ジャマル・カショギはアップルの腕時計をしていた: ずくなしの冷や水

2018年10月17日

ジャマル・カショギはアップルの腕時計をしていた

ジャマル・カショギに関する情報が奔流のように流れています。この記事の下に掲げたFARSNEWSの記事が詳しいものの一つ。トルコの当局は殺害の部屋、そして解体の部屋まで突き止めている。下水道まで調べたそうです。総領事の公邸の庭を掘り返す話まで出ているとか。

あまりにいろいろな情報が出ているのがおかしいのですが、トルコは公式な発表はせず、匿名の公務員がリークした形で詳しい情報を流しています。いざとなれば、そんなことは知らないと否定もできる逃げ道を作っています。

サウジはトルコ側に多くのことを把握されてしまいました。暗殺のプロがこんなに自分らの動きを把握されてしまうドジを踏むだろうとの疑問もわきますが、サウジはジャマル・カショギの事件を他の反体制派に対する見せしめにしようとした。それゆえ、隠ぺいの度合いが低いのだとの見方も出ています。身震いするほどのホラーです。もはや探偵小説ではありません。

ジャマル・カショギはアップルの腕時計をしていたと伝えられています。

この腕時計はGPS機能、心拍数測定機能があるようで、データをネット回線を通じて取り出せるともされています。これまでのものはブルーツースかWifiでアイフォンと連動させる仕組みでしたが、最新型はセルラー通信が可能なものもあります。それであればペアを組んだアイファンから距離があっても腕時計からのデータを受信することができます。

この事件でとにかく決定的なことは、婚約者が領事館の前で待っていたことです。トルコが発表したCCTVの画像にも婚約者の姿が映っていますし、サウジ領事館の職員が婚約者にカショギは領事館にはいないと告げたとの情報もあります。

トルコの警察は、ジャマル・カショギがこの腕時計をつけてイスタンブール領事館に入ったことを確認しているとしています。そして、殺害時の録音をトルコは入手しているようです。録画もあるとされています。(これはアップルウォッチで技術的に可能なのか確認できていません)

さらににジャマル・カショギが領事館内にいた時間に争うような物音と助けを求める叫び声を聴いた人がいるともされています。

婚約者が領事館の外でジャマル・カショギが出てくるのを11時間も待ち続けました。次の画像に婚約者の姿が写っています。


トルコの当局は、早い段階からジャマル・カショギが領事館内で殺害され、ばらばらにされたとの見解を示していましたが、アップルの腕時計のデータを取れれば、その推定は容易になります。

リヤドから2018/10/2に到着した15人のサウジ人の動きからも彼らが殺人を実行したことは疑いのないところです。ホテルにチェックインしながらその日のうちにトルコを立ちましたし、領事館に入るところが記録されています。

領事館から窓ガラスを不透明にした黒いベンツのバンが出て総領事の公邸に入っています。


ジャマル・カショギの遺体が今どこにあるか、それだけがまだ把握されていませんが、トルコ側は、総領事公邸の庭ではないかと見ているようです。他の事実関係はほぼ解明されています。

トルコの警察か情報機関は、米国の情報機関かどこかが傍受したとされるジャマル・カショギに対するサウジの謀議の情報でカショギの行動を詳しく観察していたものとみられます。

トルコの当局が驚くほどに積極的に情報をリークしているほか、カタールのテレビ局アルジャジーラもこの事件を詳しく取り上げています。宿敵イランのFARSNEWSも詳しいです。RTは米国の動きを追っています。

イスタンブールで抗議行動が続き、国際的に事実解明を求める声が高まり、米国議会では上院議員22名がグローバル・マグニッツキー法の下での事実関係の調査と制裁の勧告に関する報告を行うようトランプに書簡を送りました。

この事件について、根拠のない話だと否定するだけだったサウジは、たまらずクラウンプリンスMBSの実弟である米国大使が本国に一時帰国しています。

当初本件について口数が少なく腰が引けている感のあったトランプも次第に事実解明に前向きにならざるを得なくなっています。ですが、トランプ自身、そして娘婿のクシュナー、そしてトランプ政権の高官の中にもサウジから金銭や便宜の提供を受けている者がいるとみられ、サウジに対してどんな姿勢を示すのか不透明です。

ボルトンとポンペオが別個にMBSに電話をしたとされていますし、トランプは米国はトルコ、サウジと接触していると述べています。そして、ジャマル・カショギの殺害が確認されれば、サウジに対して罰としての制裁を加えると発言するに至りました。

サウジは、これに反発し、無実を主張するとともに脅しに屈せず行動で応える、つまり報復すると宣言しました。これはトランプの発言を念頭に置いたものです。もう開き直るしかないという追い詰められたサウジの状況を示しています。

また、独、仏、英の外相は事実関係の説明を求める書簡をサウジに送りました。

一時、絶体絶命のMBSを救うためサウジが身代わりの首謀者を立てるとの推測も出ています。宮廷アドバイザーのSaud al-Qahtaniの名が挙がっています。ですがこの話は進展していません。

トルコ側の意図的なリークでこれだけ事実関係が白日の下に曝されると、この事件をなかったことにはできませんし、サウジの現国王、クラウンプリンスそしてその一族の国際的評価、信用は地に墜ちます。

MbSに対する評価は芳しくないものも少なくありません。MbSはリヤドでクーデター騒ぎがあった際に父親とともに米軍基地に逃げ込んだとされていますが、その後しばらく公の場に姿を現さなくなりました。精神的な問題があったのではないかと見られています。今回も追い詰められて逆上し何をするかわからないと警戒する声も出ています。

エルドアンとサウジの国王が電話で話をしています。サウジの病弱とされる国王は息子の暴走の収拾策に頭を痛めているでしょう。首謀者はMbSとされていますが、身代わりを出すならサウジだけで決断すれば足ります。

日本の著名な投資家孫正義氏は、MbSと組んで投資ファンドを作りましたが、その行方も不透明になります。サウジの国営石油企業アラムコの株式市場上場の話は消えました。今月下旬にサウジで「砂漠のダボス会議」が予定されていますが、欧米のマスメディアの中には参加を取り止めるところも出ています。

まるでマフィアを彷彿とさせる残酷なジャマル・カショギの殺害。ISISテロリストの残酷さと類似しているような気がするのは、ISISテロリストに対するサウジの深いかかわりを考えればなんら不思議ではないのかもしれません。

サウジは、911事件の賠償問題を突き付けられており、イエメン戦争での人道犯罪、カタールとの対立など負の遺産が増える一方です。

2018/10/14には、サウジの株式が大きく下落、10/15にはサウジのリアルが下落しました。

米国が見放せば、サウジは2週間で崩壊するとのトランプの発言は、現実味があります。サウジは、カネで米国をつなぎとめようにも財政は火の車です。

トランプは、ジャーナリストの暗殺事件よりも米国の巨額の対サウジ武器輸出の確保のほうが重要だとの立場を隠そうとしなくなっています。カナダも同じです。英、仏の指導者も同じはずですが、国内世論に押される形でサウジとのかかわり方に慎重な姿勢を見せています。

中東の国の中には、サウジがトランプにここまで侮辱されてもなにもしないことに驚く声も出ていましたが、制裁の威嚇には行動で対応すると述べ、けん制に出たことは、まさに殺害関与の事実を認めたことにつながります。

宿敵イランが公的な論評を加えたとの情報にはまだ接していません。サウジはイスラエルに助けを求めるのでしょうが、イスラエルもパレスチナに対する残虐行為で国際的な非難の的となっており、軽々には動けないでしょう。

泥沼にはまったサウジがもがく姿を周辺諸国は冷めた目でじっと見つめています。

日本で2018/10/16に日付が変わるころ、トルコ警察がサウジ領事館に入りました。

サウジ国王がサウジによる暗殺はないとトランプに強く否定。悪漢による殺人説が急浮上。カショギは領事館を出た後、悪漢に捕らえられ、どこかに連れ去られた。行方は分からない。ということにするとしたら、邪魔なのは婚約者です。次は婚約者が失踪、あるいは不審死する恐れがあります。

トルコ政府は交渉でいかようにも変わるでしょう。

カショギを誘拐してサウジに連れ帰る過程での尋問の行き過ぎで殺してしまったとの筋書きが浮上しています。国際世論の反応を見るためのリークです。これならば、政府により「計画された殺人」ではなく、実行行為に携わった者たちの「過失」だとなります。

これで王族、特にMBSは守れるかもしれません。ただ、カショギの遺体を示す必要があります。公邸の庭から掘り出す?! 公邸に保管されていたことにする?

どんな話を組み立てるのかはわかりませんが、MBSの真の姿がどうかという点については拭いきれない汚点が残ります。そんな人間が王位に就く!! そんな式典は見るに耐えませんね。

米国とサウジが「尋問の行き過ぎによる死亡事故」と扱うことでほぼ一致したようです。ですが、国際世論がそれで納得するとは思えません。


FARSNEWS2018/10/11
Report: Khashoggi Dragged from Consulate Office, Killed, Dismembered
TEHRAN (FNA)- Journalist Jamal Khashoggi was dragged from the consul general's office inside the Saudi consulate in Istanbul last Tuesday before he was brutally murdered by two men who cut up his body, sources close to the investigation told Middle East Eye.

Turkish officials stated that they know when and where in the building the veteran Saudi journalist was killed and are considering whether to dig up the consul-general's garden to see whether his remains are buried there, according to MEE.

Khashoggi has been missing since last Tuesday when he entered the consulate to obtain paperwork so he could remarry, and has not been seen since.

Since Saturday, Turkish officials have maintained that he was assassinated inside the building, but have not provided evidence or spoken on the record. Meanwhile, Saudi officials have stressed that the 59-year-old left the consulate soon after he arrived and are concerned about his whereabouts.

“I would like to confirm that... Jamal is not at the consulate nor in the Kingdom of Saudi Arabia, and the consulate and the embassy are working to search for him,” the Saudi consul-general, Mohammad al-Otaibi, said on Saturday after the consulate was opened to Reuters journalists, adding that “we are worried about this case”.

But a Turkish source with direct knowledge of the investigation has given MEE a detailed account of what investigators say happened in the consulate last Tuesday.

"We know when Jamal was killed, in which room he was killed and where the body was taken to be dismembered. If the forensic team are allowed in, they know exactly where to go," he stated.

Khashoggi first went to the consulate on 28 September and met with a Saudi diplomat in an attempt to get the papers he needed. The Saudi diplomat passed him on to a member of Saudi intelligence who said the consulate would be unable to provide what he needed that day, but he could return the following week, the source said. Khashoggi left the building on Friday with the telephone number of the intelligence official.

On Tuesday morning, Khashoggi called and asked if he should still come to the consulate and was told that the papers were ready for him, according to the source. His appointment was for 1 pm.

Half an hour before then, during the lunch break held at the consulate, all local staff members left for their usual lunch break which lasts an hour. As they left, they were told to take the afternoon off because a high-level diplomatic meeting was planned for the afternoon in the consulate, the source revealed.

As a time-stamped photo first published by the Washington Post has shown, Khashoggi walked into the consulate less than an hour later at 1.14 pm.

He was greeted by an official, and led into the consul-general's room. Shortly afterwards, two men entered the room and dragged Khashoggi out of the office and into another room where they killed him, the source said, without elaborating how he was killed.

Khashoggi's body was then dragged into a third room and dismembered, he added.

A Saudi source told Reuters that British intelligence believed there had been an attempt to drug Khashoggi inside the consulate that culminated in an overdose.

He said the information came from a British intelligence source. Contacted by Reuters, British intelligence did not comment. Asked about this account, a Saudi official said that “this death is not true”.

There are around 22 cars which are registered to the consulate of which between three and four are of interest to the murder inquiry.

One of them left the consulate building at 3:15 pm and went several hundred metres to the nearby consul general's home, the source stressed.

MEE understands that the prosecutor general is now considering whether to dig up the consul general's garden to see whether Khashoggi's remains are buried there.

A separate Turkish source told MEE that the consul general has not left his house for the past three days and has cancelled all of his appointments.

This source also stated that the Turkish police want to search the residence and also take all the cars which are registered to the consulate to a secure location to examine them, but the Saudis have not allowed this.

A source also told MEE the Saudis took all the hard drives from the security camera room at the consulate with them when they left the building.

The Saudis on Tuesday rescinded an offer they made originally to allow Turkish forensic experts onto the premises. Their offer was withdrawn after Turkish media outlets published a list of 15 Saudis who arrived in Istanbul on the same day Khashoggi disappeared.

The source who outlined the account of how Khashoggi was killed said that police investigators were confident they already had enough forensic evidence from searches of the sewage network connected to the building.

A second Turkish source with knowledge of the investigation told MEE that the Turks had video and audio evidence of the killing. However, they have not revealed how they obtained this evidence.

But particular attention is being paid to the Apple watch that Khashoggi was wearing when he entered the building. This is synced electronically to the iPhone that he gave his fiance before entering the building.

MEE has sought comment from the Saudi embassies in the UK and US.

straitstimesOct 7, 2018, 3:24 am SGT
Saudi Arabia opens up consulate after journalist vanishes

CNN2018/10/13
Istanbul (CNN)Missing Saudi journalist Jamal Khashoggi may have recorded his own death, a Turkish newspaper reported Saturday morning.
Khashoggi turned on the recording function of his Apple Watch before walking into the Saudi consulate in Istanbul on October 2, according to Sabah newspaper.

The moments of his "interrogation, torture and killing were audio recorded and sent to both his phone and to iCloud," the pro-government, privately owned newspaper paper reported. The Turkish newspaper said conversations of the men involved in the reported assassination were recorded.

Security forces leading the investigation found the audio file inside the phone Khashoggi left with his fiancé, according to Sabah.

Upon noticing the watch, Sabah reports, Khashoggi's assailants tried to unlock the Apple Watch with multiple password attempts, ultimately using Khashoggi's fingerprint to unlock the smart watch. They were successful in deleting only some of the files, Sabah reported.

However, on its website, Apple does not list fingerprint verification as one of the Apple Watch's capabilities. A representative from the company confirmed to CNN the watches do not have the feature.

It was not immediately clear whether it would have been technically feasible for Khashoggi's Apple Watch to transfer audio to his phone, which he had given to his fiancée before entering the consulate.

CNN cannot independently verify the Sabah report and is seeking comment from both Saudi and Turkish officials.
CNN intelligence and security analyst Robert Baer cast doubt on the claim, saying it was too far for a Bluetooth connection and that Khashoggi was unlikely to have anticipated transmitting a recording in advance. "I think what's happened, clearly, is the Turks have the Saudi consulate wired, they have transmitters," he told CNN's Anderson Cooper.

"The Turks don't trust any diplomats and they have been into most embassies and most consulates in Turkey and they listen to what's going on -- and if indeed there are tapes proving that he was murdered, I think that's probably how they know. But the Turks are very reluctant to admit that."

Saudi Arabia firmly denies any involvement in his disappearance and says he left the consulate that afternoon. His fiancée, Hatice Cengiz, who was waiting outside the consulate, says she did not see him re-emerge. Turkey has called on Saudi officials to provide evidence that he left the consulate, as they claim.

2018年10月13日
アイホォンの次はアップルの腕時計

2018年10月13日
ジャマル・カショギの失踪に世界的な注目が集まる 4

2018年10月13日
ジャマル・カショギの失踪よりもサウジとの武器取引に関心を示すトランプ

2018年10月13日
さあ、ソフトバンクグループ孫正義氏はどう動く


2018年10月12日
サウジの使節団がトルコ入り

2018年10月12日
Khashoggiの事件に米国が関与?

2018年10月11日
Khashoggi Murdered by Ex-Spokesman of Saudi-Led Coalition in War on Yemen

2018年10月11日
ジャマル・カショギの失踪に世界的な注目が集まる 3

2018年10月11日
ジャマル・カショギの失踪に世界的な注目が集まる 2

2018年10月11日
ジャマル・カショギの失踪に世界的な注目が集まる

2018年10月09日
ジャマル・カショギの失踪が世界的な「探偵小説」に

2018年10月09日
サウジの反体制ライターがイスタンブールの領事館で殺害された
posted by ZUKUNASHI at 11:00| Comment(1) | 国際・政治
この記事へのコメント
漸くシリア問題が解決に向けて動き出した。
ロシアにおけるシリア問題の主導権が大統領府から国防省に移行し始めたからだ。

イスラエルにしてみればプーチンこそがロシア内でイスラエルの利益を図るモグラだったわけだが、これはロシア国内では秘密ではなく常識に過ぎなかった。
軍内部には長い間これへの不満が燻っていた。何故なら、それが原因でシリア問題の解決が滞ってきたからだ。そもそも、イスラエル空軍が好き勝手にシリア領内へ空爆を続ける異常状態を認める者など軍には存在しない。
私が腐敗しているとしてプーチン政権を評価してこなかった理由の一つでもある。

近年、プーチンの統治力は低下し続けている。政治的にも支持を失いつつあり、シリアでロシア軍に無駄な犠牲を出すことで、軍への影響力も決定的に低下した。

イランではロシア関係を重視する余り、プーチンから伝えられるイスラエルの意向に従わされる不条理に対して、特に革命防衛隊内での反発が強かった。これは議会にもある。だが、この機に際してイランも政治的に強い立場をとることが可能になった。

シリアにおける活動にも弾みが付くはずだ。イスラエルが常に反発してきたイドリブ北部の恒久的海軍基地の建設も可能になるかもしれない。勿論、既にヒズボッラーへの兵站は強化されている。

イスラエル、ビビの立場は明らかだ。プーチンの弱化は、そのままロシアに対する自国の影響力の喪失を意味している。それでは今までの彼への投資が無駄になる。そのため、シリアへの空爆ができないのだ(笑)。

この一ヶ月間、シリア領空へのアクセス権を制限されていることへの焦りが見え始めている。特にイランの動向とヒズボッラーへの兵站強化は耐え難い問題だ。その事とプーチンの政治的立場への配慮との板挟みに藻掻く様は滑稽ですらある。

ここでは触れないが、サウード問題はエルドアン問題ともいえる。アブドラ国王の死が公式になる数年前から今日の状況は予想されていたからサウジアラビアについては先は見えているが、トルコの保身がこれに加わるからシリアも絡めた問題となる。

ともあれ、シリアの開放を真剣に求めてきた者にとって状況の好転は確かなようだ。

(便宜上、ここに投稿させていただきました。)
Posted by Driyos at 2018年10月16日 14:44
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。