米国の銀行が深刻な状況に陥り始めた: ずくなしの冷や水

2023年03月11日

米国の銀行が深刻な状況に陥り始めた

2023/3/10の日経が次のように伝えています。
「東京株式相場は下落。米銀行の発表をきっかけに金融引き締めに伴う悪影響への懸念が高まった。米SVBファイナンシャル・グループは金利上昇により事業環境が悪化したため損失が発生、資本増強措置を行うと発表し、米国市場で金融株が全面安となった。日本でも銀行や証券株の下げが目立つ。」
SVBファイナンシャル・グループとは、シリコンバレー銀行のことでしょう。

シリコンバレー銀行は210 億ドルの債券を保有していましたが、金利上昇で18億ドルの含み損が出ていました。
銀行の純資産がそれだけ少なくなり、銀行事業に制約が生じます。2022/12/30のTotal Assetsは2117億ドル。
売却した債券ポートフォリオの平均残存期間は4年弱のようですから、持ち続ければ額面で償還されますから損はずっと少なくなります。ですが、金利がさらに上昇すれば損失が膨らみます。貸借対照表で純資産が減っていくのです。

この銀行は、債券ポートフォリオを売却してこのポートフォリオが持つ損を切り離したのです。
そして、その損失分の純資産を埋めるために新株を発行します。
この発表で、この銀行の株価は前日終値の267.83ドルから106.04ドルへ161.79ドル6割下落し、時間外ではさらに 82.9ドルに落ちています。
以下のツイートがわかりやすく説明しています。

https://twitter.com/GRDecter/status/1633919753604550658
シリコンバレー銀行$SIVBが困っています。

210 億ドルの債券ポートフォリオを売却し、流動性を強化するために巨額の損失を被りました。

市場は懸念しており、今日の株価は 54% 下落しています。

知っておくべきこと

Silicon Valley Bank は、210 億ドルの AFS 債券ポートフォリオの売却を完了したと発表しました。

銀行はこの売却で 18 億ドルという巨額の損失を被りました。

これは、2021 年の会社全体の純利益 (15 億ドル) を上回っています。

(AFS = 販売可能)

・・・・

2023/3/10は日本市場だけでなく、オセアニア、東アジアの株式市場が軒並み1%を超える下落となっています。

米国の銀行は債券を大量に保有していますから同様な問題に直面する金融機関は多いはずです。海外の金融機関にも同様な問題が生じかねません。





posted by ZUKUNASHI at 09:14| Comment(0) | 社会・経済
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