機械翻訳を200%活用する: ずくなしの冷や水

2019年09月07日

機械翻訳を200%活用する

日本の大学生や大学院生は、英語で論文を書く、あるいは日本語の論文を英語に直すのに苦労されているでしょう。でも、若いうちは、英語と格闘すれば、どんどん力が付きます。

なにしろ今はネットでいくらでもタダで英語が勉強できる時代なのです。特に機械翻訳は、大きな手助けになります。単語を引くのに使えるし、ある程度込み入った文章の翻訳にも使えます。

ここで機械翻訳の使用例を示します。例文は、sivad@sivad氏のブログからお借りしました。同氏の文章は、論理が明快で日本語も正確かつ分かりやすく書かれています。

赤の女王とお茶を
2015-02-11
NATROM氏はどこで道をあやまったのか〜なぜ1994年報告書はMCS(化学物質過敏症)や臨床環境医を否定しなかったのか〜
この記事のEPA職員が新しい建物に移って少なからざる職員がMCSを発症したという囲み記事に続く部分を使わせてもらいます。

元の文章です。@

「さて、これらの職員たちは、臨床環境医による謎の暗示によってMCSを発症したのでしょうか? もちろんEPAはそうは考えなかったわけです。
ここより、EPAはMCSに関するNAS( National Academy of Sciences:米国科学アカデミー)の会議への出資を行い、またEPA自身によるMCS研究にも乗り出すこととなります。
これらは1992年頃には進行中の事態だったでしょうから、たとえば1992年のAMAの文書にはまだ盛り込むことはできなかったのでしょう。
こういった経緯を踏まえた上で1994年の報告書を読めば、なぜEPAらがMCSや臨床環境医を否定できなくなったのかは、もはや明らかでしょう。
もちろん数十名のEPAの職員がMCSを発症したからと言って、その機序が一気に解明されるわけではありません。しかし、人生や生命を大きく左右する重篤な症状の患者を次々に目の当たりにした時、機序が明らかになるまでなにもしない、というわけにはいきません。
たとえば現在問題となっている子宮頸がんワクチン副反応について考えてみましょう。*3
副反応の機序については、いくつか示唆される報告はあるものの、まだまだ全容はわからない。新たな病気には治療法のエビデンスも当然ない。ではわかるまで放置する? 機序がわからないなら心因性にしてしまえばOK?
いいえ。人間の病気の解明というのは数十年、あるいはそれ以上かかっても不思議のないプロセスです。水俣病ですら、その機序はまだはっきりとはわかっていません。
そんな中で、もちろん、患者との信頼関係協力関係の中で慎重にですが、可能な範囲で症状を緩和する対処法を手探りででも進んでいかなくてはならない。それが医療というものです。NATROM氏はどうやらそこがまるでわかっていないようです。
EPAは身をもってそれを体験し、MCSの存在と複雑さや、臨床環境医も含めた多様な視点による取り組みの重要性に気づいたということでしょう。
さてNATROMさん、これで1994年の報告書が文章としても、歴史的経緯からも、MCSや臨床環境医を否定したり排除はしていないことがお分かりになったかと思います。
あなたが良心ある医師であるならば、2002年以来、もう12年以上も患者さん方を苦しめ続けている誤った言説について、誠意ある対応をなさったほうがよいのではないでしょうか?」

これをまず機械翻訳で英語に直します。次のようになりました。A

Now, did these staff develop MCS due to a mysterious suggestion by a clinical environmental physician? Of course, EPA did not think so.
From here, EPA will invest in a NAS (National Academy of Sciences) meeting on MCS, and will also embark on MCS research by EPA itself.
These would have been in progress around 1992, so for example, they could not yet be included in the 1992 AMA document.
If you read the 1994 report based on this background, it will no longer be clear why EPA and others can no longer deny MCS and clinical environmentalists.
Of course, just because dozens of EPA officials have developed MCS does not mean that the mechanism will be elucidated. However, when we witness one after another patients with serious symptoms that greatly affect their lives, it is impossible to do nothing until the mechanism becomes clear.
For example, consider the cervical cancer vaccine side reaction that is currently a problem. * 3
Although there are some reports that suggest side reaction mechanisms, the full picture is still unknown. There is no evidence of treatment for new diseases. Then leave it until you understand? If you don't know the mechanism, you can make it psychological?
No. Elucidation of human illness is a process that does not wonder if it takes decades or more. Even for Minamata disease, the mechanism is still unclear.
Under such circumstances, of course, we must be cautious in the cooperative relationship of trust with the patient, but we must proceed by groping for a coping method to relieve symptoms as much as possible. That is medical treatment. NATROM doesn't seem to know that at all.
EPA would have experienced it and realized the importance and importance of MCS and its diverse perspectives, including clinical environmental physicians.
Now, Mr. NATROM, you can see that the 1994 report has been written and historically deny or excluded MCS and clinical environmental physicians.
If you are a conscientious doctor, should you treat in good faith the wrong discourse that has been afflicting patients for over 12 years since 2002?

ここで明らかな間違いは修正しますが、その前にこの英文をまた機械翻訳で日本語に直し、どのくらい違いがあるかを見てみましょう。B

『さて、これらのスタッフは、臨床環境医による神秘的な提案のためにMCSを開発しましたか?もちろん、EPAはそうは思わなかった。
ここから、EPAはMCSに関するNAS(National Academy of Sciences)ミーティングに投資し、EPA自体によるMCS研究にも乗り出します。
これらは1992年頃に進行中であったため、たとえば、1992年のAMA文書にはまだ含めることができませんでした。
この背景に基づいて1994年の報告書を読むと、EPAなどがMCSや臨床環境保護者をもはや否定できない理由が明確ではなくなります。
もちろん、何十人ものEPA当局者がMCSを開発したからといって、メカニズムが解明されることを意味するわけではありません。しかし、生活に大きな影響を与える重篤な症状のある患者を次々と目撃すると、そのメカニズムが明らかになるまで何もすることができません。
たとえば、現在問題となっている子宮頸がんワクチンの副作用を考えてみてください。 * 3
副反応のメカニズムを示唆する報告がいくつかありますが、全体像はまだ不明です。新しい病気の治療の証拠はありません。それからあなたが理解するまでそれを残しますか?メカニズムがわからない場合、心理的にすることができますか?
いいえ。人間の病気の解明は、数十年以上かかるかどうか疑問に思わないプロセスです。水ama病の場合でも、そのメカニズムはまだ不明です。
もちろん、このような状況下では、患者との信頼関係の協力には慎重でなければなりませんが、症状を可能な限り緩和するための対処方法を模索する必要があります。それは医療です。 NATROMはそれをまったく知らないようです。
EPAはそれを経験し、MCSの重要性と重要性、および臨床環境医を含むその多様な視点を認識しているでしょう。
NATROM氏、1994年の報告書が書かれており、歴史的にMCSと臨床環境医を否定または除外していることがわかります。
あなたが良心的な医師であれば、2002年以来12年以上にわたって患者を苦しめてきた間違った言説を誠実に扱うべきですか?」

かなり良い出来ですが、日本語に固有な丁寧な婉曲な言い回しの部分が原文と異なっています。これが原文と当初機械翻訳結果との対照表です。
suggestion が提案になったのは英から日翻訳時です。
副反応は正しくside reaction に訳されましたが、英から日翻訳時に副作用になっています。あとdevelopとか何か所か単語の訳(英→日)適切でないところがありましたが、修正を要したのは、第4パラグラフと最後のパラグラフです。英語に修正を加えながら、確かにここは厳密さに欠けるという気もしました。

もちろん、sivad@sivad氏が英語でお書きになれば、上にあげた英語とは全然違うものになるでしょう。sivad@sivadさん無断転用ご容赦ください。

そして管理人が修正を加えた英語です。これを機械翻訳にかけて原日本語と比較してみてください。大きな間違い、不正確なところはなくしたつもりですが。これが原文と修正済英文を機械翻訳で日本語に直した結果との対照表です。日本語翻訳時に不正確な個所が出ています。

Now, did these staff develop MCS due to a mysterious suggestion by a clinical environmental physician? Of course, EPA did not think so.
From here, EPA funds in a NAS (National Academy of Sciences) meeting on MCS, and also embarks on MCS research by EPA itself.

These would have been in progress around 1992, so for example, they could not yet be included in the 1992 AMA document.
If you read the 1994 report based on this background, it will be clear why EPA and others can no longer deny MCS and clinical environmentalists.
Of course, just because dozens of EPA officials have developed MCS does not mean that the mechanism will be elucidated. However, when we witness one after another patients with serious symptoms that greatly affect their lives, it is impossible to do nothing until the mechanism becomes clear.
For example, consider the cervical cancer vaccine side reaction that is currently a problem. * 3
Although there are some reports that suggest side reaction mechanisms, the full picture is still unknown. There is no evidence of treatment for new diseases. Then leave it until you understand? If you don't know the mechanism, you can make it psychological?
No. Elucidation of human illness is a process that does not wonder if it takes decades or more. Even for Minamata disease, the mechanism is still unclear.
Under such circumstances, of course, we must be cautious in the cooperative relationship of trust with the patient, but we must proceed by groping for a coping method to relieve symptoms as much as possible. That is medical treatment. Mr. NATROM doesn't seem to know that at all.
EPA would have experienced it and realized the existence and complexity of MCS and importance of effort under its diverse perspectives, including clinical environmental physicians.

Now, Mr. NATROM, you can see that the 1994 report did not deny or excluded MCS and clinical environmental physicians , not only in its description but also historically.

If you are a conscientious doctor, is it not better to respond in good faith the wrong discourse that has been afflicting patients for over 12 years since 2002?

内容がわかっている人が機械翻訳を使って正確な英語にしていくことは難しくありません。そして、その過程で原日本文を直さなければならないことも多々出てきます。sivad@sivad氏のきれいな日本語でも機械は首をひねることがあります。

英語翻訳の前に、まず日本語を一義的なものに整えることです。それが良い英語に翻訳させる最大の条件です。

今回は、sivad@sivad氏の文章を例にとらせてもらいましたので日本語の原文には手を加えませんが、自分の書いたものなら機械が正確に訳せないところは表現を変えます。複雑な構文を止めて極力単純な構造の文章にします。それが英語を工夫するより何倍も簡単。

機械翻訳でなくても、自分で翻訳文を書き下ろす際には、まず元の文章のポイントをつかんでそれをまず訳す。そして修飾句とか関係代名詞でつなげるところを後から加えていく。これが受験英語で必須のテクニックなのだと聞きました。

それと自分で元の日本語を書く場合は、最初に結論を書くこと。これが英文で書かれた文章と日本語のものとの最大の違いだそうです。最初に結論が書かれてあれば、機械翻訳でも文脈を参照するものであれば、訳語はより正確になります。

そして、上の手順で完成したらネイティブにチェックしてもらいましょう。日本語できちんと書かれ、生硬でも正確に訳された英文ならネイティブの人を悩ませることはありませんので、チェックも簡単に終わります。
posted by ZUKUNASHI at 18:32| Comment(1) | 国際・政治
この記事へのコメント
大変お久しぶりです。ブログを続けて下さってありがとうございます。
懸念された方には、国内外問わず、ご紹介しております。

様々な観点と情報、現地調査もされてきた ずくなし様 や 読者の方にも お力添えいただければ幸いでございます。

ICRPの「大規模原子力事故における人々および環境の放射線防護」(Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident)草案が公開され、ウェブ上で9月20日までパブコメ 日本語でもメールで出せます。

https://foejapan.wordpress.com/2019/08/15/icrp/

今後も参考にさせていただきます。
お体ご自愛くださいませ。
Posted by O at 2019年09月05日 14:51
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