トルコでもインドでもなく、仲介役として中国に期待したのはいささか唐突です。そもそも米国や欧州がウクライナのそのような意向、決定を受け入れるでしょうか。
CIA長官が先週末にゼレンスキーと会談していますから、ウクライナ側から中国の名前が出されて米国が受け入れる意向を示した可能性はあります。米国にしてみればウクライナ戦争完全敗北となります。
ただ、バフムートをめぐる戦いでウクライナ側は大量の死者を出しています。物資補給経路も断たれました。米国などから武器の支援を受けても、戦力的には微々たるもの。
戦況の悪化に伴い、ゼレンスキー政権の内部でも対立や相克が発生しています。キエフの近郊で発生したヘリコプターの墜落で内務大臣他が死亡した事件は、ウクライナ軍がやったとの説もあります。ゼレンスキーの顧問アレストビッチはウクライナ軍からの怒りを買い辞任しました。
キエフ政権は、もはや持たない状況であり、ゼレンスキーが仲介者を探すのはもっともなことです。
春にトルコで行われた停戦交渉は、米英によって封じられてしまいました。中国を仲介者として停戦交渉をすることになっても、米国とNATOに伺いを立てながらやらなければならないでしょう。
まだまだ流動的ですが、これまでは話題にもならなかった「仲介者」が出てくるようになったことは、大きな変化です。
キエフはロシアとの戦争終結に向けた話し合いの仲介役として北京に接触したようだ。Appears Kiev has reached out to Beijing to act as a mediator in discussions with Russia about ending the war.
— The Sirius Report (@thesiriusreport) January 19, 2023
Ukraine’s Zelensky writes letter to China’s Xi Jinping, calls for speed from allies
The president warned world leaders in Davos that ‘tyranny is outpacing democracies’, even as Germany hesitates over supplying Kyiv with Leopard tanks
He also sought to make contact with Xi in the hope that Beijing would use its influence over Russia’s Putin
Ukrainian President Volodymyr Zelensky urged his Western allies to take quicker decisions to help his war-struck country on Wednesday, warning that “tyranny is outpacing democracies”.
In an address to the World Economic Forum in Davos by video link, the Ukrainian leader issued a “call for speed” in a barely veiled reference to hesitations in Germany about whether to supply heavy Leopard tanks to the country.
“The time the Free World uses to think is used by the terrorist state to kill,” Zelensky said ahead of a meeting of Ukraine’s Western arms suppliers in Germany on Friday.
“The world must not hesitate today or ever,” he added. “The mobilisation of the world must outpace the next military mobilisation of our joint enemy.”
ウクライナのゼレンスキー氏が中国の習近平氏に書簡を送り、同盟国には迅速な対応を求めた。
大統領はダボス会議で、ドイツがキエフにレオパルド戦車を供給することを躊躇する中、「専制政治が民主主義を追い越している」と世界の指導者に警告した。
彼はまた、北京がロシアのプーチンに対する影響力を行使することを期待して、習近平と接触しようとした。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は水曜日、戦火に見舞われた同国を支援するため、西側の同盟国に対し迅速な決定を下すよう求め、「専制政治が民主主義を追い越している」と警告を発した。
ダボス会議のビデオ会議で、ウクライナの指導者は、ドイツが同国に重戦車レオパルドを供給するかどうか躊躇していることにかろうじて言及し、「スピードを求める」演説を行った。
「自由世界が考えるために使っている時間は、テロ国家が殺すために使っている」と、ゼレンスキー氏は、金曜日にドイツで開かれるウクライナの西側武器供給業者の会合に先立ち語った。
「世界は今日もこれからも躊躇してはならない」と彼は付け加えた。「世界の動員は、敵の次の軍事的動員を上回らなければならない。