シリア情勢が静かに大きく動いているようだ: ずくなしの冷や水

2019年12月15日

シリア情勢が静かに大きく動いているようだ

アスタナの会議の結果について詳しく報じたものにまだ接していませんが、重要な方針決定があった模様です。

※ mko@trappedsoldier氏の2019/12/13のツイート
最近のアスタナ会議で、最大の勝利者はシリア政府で、最大の敗者はクルドだ。イドリブ解放の戦いに、ロシア・イラン・トルコがゴーサイン。さらに、シリアを空爆しようとしたイスラエル機を、ロシア軍が阻止!

※ Y.N.M.S@ynms79797979氏の午前0:59 ・ 2019年12月13日のツイート
The Syrian state is the biggest winner from the meeting of the countries of the last Astana path and the biggest loser Kurds .. a "triple" green light to ignite the war in Idlib and eliminate militant groups with Turkish approval ...

ロシアのRIA Novostiの記事に次のようにあります。クルドのSDFをシリア政府軍に統合することが決まったようです。クルドは、米軍の支援を最後まであきらめず、態度をあいまいにしてきました。
RIA Novosti 15:25 11.12.2019 (日本語は機械翻訳)
Лаврентьев рассказал, как можно интегрировать курдов в сирийскую армию
ラヴレンティエフはクルド人をシリア軍に統合する方法を語った
Специальный представитель президента РФ по сирийскому урегулированию Александр Лаврентьев . Архивное фото
НУР-СУЛТАН, 11 дек - РИА Новости. Интеграция сил SDF в правительственные войска Сирии может начаться с участия их в охране подконтрольных им территорий, заявил спецпредставитель президента РФ по сирийскому урегулированию Александр Лаврентьев.

NUR-SULTAN、12月11日-RIAニュース。 シリア政府軍へのSDFの統合は、彼らの管理下にある領土の保護への参加から始まるかもしれない、とシリア定住のためのロシア連邦大統領の特別代表アレクサンダー・ラヴレンティエフは言った。
"Что касается интеграции подразделений сирийских демократических сил (SDF) в сирийскую арабскую армию, мы считаем, что это правильное направление приложения усилий. Наверное, это можно было бы сделать поэтапно. На первом этапе отдельные подразделения, видимо, могли бы выступать в роли охранных структур на подконтрольных им территориях. Но в целом управление этими подразделениями должно оставаться за центральным правительством. Затем при любом нормально функционирующем государстве происходит интеграция и в вооружённые силы, и в спецслужбы, и в другие силовые структуры", - сказал он на пресс-конференции по итогам 14-го раунда переговоров по Сирии в астанинском формате.
「シリア民主軍(SDF)のユニットのシリアアラブ軍への統合に関して、これは努力の適用の正しい方向であると信じています。おそらく、これは段階的に行うことができます。最初の段階で、個々のユニットは、明らかに、セキュリティ構造として機能する可能性があります。しかし、一般に、これらの部隊の管理は中央政府にとどまるべきです。その後、正常に機能している国では、統合は軍隊と特別サービスの両方で行われます。そして、他の法執行機関は・・・」 彼はアスタナ形式のシリアに関する協議の14ラウンドの結果について記者会見で語りました。

クルドが上の方針を受け入れたという前提で次の記事を読むと、なぜ今こんな記事が出たのかがわかります。次はクルド系のAMNですが、FARSNEWSもほぼ同文の記事を流しており、元はRIA Novosti、SPUTNIKがキャリーしたものをAMNは伝えています。

US never promised Kurds an autonomous state in Syria: Esper
By News Desk -
2019-12-132
The United States has never pledged to the Syrian Kurds that it will help them create an autonomous Kurdish state in Syria, US Secretary of Defense Mark Esper said on Friday.

“We live up to our obligations, and our obligation, our agreement, our understanding with the Kurds was this, that we would work together to fight in Syria to defeat ISIS,” Esper said. “But nowhere, at no point in time did we tell the Kurds, we will assist you in establishing an autonomous Kurdish state in Syria nor would we fight against the longstanding ally Turkey on your behalf.”

On 6 November, the Kurdish-led Syrian Democratic Forces (SDF) announced they had resumed cooperation with the US-led international coalition in Syria, which is operating in the country without the approval of the Syrian government or the UN Security Council.

The United States decided to withdraw its troops from northeastern Syria in October, after which Turkey began a military offensive against Kurdish forces in the region. Soon thereafter, the United States agreed to a ceasefire with Turkey.

At the end of November, US Special Representative for Syria Engagement James Jeffrey announced that the US military was going to continue supporting the SDF in keeping the oil resources in Syria out of the reach of Daesh.

米軍は、クルドに対して彼らがシリアに自治政府を作ることを約束したことはない、というのです。クルドとの縁切り宣言に等しいのですが、米軍はこれまで何度も切り捨てて逃げる発言を繰り返しており、その後巻き返されて発言が後退という経過を繰り返してきました。

最近の目立った変化では、12月はじめシリア北東部にロシア軍の武器を運ぶ車列が観察されています。ユーフラテス川の東側に向かいます。


ハサカの近郊は、米軍とクルド、そしてISISが抑えていましたが、トルコ国境から数十km南を走るアレッポ、ハサカをつなぐ幹線ハイウエイM4をシリア政府軍が押さえました。


そして、2019/12/12、カミシュリ空港の近くで通り抜けようとした米軍車両の車列をシリア軍の監視所が通行を拒否し追い返したのです。





米軍は、シリア軍が拠点を構えたカミシュリ空港の様子を偵察に来ただけなのかもしれませんが、シリア軍は厳しい対応をしました。米軍とシリア軍がこのように直接接触し、シリア軍が自らの方針を貫いたのはおそらく初めてといっていいのではないでしょうか。

ここで銃撃戦になることなどはありません。米軍兵士は自分が死ぬようなことはしません。

そんな状況の中でエスパーのクルドに自治国家を約束したことはないとの発言。現地の客観的な状況からも、米軍高官の発言からも、クルドは切り捨てられたということが明らかです。

これより前、アスタナ会議は、2019/12/10・11です。

これと同時的に2019/12/10、ラブロフが訪米し、ポンペオと会談しています。この会談では、両国間の一般的な緊張緩和に向けた話がなされたとされていますが、シリア問題については踏み込んだ話がなされた可能性があります。おそらくは、ラブロフにとっては歓迎できる話があった。ただ、米国側がそれをオープンにすることを好まない何かです。

ロシアなどは、アスタナ会議の結果も詳しくは伝えていません。クルドを刺激しないようにするとの配慮があるのではないかと見られます。クルド問題は米国の対シリアのスタンスと直結します。

ロシア、シリアが、重要な会議の結果を宣伝しない方針のようで、それ自体が大変注目されます。

ラッカについてもこれまでとは違った動きが出ています。ラッカにロシア軍が人道援助物資を届けています。
FARSNEWS2019/12/10
Russian military delivers first humanitarian aid to Raqqa, left in ruins by US-led coalition (VIDEO)


ラッカは、米軍のじゅうたん空爆で多くの市民が犠牲になり、今なおがれきの中に遺体が残されている状況とされています。この攻撃を地上で担ったのがクルドです。


クルドの女性兵士がロータリーに集合し、記念写真を撮っています。ガレキの中にまだ市民犠牲者の遺体が多数残されており、ISISの攻撃がまだあるかもしれないのに。
クルドはISISの攻撃がないことを知っている! と思わせられた場面です。

ラッカはその後遺体搬出などが急がれ、活動も始まっていたようですが、シリア軍やロシア軍がラッカに入って活動しているとの情報は、見られませんでした。SDFが妨害していたのではないかと管理人は考えています。今、その障害がなくなった、ということになりましょう。

2017年10月25日
ラッカの中心部はこんなに破壊されている
2017年10月21日
ラッカの街の8割が米軍とクルドの共同作戦で破壊された
2017年08月25日
米国主導軍はラッカ市民を逃がすため一時空爆を停止すべき 国連
2017年08月23日
米国主導軍がラッカの通りで遊ぶ子供の近くを爆撃
2017年07月31日
米国主導軍のラッカの学校や病院への爆撃が続いている
2017年06月19日
米国同盟軍がラッカ南部でシリア軍戦闘機を撃墜
2017年05月08日
バグダーデイがクルドにラッカを攻められ救援を求める
2017年04月24日
ラッカ解放作戦接近か
2017年02月20日
シリア軍がラッカ攻撃へ
2017年02月18日
ロシア空軍のラッカ空爆始まる Tu-95から巡航ミサイル発射

イドリブでは、シリア軍が着実に攻め込んできました。ここにいるテロリストは、外国勢力が支援しており、トルコはその有力スポンサーです。

イドリブへの侵攻が成果を見せると、テロリストサイドに立つ国などが人道問題と騒ぎ、ブレーキを掛けます。

※ mko@trappedsoldier氏の2019/12/14のツイート
イドリブ周辺20kmから、テロ戦闘員と重火器は排除するというロシアとトルコの合意。しかしアルカイダ・ナスラやトルケスタン党などはこれを拒否し、重火器でシリア軍や周囲の街を砲撃。この緊張緩和帯をロシア機とシリア機は空爆。「ひどい」とホワイトヘルメット・アルカイダとウイグル会議が叫ぶ!

RT2019/12/11
Russia, Turkey, and Iran are concerned about the increased presence of terrorist groups in Syria’s Idlib province, the three states said in a joint statement after talks in Kazakhstan on Wednesday. They also pledged to coordinate actions aimed at eliminating the militants.

The trio said they opposed separatism in Syria under the pretence of self-governance and rejected the illegal seizure of Syrian oil revenue, Reuters reports.

Kazakhstan’s capital, Nur-Sultan is hosting December 10-11 the 14th round of talks on Syria. They involve the guarantors of the Astana process (Russia, Iran, and Turkey), the Syrian government and the armed opposition, as well as representatives from the United Nations, Jordan, Lebanon, and Iraq.

The next international meeting on resolving the situation in Syria will take place in Nur-Sultan in March 2020, Yerzhan Mukash of the Kazakh Foreign Ministry said on Wednesday.

上のアスタナ会議を伝えるRTのニュースは、特に目新しいものではありません。ただ、分離主義に反対するとの文言があり、これはクルドの自治国家を否定するものです。

そして、トルコの本心が依然として明らかではありませんが、クルドSDFの活動を抑え込めるという見込みがあれば、トルコも傘下のテロリストの必要性が薄れます。

もう少し事実経過を見ないとわかりませんが
@ クルドの野望は潰えたことがほぼ確定した。
A 米軍は、さらにシリアからの撤退を進める見込み。
B イドリブのテロリストせん滅作戦は、さらに強力に展開される。
という状況なのではないかと、暫定的ながら考えています。

次の記事に関連した画像などを掲げています。
http://inventsolitude.sblo.jp/article/186909025.html
posted by ZUKUNASHI at 12:18| Comment(0) | 国際・政治
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