テロリストの扱いに苦慮するトルコ: ずくなしの冷や水

2020年02月12日

テロリストの扱いに苦慮するトルコ

管理人は、エルドアンは、シリア戦争に際して領土的野望を持っていたことは間違いないと考えています。一方でクルドも領土支配の確立を目論んだ。しかも米軍がクルドを支持。そのためにエルドアンの戦略は、ロシア軍の参戦によりどさくさに紛れての石油密輸が封じられ、戦況も形勢逆転して以降、次第にクルド対策が前面に出ましたが、ロシア・シリアとの間でクルド軍事勢力のトルコ国境からの後退が確保されることになり、名分を失いました。

残る問題は、トルコ傘下のテロリストの処遇。まだ、万という数のテロリストがトルコの指揮の下で動いているはずですが、彼らは自分らに敵対するものに対しては、スポンサーといえども反撃します。

今、トルコ傘下のテロリストとトルコ軍の間で深刻かつ激しいやり取りが続いているはずです。このままの情勢が推移すれば、いずれテロリストは掃討される。俺たちを見捨てるのか! と詰め寄られれば、トルコも動かざるを得ません。

武器の供給にはシリア、ロシアが目を光らせており、思うようにはできません。海外に脱出させる作戦もとん挫しました。ならば、トルコ内に保護区を作るか。これはトルコ国内の反対が強い。

トルコが本当にそう考えているかはわかりませんが、イドリブのテロリストが一瞬に全員消えてくれたら一番良いのですが、トルコはテロリストの作戦管理のため多数の監視箇所を設置し、そこにトルコ兵を配置しています。



2020/2/10、シリア軍がトルコの監視ポストを攻撃してトルコ兵5人死亡。

トルコは、テロリストを見捨てたと非難されないためには、監視ポストから兵士を引き揚げるわけにはいかないでしょう。

トルコがイドリブの即時停戦を求めているのは、テロリストが圧倒的な劣勢にあるからです。そういうときでなければトルコは停戦を言いませんし、テロリストの停戦違反に関しても問題にしたことはない。

トルコの選択肢は、数少ないです。
@ シリア軍と対決の姿勢を取り続け、負け続ける。テロリストを損耗させる。
 これでは、トルコ軍の兵士に多数の犠牲者が出ます。

A 一時的な停戦を実現し、監視ポストからのトルコ軍兵士を撤退させる。この停戦と撤退の口実はいろいろお化粧が可能です。

とにかく、今トルコは、エルドアンの顔がつぶれないようにすることが至上課題。外相カブソグルが走り回っても名案はない。

昨日か今日、プーチンとエルドアンが会談するような情報が流れています。プーチンは、シリアに攻撃を止めろとは言えません。シリア軍の侵攻に勢いの付いた今、それを止めるのは軍事的に大きなロス。

それにここ数か月、シリア軍兵士に多くの死者が出ていますし、ヘリコプターも撃墜されました。シリア軍の士気は最高度に上がっているし、シリア軍の武器装備も格段に改善されていることはプーチンは百も承知。

エルドアンがプーチンに泣きついて、テロリストの恨みを買わないでテロリストを処分する方法を引き出してもらえるか? それはプーチンと言えども難しい。

自分が雇ったテロリストは自分で始末するしかない、というのが基本中の基本。

次のコメントが寄せられています。

これ以上の死者を出さない為にも、トルコ=エルドアン軍は、バックに欧米連合がついているアルカイダ・ナスラフロントに加担しないで自国に引き下がるべきだと思います。
さんざんシリア国内で「不埒な悪行三昧」してきたのだから!
Deal of the Centuryにトルコ国民は反対しているそうですが、その前に先ず、シリアへの不法行為を改めるべきでしょう!!!


正論ですが、そういう正論はなかなか通じないのが今の国際情勢です。

トルコ軍とシリア軍の戦いをやめさせる力を持つているのは、忍者プーチン大統領だけです。ロシアは、最新の戦車T-90Aもシリアへ持つて来ています。ロシアのプーチン大統領は、もつとロシア軍を増強し力でトルコ軍を抑えるかもしれません。彼の戦略と力のみせどころですね。

プーチンは、力でトルコを抑えられる。それが正しい現状認識だと思いますが、プーチンのすごいのは、そういう相手にもメンツを立てさせる配慮があること。プーチンとエルドアンの会談の行方を見ましょう。
posted by ZUKUNASHI at 13:37| Comment(0) | 国際・政治
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