チェルノブイリ事故とフクシマの事故との違い: ずくなしの冷や水

2018年12月14日

チェルノブイリ事故とフクシマの事故との違い

何年か前になりますが、かなり年配とみられる方から日本でチェルノブイリ事故と同じような健康被害状況になっていないのはなぜかとの問いが来たことがあります。

その時、私は次のように答えました。

・住宅の気密性が違う。
・自家用自動車の普及度が異なる。
・食品の輸入依存度が日本では5割を超えている。
・30年間で医療水準が上がっている。
・チェルノブイリ周辺地域の農村は井戸水を使用
・チェルノブイリ事故による汚染が強い地域はソ連当局が強制的に避難・移住させた。
・事故によって環境中に放出された放射性物質の量は福島の事故のほうが多いがその構成は大きく異なる。そのため健康被害の出方に違いがありうる。
・事故によって放出された放射性物質の降下沈着分布が異なる。そのため、比較する地域範囲の選択が難しい。

これらの要因で、彼我の健康被害の現れ方は異なる。
そもそも健康被害の発生状況について日本では情報が徹底して隠蔽されている。ロシア、ベラルーシ、ウクライナでは学者などの努力により健康被害のおおよその姿が把握されている。

回答のポイントは以上で、今もこの考えは変わっていません。ただ、この後、重要な相違点が浮上しています。

・フクシマの事故では、事故のあった原発から大気中への放射性物質の放出が止まっていない。(チェルノブイリ事故では事故のあった原発全体に覆いをかけた)
・フクシマの事故では、今なお原子炉に冷却水を流し込んでおり、それによる汚染水が膨大になり、海に流そうとする動きがある。
・フクシマの事故では、地下に沈降した溶融燃料に地下水が触れて汚染し、それが海底から湧き出ているとみられる。

トリチウム問題もフクシマの事故でより大きく提起されているように見えます。とにかく汚染水の大量発生などはチェルノブイリ事故では見られなかったものであり、それによる追加的な汚染が生じ続けています。

※ 福島民友2018年12月14日 08時00分
福島県産「海産物」...抵抗薄れる トリチウムなどへ理解不足も
本県産海産物の購入を控えたいという人の割合が、東京電力福島第1原発事故直後の約4割から1割強に減少していることが13日、福島大と東京大の調査で分かった。一方でトリチウム(三重水素)を含む処理水が海洋放出された場合に、本県産海産物を購入したくない人は3割に上った。
 調査ではトリチウムなどへの認識が県内外で十分浸透していないことが明らかになっており、情報発信の重要性が改めて浮き彫りになった。
 インターネットを通じて本県と宮城、茨城、東京、大阪の各都府県の各300人、計1500人に調査した。原発事故直後を振り返る形の質問に「本県産海産物を購入したくなかった」と答えた人の割合は本県で45%となったのをはじめ、全体でも4割を超えた。現在でも購入したくないと回答した人の割合は、大阪の17%が最も高く、東京16%、茨城と宮城13%、本県10.3%と各都府県で下がった。本県で進む検査体制の強化や検査結果の周知が成果となって表れたとみられる。
 一方、トリチウムを含む処理水が海洋放出された場合の消費行動については、本県産海産物を購入したくないとの回答が東京の30%を筆頭に、大阪27.7%、茨城25.3%、宮城25%、本県24%といずれも上昇。トリチウムに関する理解が不十分なまま海洋放出が行われた場合、本県産水産物の消費に影響が出る可能性が示された。また、トリチウムを含む処理水を海洋などに放出することについては全体の46.5%が反対だった。

・・・引用終わり・・・

朝日新聞1986.05.05 東京朝刊 1頁 1総 (全1,257字) 
15都県で放射能異常値 ソ連原発事故
 ソ連・チェルノブイリ原子力発電所の事故による放射能汚染が、日本各地の広い範囲で確認された、と政府の放射能対策本部(本部長・河野洋平科学技術庁長官)が4日発表した。「放射能の強さは、ただちに健康に影響を与えるものではない」としながらも、千葉市では、3日深夜から4日未明にかけ雨水1リットル中1万3300ピコキュリー(注:492.6Bq/l)の放射性ヨウ素131の最高値を記録したのをはじめ、東京、神奈川、宮城、福島、茨城、静岡、新潟、愛知、島根、石川、福井などの15都県で異常値を検出した。ソ連・キエフ市の北約100キロで事故が起こってから約1週間で、約8000キロ離れた日本に影響が出たことは専門家の予想を上回る速さで、汚染は地球規模に広がったものとみられる。事故現場で放射性物質が環境へ出続けているとすれば、今後、継続的汚染も予想され、同本部は日本全国の監視網に引き続き監視を指示した。
 放射能対策本部は4日午前7時、急きょ各省庁の関係者を招集して開かれ、同日午後10時現在で各地の観測結果をまとめた。
 千葉市の雨水中の異常値は、雨水をそのまま1日2.2リットル(大人の平均摂取量)飲み続けると、2カ月間で年間被ばく許容線量の500ミリレムに達するレベル。雨水では、放射性ヨウ素131の摂取制限が必要とされる1リットル当たり3000ピコキュリー(注:111.1Bq/l)を大きく超えたのは、千葉市と福井県の4000ピコキュリー(注:148.1Bq/l)で、そのほかは、神奈川県で3000ピコキュリー、静岡2300ピコキュリー、東京都では1700ピコキュリーなどとなった。
 大気中の浮遊じんは宮城、福島、茨城、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、福井の各都県で検出された。濃度は神奈川県の大気1立方メートル当たり22ピコキュリーが最高。平常時の全放射能の最高値3.0ピコキュリー(59年観測)に比べるとやや大きいが、健康に影響ないという。
 食料品については、原乳を札幌市、茨城県東海村、熊本県で測定したが、ヨウ素131は検出されなかった。
 野菜については福井県でレタスに1キログラム当たり1060ピコキュリー(注:39.26Bq/kg)、キャベツに同460ピコキュリーが出たほか、他の地域でも調査を始めている。このほか千葉市ではヨモギから1キロ当たり1万ピコキュリー(注:370.3Bq/kg)と、かなり高い放射能が検出された。
 科学技術庁の辻栄一原子力安全局長は4日夕、記者会見で「千葉市の雨の数字はやや高いのが気になるが、2カ月連続して雨が降るとは考えられず、慎重に観測を続けたい」と話した。
 当面の注意としては(1)千葉市で雨水を直接飲む場合は、できるだけ木炭などでこして使用することが望ましい(2)水道水、井戸水と牛乳は心配ない(3)菜類は念のため、よく洗って食べることが望ましい(4)雨にぬれたり、洗濯したりすることについて何ら問題ない、などとしている。
 河野科学技術庁長官は「ただちに健康上影響を及ぼすものではないが、政府としては引き続き全国規模の放射能調査をするほか、新たな事態が生じた場合には適切に対策を公表するなど万全を期す方針だ」と談話を発表した。

http://zcpower7.blog.fc2.com/blog-entry-160.html
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posted by ZUKUNASHI at 12:04| Comment(3) | 福島原発事故
この記事へのコメント
チェルノブイリ原発事故のソ連軍の核暴走封じ込め軍事作戦は、見事に成功しまた。それでチェルノブイリ原発の核爆発した4号機にはソ連軍兵士によつて勝利の赤旗が、うちたてられました。私は、この写真を見た時ゴルバチョフ書記長のすごさに感動しました、独ソ戦のベルリン陥落の時もソ連軍兵士により勝利の赤旗がうちたてられました事を思い出しました。福島第一原発事故の時は、巨大な3号機の核爆発と馬鹿な作戦、冷却のための海水を投下というサーカスを見せられ驚きました。やはり日本人は、不滅の世界一優秀な民族ですね。
Posted by 西 亨 at 2018年12月15日 09:08
スターリン批判をやったフルシチョフがいなかったら、ゴルバチョフは青春時代を過ごすことが出来ず、その後もツノを隠して上がって来れなかったでしょうから、フルシチョフが出たのは、ソ連の奇跡みたいなものですね。

Posted by hiyaase at 2018年12月15日 11:33
人の人生は、人との出会いで大きくかわります。田舎の党書記だつたゴルバチョフ氏が、党員2800万人のソ連共産党の最高権力者になれたのはアンドロポフKGB長官との運命の出会いでした。アンドロポフ氏に気に入られてモスクワにきてからすごいスピードで出世して最高権力者になりました。
Posted by 西 亨 at 2018年12月15日 15:12
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