被ばくと疾患発症数の増加はこういう仕組みらしい: ずくなしの冷や水

2019年07月30日

被ばくと疾患発症数の増加はこういう仕組みらしい

全国人口動態統計をもとに算出した出生死亡比率の変化度合いの測定で東西の差が拡大し、かつ東日本の一部で落ち込み方が大きくなっています。福島第一原発事故から8年を経過しても事態の悪化は続いています。なぜでしょう。管理人はゴフマンの研究結果を参考にして次のように考えるようになっています。なお、外部被ばくについてはガンマ線が主体で測定も容易ですのでここでは除外して考えます。

まず、福島第一原発事故で環境に放出された人工放射性物質の種類は極めて多いのです。次は、米国エネルギー省/国防総省による土壌調査結果から分析対象の核種が多い6か所の測定結果です。


これだけ多様な人工放射性物質が何度にもわたるプルームに乗っては運ばれ、降下沈着しました。次は、大気汚染測定用ろ紙のセシウム濃度検査結果から地点ごとに濃度の累積値をグラフ化したものです。プルームが来るたびに累積値がぐーんと上がっています。

関東南部 東京都・神奈川県


関東 茨城県・埼玉県・千葉県・東京都


つまり単純化して考えると、地点ごとに多様な人工放射性物質が大気中を流れてきてその時の放射性物質ごとの大気中濃度も異なれば、それが地上に降下し沈着した量も異なります。次の表で濃度の単位と沈着量の単位は異なります。


地点Aを取り上げてそこに住む個人Aと個人Bの被ばくの異なりようを見ます。表の左側、大気の汚染度と土壌の汚染度は地点Aに関しては同一ですが、個人ごとに放射性物質への曝露、吸入、経口摂取、接触などの度合いは異なります。


ここで表の右側の個人ごとの被ばく度合いの測定単位と次の表で出てくる被ばく累積量との関係ですが、上の表の合計欄の数値が50になると、以下の表での「被ばく累積量」1単位に相当すると想定しましょう。厳密には放射性物質ごとに被ばく量を測定しなければならないはずですが。

上のように多様な形態、ルートで生じた内部被ばくにより、人々の被ばく累積、つまり放射線の種類別に人体が受けた放射線の数が増えると人体の組織が損傷を受け、その結果として様々な症状を示すようになります。

ここでは、10万人の母集団についてみた場合、各人の被ばく累積が1単位になると1人がある疾患を発症すると仮定します。いくつかの10万人の母集団があり、その構成員の被ばく累積度が異なれば、母集団ごとに疾患発症者の数は異なります。発症者の数は時間の経過に伴い被ばく累積が増えていけば増えていきます。



日本の東日本の人口動態を観察するということは、人口規模も異なり、住民の平均的な被ばく累積度合いも異なる都市を合わせて考察していることになります。



上で「住民の平均的な被ばく累積度合い」と書きましたが、一つの都市内(例えば地点A)での個人ごとの「被ばく累積度合い」は大きな差があります。当然、「被ばく累積度合い」の大きい人から確率が高まり発症していきます。管理人はある一つの10万人の集団を取り上げた場合、その中に含まれる人々の「被ばく累積度合い」は様々だと思いますが、初期吸気被ばくの大きかった地域、セシウム濃厚汚染地域がある地域では、その地域的特性に起因する面についてみれば、集団ごとにベースラインが異なるだろうと考えています。以下では、平均水準で考えます。

特異な集団、例えば除染事業に従事した者や福島第一原発の構内作業に従事した者の集団については、別途の母集団だとしてとらえることが必要でしょう。これらの者の中には、作業従事2日、あるいは3日で急死した方がおられます。セシウムの吸入による心疾患によるものとみられます。


2011/3/27、大熊町地内で高濃度に汚染された遺体が発見され、体表面の放射能10万cpm超過だったとされています。測定器の感度が異なりますが、管理人は市原市の北部でポンコツのGMサーベイメーターで地表面から1万cpmを検出しています。これでもすさまじい値です。

1人の母集団の構成員が10万単位の被ばく累積になれば疾患(この場合は心疾患)で亡くなることはあり得ます。被ばく累積を生じた放射線、あるいは放射性物質が異なれば発現する疾患も異なってくるようです。放射性ヨウ素なら甲状腺障害、放射性セシウムなら心疾患という具合です。中枢神経障害は、管理人はセシウム、ヨウ素以外の放射性物質が主因となっているのではないかと考えています。



実際の被ばくに起因する疾患の増加状況を把握しても、それらの因果関係を問うことは難しいのです。
次のような状況になっているからです。その結果「原因不明」というこれまでの診断例に合わないものが増えています。



ここで、まず地域の放射性物質別の汚染状況が分かっていません。初期吸気被ばくの度合いも不明です。さらに、その後の福島第一原発発のプルームによる吸気被ばくの度合い、食品を通じた放射性物質の摂取具合・・・わからないことだらけなのです。

ですが、それらを総合した被ばくと身体症状発現との関係については、人口動態統計の分析によって一定の因果関係を推定することができます。

例えば、最近の茨城6区の出生数の急激な減少は、被ばく以外にこれだという原因が見当たらないのです。

それは茨城6区に限ったことではありません。次のグラフをどうご覧になりますか?

厚生労働省全国人口動態統計速報による出生死亡比率の変化度合いの測定
2009/1から2009/12の平均を基準として2018/6から2019/5の平均を指数化
出生死亡比率=出生数÷死亡数だから、この比率の低下が大きいほど新生児が減り死亡者が増えている度合いが強いことになる。


まぎれもなく事態は悪化中です。現在管理人は、次の点に注目しています。

A 被ばくをもたらした放射性物質の種類により発症する疾患は異なる。
当初放出されたヨウ素131は、ほぼ検出されなくなっている。セシウム134は大きく減衰。しかし、他に何百種もの放射性物質が放出されています。その中には半減期が何億年、何十億年のものもあるのです。それらの放射性物質による被ばくはこれからも続きます。

B 生物学的半減期に過大な期待はできない。
放射性物質の半減期には物理学的半減期のほかに生物学的半減期というものがあり、後者は前者に比べてかなり短いということが言われました。もし、それに間違いがなければ、すでに被ばく累積は止まっているはずですが、そうなっていません。

セシウムについては、生物学的半減期70日とか90日とか言われますから毎日同量のセシウムを体内に取り入れていれば、比較的短い期間で天井に達しその後は横ばいになるはずです。しかし、これは体内に入った放射性物質が発する放射線数です。


このフラットな状態でも身体が受ける放射線累積数はあくまでも増えていきます。ただ、セシウムは減衰していきますから、新たに体内に入るセシウムが減れば、その時点で身体が受ける放射線数は大きく低下していきます。

セシウムについての生物的半減期はそんなに短くないのかもしれませんし、セシウム以外の例えばウラン系列の子孫核種については、生物的半減期は短くなく、しかも今なお摂取量が大きいのかもしれません。

C 上に書いた管理人の考えは、海外で被ばく累積のある者が日本に来て追加被ばくをすると発症することがある、という観察された事実の理解を助けます。

D 西日本でも健康状態の悪化がみられ、時間の経過とともに進行していることから全国流通の食品が主たる原因となって、日本では今なお国民の被ばく累積(特に内部被ばく)が継続していると考えざるを得ません。

関東で杖を突く人が増えていることも考え合わせると、これまでの内部被ばくで妊娠や歩行に関連する身体機能が損傷し、被ばくが減っても、かつての被ばくによる具体的な結果として症状が表れている可能性ももちろんあります。でも、そのように考えると今から被ばく回避しても、過去の被ばくによるものの結果がこれから出てくるということになります。

少なくとも出生率の急速な低下傾向は、この先も続くと管理人は考えています。そして、次のグラフにも疑問を感じるようになっています。リスクの最大値は「個体の終末到来」なのでしょうが、放射線量が積み上がった段階でこんなにリスクの増加分は少ないのかという疑問です。


管理人は、どんなにわずかな被ばくでも疾患を引き起こすことはある、と考えます。ただ、それは同程度の被ばくを受けた者が無数にいれば、100万人に一人、あるいは1,000万人に一人の発症割合ということなのだろうと考えます。小児甲状腺がんの発生は100万人当たり1〜3人といわれています。

それが母集団構成者の被ばく累積増大に伴って発症割合が上がってくるということに他ならないのだと思います。

死亡者数の増加は高年齢層の割合が圧倒的に多く、被ばくとの因果関係を論じることは難しいです。「老衰」で片づけられます。ですが、小児甲状腺がんの増加は、そうはいかない。明らかに異常な発生をどうやって被ばくと関係ないものとするか、それに日本の医師は今必死です。

もう一つ、被ばくとの因果関係が疑えない事象が生ずるでしょう。「不妊」です。

多くの日本人が心筋梗塞や四肢の不自由化のような被ばく症状を免れたと思っていても、後日、不妊が判明するケースは極めて多いでしょう。統計的に把握できる最大の被ばく症状になるのではないかと管理人は考えています。

そして上に述べたところからすれば、今被ばく症状が出ていない方でも今後の追加的な被ばく累積により被ばく症状が出てくる恐れは高いと心得ておきましょう。生物体としての人体は、異物、毒物に対する防御機構を備えています。それゆえ、わずかな毒物の体内侵入に対しては防御反応が働いてそれを排出できるのだろうと考えられます。

ですが、身体の機能が低下したりすると、そのような防御反応が有効に働かないこともありうるでしょう。とにかく健康体を維持するように努めるしかありません。しきい値があるのではなくたまたま発症しないだけなのだと思います。
posted by ZUKUNASHI at 08:51| Comment(0) | 福島原発事故
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