城市で3/18採取したホウレンソウから、1キロあたり2万4千ベクレルの放射性ヨウ素131を検出したと発表した。放射性セシウムも暫定規制値を超える同690ベクレルを検出。(2011/3/20 14:33 朝日)

上の東海第二発電所の放射線監視状況、モニタリングポスト(A)のトレンドグラフは、3/20、午前0時現在では横ばいないし低下だから放射性物質がさらに降下しているという状況ではないようだ。バックグラウンドの値としてこの水準で落ち着くことを祈る。

茨城県は3/19、ハウス栽培も含め県内全域で取れるホウレンソウすべてについて、JAなどを通じて出荷自粛を要請したことを明らかにした。(2011/3/20 朝日)

これからイチゴの旬。主産地の栃木県が心配だ。

3/20、文部科学省は3/18午前9時から24時間に降った都道府県の雨やちり、ほこりなどを検査した結果を発表。1平方キロ当たりの検出量はヨウ素が
栃木1300メガベクレル、
群馬230メガベクレル
東京51メガベクレル
埼玉64メガベクレル
千葉21メガベクレル
山梨175メガベクレル
栃木と群馬では放射性セシウムも検出されている。(2011.3.20 13:01サンケイ)

既に放射性物質が上空に舞い上がっていて、移動、拡散しつつ降下しているものと見られる。

栃木県は3/20、県産ホウレンソウとかき菜から暫定規制値と同じか上回る数値の放射性物質が検出されたため、それらの出荷自粛と出荷分の自主回収を農業団体に要請した。(2011/03/20-21:15時事)

東京都は3/20、築地市場経由で都内に流通した千葉県旭市産のシュンギクから、暫定規制値の2.15倍にあたる4300ベクレルの放射性ヨウ素を検出したと発表した。(2011年3月20日22時24分朝日)

群馬県は3/20、県内産のホウレンソウとかき菜から国の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたと発表した。伊勢崎市産のホウレンソウからは国の暫定規制値を約3割上回る2630ベクレルのヨウ素が検出された。高崎市産のかき菜から見つかったセシウムは555ベクレルと暫定規制値を約1割上回った。(2011/3/20 23:04日経)

放射性物質による汚染は、主として放射性ヨウ素だから、さらなる放射性物質の環境への放出が抑えられれば、暫定規制値を超える野菜は次第に減っていくのではなかろうか。


政府は、3/21、規制値を超える放射性物質が検出された農産物について、福島、茨城、栃木、群馬の4県に対して、原子力災害対策特別措置法に基づいて、県単位で出荷停止を指示した。指示対象になる品目は福島、茨城、栃木、群馬の各県産ホウレンソウ、かき菜と、福島県産の牛乳。出荷停止期間は「当分の間」としている。(2011年3月21日17時20分)

文部科学省は3/21、3/20朝から24時間の雨やちり、ほこりなど降下物の検査結果について、雨の影響で、放射性のヨウ素やセシウムの量が大幅に増えた地域があったと発表。(2011/03/21 22:57 共同通信)

農産物は雨で放射性のチリが洗い流される面があると同時に、放射性のチリを含んだ雨が降った恐れもあり、検査結果が注目される。

3/21、世界保健機関は、福島原子力発電所の事故後に一部食品から基準値を超える放射性物質が検出されたことについて、「深刻な状況であることは、極めて明らか」と述べたうえで「われわれは最初の数日間は、こうした種類の問題は20〜30キロ圏内に限定される可能性があると考えていたが、状況はそれよりもずっと深刻なものだ」との見解を示した。(2011年03月21日 19:04 ロイター)

3/22、文部科学省が発表した3/21の環境放射能水準調査結果によると、データのない福島、宮城を除いて、最も高いのが茨城県(水戸市)、次いで栃木県(宇都宮市)、東京都(新宿区)、埼玉県(さいたま市)、山形県(山形市)、千葉県(市原市)、群馬県(前橋市)などとなっており、直線距離ではさいたま市と変わらない新潟市のレベルは低く、3/21現在ではここ数日の北風の影響が強かったことがうかがわれる。

農家の方は、この先どうしたものかと悩んでおられるだろう。下は、東北電力女川原発のモニタリングポストの計測値の推移。ここ1週間ほど北風が吹いているため福島原発より北にある女川原発の計測値はゆっくりとしたペースながら低下している。この図は、3/12から3/22まで約11日間の推移。放射性物質の環境への放出が止まれば、放射能は確実に下がる。状況の改善をお待ちいただくしかない。


厚生労働省は3/23未明、福島県内で採取されたホウレンソウや小松菜などの葉物野菜やブロッコリーなどから、暫定規制値を大きく上回る放射性物質が検出された、と発表した。政府は3/23にも、原子力災害特別措置法に基づき、同県産の葉物野菜やブロッコリーなどについて、出荷制限に加え、摂取制限の措置をとる方向で検討する。 (2011年3月23日3時29分朝日)

当然のことながら福島原発を中心に、より近いところほど放射性物質がより多く降下しているようだ。そして、拡散の過程で風向きや雨の具合などによって濃淡が生じているように見える。

posted by ZUKUNASHI at 07:48| Comment(0) | 震災関連農業被害
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。