放射能の高い粒子状物質はF1から2011/3/15と3/20に飛んだ: ずくなしの冷や水

2018年11月07日

放射能の高い粒子状物質はF1から2011/3/15と3/20に飛んだ

2018年11月06日 球状セシウム含有粒子とSPMの動きはよく似ている からの続き



次のグラフは、以前から掲げています。気象研究所が6時間ごとにエアーサンプラーで大気浮遊塵を集めて分析した結果です。132Teと129mTeの動きを見るために元図の色相を変えてある。

一目盛りが6時間だから4目盛りごと、一日ごとに線を引くと、3/12の午後からヨウ素131、セシウム134、137、136が検出されている。

別の論文で次のグラフを見ました。出所:http://www.mri-jma.go.jp/Dep/ap/ap4lab/recent/ge_report/2015Artifi_Radio_report/2015Artifi_Radio_report.pdf

いずれも元データは同じですね。グラフの作り方、表現を変えているだけです。指数目盛りで細部がよくわかりません。

元データは、大気浮遊塵をエアーサンプラーで集めてそのベクレル数を測ったものです。ガス状のもののベクレル数は測られていないということになります。ヨウ素131はガス状のものが多かったはずですし、希ガスの線量率への寄与もわかりません。

気象研究所が同じ場所で空間線量率を測っていれば、これらの粒子状のものが空間線量率のうちどれほどを占めていたかわかるのですが、そのデータが見つかりません。(大気浮遊塵の測定はしたが、空間線量率は測らなかったなどということがあるのか? 電子顕微鏡まで使って観察していながらアルファ線やベータ線を測定しなかったのか?)

前の記事で、SPM濃度の変化と比較しましたが、福島第一原発事故直後のSPMは、その放射能に大きな差があると考えつつあります。

次は三重県のSPM濃度の推移、その下が四日市市で測定された空間線量率の推移です。



SPMは全県下の各測定局の日平均、空間線量率は四日市市ですから時間差があるのはわかるとしても、SPM濃度のピークが空間線量率のピークよりも早くなっています。


それに2011/3/30にSPM濃度にはピークがありますが、空間線量率にはピークと言えるだけの山がありません。

福島第一原発事故後に全国で観測されたSPM濃度の上昇は、その微粒子が有する放射能には大きな差があったことになります。

もっと近いところで見ると、次は横浜市の環境技術研究所の空間線量率測定結果です。単位ナノグレイ。2011/3/15の早朝に空間線量率が飛び跳ねました。線量率水準自体は0.104μSv/h程度でそれほど高くありません。そして3/16の未明にまた線量率が上がりました。



神奈川県のSPM濃度推移を見ると、2011/3/15、3/20・21、3/30にピークができていますが、空間線量率は3/15に突出して高く、3/30にはほとんど上げていません。



これは、2011/3/15と3/16の線量率の上昇がガス状のものによってもたらされたことを示します。主としてヨウ素です。3/15の放射性ヨウ素濃度が高く、3/16もヨウ素の濃度が高かったものと見られます。現在大変憂慮される人口動態悪化の主因のはずと管理人は考えています。

参考までに次の画像を掲げます。

この画像については、日本の将来というサイトに次のようにあります。
地震雲? 横浜で空が煙ったような現象、原因や成分は不明
16日午後1時ごろ、横浜市内の一部で空が煙ったように見える現象が起きた。(中略)北風が急に強まったときに、(煙ったような現象が)北のほうからゆっくりと下りてきた。成分を分析していないので分からない」。範囲も不明という。

これは、前日来群馬、埼玉の西部山間に滞留していた放射性物質が南東方向に流出した際に、時間の経過で放射性物質の何種類かは崩壊して他の物質に変わり、また一部は水酸化物などへの化学変化が進んで、それがまるで黄砂のように見えたものと推定しています。これが地表近くを流れればSPM濃度が跳ね上がり、健康被害はとてつもないことになったのではないかと考えています。

なお、横浜市環境技術研究所の空間線量率測定結果は、異常なほど低くなっていますが、東京都新宿区での空間線量率の推移は次のようになっています。パターンはほぼ同じです。


冒頭の気象研究所のグラフにあるピークと福島第一原発での事象とを比較すると、最初のピーク(3/15)は3号機の爆発による影響とみられます。気象研究所が発見したセシウムボールは、超高温で原発の構造物が溶け、それが固まってボール状になったと見られますから、水素爆発では生じないはずです。

3/20のピークは、3号機格納容器の圧力が異常に上昇した日です。3/14の3号機の爆発が使用済み燃料プールで起きて、3/20に3号機格納容器から高温高圧の空気が漏れたと考えば、3/20に粒子状物質の濃度が上がることは考えられます。

また、3/19には、北東北と北海道のSPM濃度が著しく上がりました。気象研究所の測定結果ではこれに見合うピークがありません。この日、福島第一原発では東京消防庁が3号機に放水を開始しています。北東北に飛んだSPMはおそらくこれに伴う灰神楽現象とみられます。3号機の爆発で周辺に飛び散ったものも舞い上がった可能性がありますが、3号機では爆発後1時間程度経過しても水蒸気の柱が立っていましたので、使用済み燃料プールの爆発で生じた粒子状の物質は、相当量が飛散してしまっていたこともありえます。つまり、北東北に飛んだSPMの放射能はそれほど高くなかったという想定です。このことは三重県の例で触れましたが、SPM濃度が高くても空間線量率は相対的に低い例がありますのでそのような想定の余地はあると考えます。



3/29から3/31までの福島第一原発における事象としては、放水以外にはめぼしいものがなく、この期間のSPM濃度の上昇は、やはり灰神楽現象ではないか、セシウムボールのようなものの飛散は少なかったのではないかというのが現時点での管理人の想定です。

以下は関連する空間線量率のグラフです。以下単位はμSv/h。
神奈川県、横須賀市、川崎市。青線が川崎市。よく似ていますが、横須賀市には3/19 19時のピークがありません。3/20の上昇もほとんどなかった。


新潟県。南魚沼市の空間線量率の上昇が大きいです。魚沼は汚染地域。少し遅れて阿賀町で上昇しています。新潟県下には今なお0.2μSv/h程度の線量率を示す場所があります。東葛に並ぶ水準です。新潟市も決して低くはありません。


宇都宮市は、2011/3/15の午前10時に大きなピークができています。これはヨウ素が多かったとみられます。栃木県の山間部は濃厚汚染です。3/20のプルームは南側から栃木県に入ったとみられますが、この時にベータ線源などが降下した可能性があります。米軍の土壌調査では、栃木県下のサンプル採取数が特に多くなっています。


山武市。ピークがずれており3/16と3/23です。房総の外洋側はプルームの流れ方が内陸とは異なっています。3/30、3/31に少し上がっていますが上げ幅は小さい。


市原市。3/15、3/21。3/21から数日降雨がありましたが、千葉市を北側から抜けたプルームは海上経由で南下したものとみられます。


2017年07月21日
東北のSPM濃度の上昇は 3号機への放水強化の時期と重なる
posted by ZUKUNASHI at 09:49| Comment(0) | 福島原発事故
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