バフムート陥落すればゼレンスキーに後はない: ずくなしの冷や水

2023年03月31日

バフムート陥落すればゼレンスキーに後はない

バフムートの戦いでは市の中心部にある市役所が攻防の最中だそうです。

バフムートの西では、塹壕など戦闘の準備をした要塞がないようです。ここを超えられるとあとは周辺の都市的な地域で市街戦をやるしかないのではないでしょうか。

ここ数日、衛星から観察した閃光の発生個所が多くなっています。個別に場所を調べるとほとんどが鉄道の沿線の森の中や畑の中。カルパチア山脈の東側でも見られます。

これらの地点は、外国から搬入した武器の一時滞留地点ではないかとみられます。ザポロジェでは倉庫に格納した戦車10台ほどが破壊されており、野原に分散しておいたほうが発見されにくいと考えたのではないかと思います。

クリミアでも閃光が見られます。ドローン攻撃も行われているのかもしれません。

外国から供与された武器で春の大攻勢をかけるというウクライナの計画は実行性が乏しいです。

ウクライナ戦争は、ロシアと米国の戦いですから、米国が最後の一人まで戦わせる方針を維持する限り、ゼレンスキーには停戦の機会すら与えられません。

それで頼りにするのは、中国の習主席との会談で仲介を引き出したいということでしょう。仲介の動きは、米国の強硬姿勢を撤回させられるのではないかとの望みがあるのだと思います。

スコットリッターは、バフムートを失うことにより敗戦確定、ゼレンスキー失脚との見方をしていますが、ゼレンスキーが国外逃亡するにしても、少し先になるのかもしれません。ロシアは、ゼレンスキーを相手に停戦の交渉をまとめたいとの考えがあります。政権が混乱状態になると停戦を取り決める相手がいなくなります。

ロシアは、オデッサ地方まで占領するだろうという推測も流されましたが、今のところその動きはありません。ドニエプロ川を挟んだ東側がロシア領となるのではないでしょうか。

ポーランドは、ウクライナの西部について領土的野心を示していますが、これはおそらく実現しない。

トランスニストリア、沿ドニエストル共和国の問題があり、ウクライナは兵員を終結させたりしていますが、戦闘が展開されているという情報はありません。おそらく現状のままとなりそうです。

ガルージン外務副大臣がウクライナ和平要求の概要を発表していますが、西側に対する要求も含まれており、キエフの非核地位の確認、反ロシア制裁の解除と、「ロシア、その個人および法人に対する請求の撤回と訴追の終了」は西側が答えなければならないことがらです。

ロシアは、石油ガスの東方への振り向けを進めています。ラブロフは、戦争が終わっても西側との関係修復はないと発言しています。

ロシアは、戦争の長期化に備え、武器生産に力を入れています。経済面も石油ガス販売で収入は確保、制裁逃れの国からの物品は流入しています。

経済的な影響は、米国、欧州のほうが強く、長期戦になれば欧州の政権の中には倒れるところ出てくるでしょう。

それに脱ドルの動きが始まりました。まだまだ金額的にはネグリジブルですが、サウジの人民元シフトが進むと金額は膨らみます。ドルから人民元に切り替われば、ドル、ユーロの銀行預金は減ります。取り付けがなくても預金減が進めば同じ効果です。

大きな変化が来るのではないでしょうか。

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「クレバ氏は、今回のような反攻作戦の後、「ワシントン、ベルリン、パリ、ロンドン」の少数派の声が、「ミンスクIIIの線に沿って」停戦を推し進めようとすることを示唆した」と伝えられています。

春の大攻勢は実行できない。ミンスク3については、ゼレンスキーがインドネシアでのG20で否定しています。

クレバの発言からすると、春の大攻勢でロシア軍に占領された地域を取り返す、そして停戦合意に持ち込むという案が「ワシントン、ベルリン、パリ、ロンドン」から出ていることがわかります。

それによってウクライナのメンツを立てるということでしょう。ですが、春の大攻勢による領土の奪還の見込みがないことは、ゼレンスキーはわかっています。

西側には援助疲れ、えん戦気分の高まりがあります。西側が送る兵器はロシア側から徹底的な破壊攻撃を受けています。バフムートでの兵員の損失は続いている。

ゼレンスキーには、次の手がない。そこで時間稼ぎに使えるのは中国の仲介です。中国が仲介してもロシアが占領した領土は決して返還しない。ロシア兵の多くの犠牲によって獲得したものです。そんなことをしたらプーチンの評価は地に落ちます。

2023/3/29パトルーシェフがニューデリーの上海協力機構の会議で特別軍事作戦の宣言された目標はすべて達成すると述べています。

一方、2023/3/31、マーク・ミルリー統合参謀本部議長が、キエフの軍事目的の達成は "非常に困難 "と発言しています。

バフムート以外の地域に関する戦闘状況に関する情報は少ないですが、衛星から検出した強い閃光の発生地点はウクライナの全域に広がり、かつ頻度が高くなっているように見えます。ウクライナ軍によるドンバス近郊への砲撃のに加えて、ロシアによる戦争拠点の破壊が進んでいるとみられます。

ゼレンスキーは、領土回復を最大の要求としていますが、もともとロシア人の多い地域ですから、敗北が誰の目にも見える形になるということはあっても、また工業地帯を失うということはあっても、ウクライナ人は受け入れ可能のようにも見えます。

最終的にはガルージンが発表したロシア側要求の概要のラインで調整を加えてまとめることになるのではないでしょうか。

posted by ZUKUNASHI at 10:12| Comment(0) | ウクライナ
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