2010年01月19日

最近の世の中 4

「最近の世の中 3」で挙げたような変化は、個人的な現象論、感覚論だが、その背景にはもっとはっきりした大きな変化がある。

@ 国際化、ボーダレス化
最近、私が買う製造業製品の99%が中国製だ。(100円ショップでしか買わないからということもあるのだろう)

家でも、外国製食品の進出が顕著だ。コーヒーは米国スーパーのストアブランド、菓子類も米国製(大味でも、実質的で腹の足しになる)、パスタ類はまだ日本メーカーのものが多いが、トマトの缶詰はすべて輸入物に変った。調味料も、味噌醤油よりもコンソメなどの消費が多い。

スーパーなどで中国人留学生の働く姿を良く見る。日本の4年制大学に通う中国人留学生が得た所得は、手続き踏めば免税となる。中国人留学生や日本人と結婚して永住する外国人は日本語がうまいし、日本社会のことをよく知っている。

A 開発途上国の経済発展
中国をはじめとする途上国の経済発展が目覚しい。市場急拡大で、競争も激化。日本製品がおしなべて競争力が強いとはいえなくなっている。今の私の購買基準と同じで、最先端の技術の粋を集めたもの、デザインが斬新なものでなくとも、本来の機能がきちんとしていれば、安いものでいい、という消費者の割合が高くなっているはずだ。

B 資源価格の上昇
途上国の経済発展で資源需要が増大、価格は上昇傾向を強めている。かつては、先進国が世界の資源を割安で入手できる構造になっていたが、途上国の資源ナショナリズム、数次のWTO交渉を経て、そんな体制も崩壊してしまった。

資源価格上昇は、日本の交易条件を悪化させるが、ここ十数年は歴史的な円高進行過程にあったことから、資源価格上昇の影響はそれほど強く出なかったのではないかと思う。

C 日本の少子高齢化
日本の輸出企業は、開発商品をまず国内市場に投入し、開発資金を回収しつつ、海外市場の需要動向を見ながら、輸出を伸ばしてきたといえるだろう。車にしても、電気製品にしても、まずは国内市場だった。

しかし、食べ物でも何でも一人当たりの消費が増えなければ、少子高齢化で全体の需要は減っていく。もちろん、単身世帯の増加などで洗濯機やテレビ、調理器具などは人口が頭打ちした以降も台数は伸びてきたのだろうが、今は更新需要だけだし、近隣諸国の低廉な製品の流入もある。

単身者向けのアパートは、廊下に洗濯機が備え付けられていることもあるが、ずらりと韓国製の洗濯機が並んでいるような例も珍しくない。

食料消費に関しては、少子化高齢化の影響をまともに受けるはずだが、日本に滞在する外国人の数が増えているから、全体としては、それほどの減少にはなっていないのかもしれない。

高齢者は、ハイテク製品は苦手だ。若年層のように携帯電話を次々と新型に買い替えるようなことはない。

D 賃金の内外格差をはじめとする生産要素価格の割高
日本国内での生産コストが高いから、工場が海外に流出し、国内産業の空洞化が言われて久しい。土地、人件費、無駄なダムで貯められた水なども割高なはずだ。

高速道路料金などは引き下げの方向にあるが、地価は地方の人口減が顕著な地域を除き、それほど大きくはない。もともと、土地利用型の産業は、農業を始めとして日本では比較優位がないことははっきりしている。石油や天然ガスは、輸入インフラが整備されているからそう割高ではないだろう。

規制緩和で、生産要素のうち、何の価格が一番下がったか? 電気料金でも、ガス料金でもない、タクシー料金でも、トラック輸送運賃でもない。規制緩和の結果、最も下がったのは、人件費、賃金だ。

この点で、人材派遣会社は多大な貢献があった。3,000人の職員で15,000人の派遣職員を擁する会社もあったほどで、ただでも安い賃金から一部が派遣会社の管理費に充当されたわけだから、派遣で働く者の賃金の低下は激しい。

そして、派遣制度の弊害が指摘され始めた今、パートやバイト賃金は、最低賃金にさや寄せしてしまった。賃金単価の高い中高年はリストラされ、単価の低い若い人に置き換えられた。

大企業でも、希望退職募集がさかんに行われた。ここ1、2年の間に新しく雇用された従業員に「定期昇給」があるのか、私は期待できないように思う。逆に、契約期間の満了を機に、より若い、安い労働力に置き換えられる心配が残るではないかと思う。

E モノ、サービスの競争激化、広域流通化
電気製品も、メーカーの乱立状態は終わり、選択と集中の名のもとに製品のいくつかの分野から撤退する企業も相次いでいる。衣類、外食なども大型チェーン店が市場を席巻しつつある。流通経路では

港・工場 → 臨海部の大型倉庫・流通センター → 専用車両による納品 → 大型店舗、チェーン店での販売

という形があらゆる分野に浸透している。個人営業のすし屋、蕎麦屋、中華屋、八百屋、魚屋などは廃業が続いている。サービス業では、理髪店、美容店がやはり売上げ減に直面している。

公取委の摘発は絶えないが、かつてのカルテル体質は、かなり弱まっているように思う。建設会社や官公需受注企業の談合は、発注側がそれを望む場合は別として、ほぼ壊滅状態となり、下請けの企業は受注の減と採算割れで姿を消していったところも多い。

F 財政赤字の累積拡大
これまで、経済状況による打撃を緩和してきたのが財政支出だが、これも財政赤字の累積で限界に来た。新政権が「控除から手当」へと詠うが、これとて財源確保が大問題だ。子ども手当の消費刺激効果は、疑いないところだが、他方で増税があれば、全体としては効果が削られてしまう。

いったい、どうなるのだろう。
posted by ZUKUNASHI at 15:15| Comment(0) | 社会・経済
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