英米仏発射ミサイルの7割をシリア軍が無効化、シリア攻撃は無意味で逆効果に: ずくなしの冷や水

2018年04月16日

英米仏発射ミサイルの7割をシリア軍が無効化、シリア攻撃は無意味で逆効果に

英米が、4/14のシリア攻撃は成功したと述べていますが、実態を知る世界の軍事関係者は驚いているはずです。

英米仏が発射したミサイルの7割をシリア軍が旧式なロシア製迎撃システムで撃墜または目標をそらさせたからです。
a total of 71 cruise missiles out of 103 had been intercepted by Syria

これはすごい迎撃率になるはずです。数週間前にシリアはイスラエルの戦闘機を撃墜しています。

ロシア軍は、シリア内のロシア軍配備の基地にS400、S300を配備していますが、シリア軍には供与していません。S200までです。
"Syria's means of air defense: S-125, S-200 air defense systems, [as well as] Buk and Kvadrat units were used in the repelling the missile strike,"

数年前にシリアからのS300配備の要請をロシアは西側友好国の要請で見送ったとあります。ロシア軍基地に向けたミサイルの発射はなかったようですからS300、S400が発射されることはなかったはずですが、旧式のものでもこの迎撃率を示したことは驚くべきことです。

もちろん、ミサイルが巡航ミサイルであり、弾道ミサイルと異なり速度が遅いために迎撃しやすいという面はあるのでしょう。弾道ミサイルならここまで迎撃できたかは疑問です。ですが、弾道ミサイルの精度は落ちますから限定戦闘の場合は使いにくく、今回も巡航ミサイルになったと見られますから、ピンポイント攻撃をしようとしても迎撃されてしまうという実績を残したことになります。

よく分からないのは、少なからざるミサイルが目標を外して落下していると見られることです。1年前のトマホーク攻撃の際も同じでした。迎撃ミサイルが撃墜できなくてもその近くで爆発すれば目標をとらえることができないということなのか、それとも巡航ミサイルの操縦装置の機能を阻害する何らかの武器が使われているのかは不明です。

シリアの軍部トップは、今回の成果を誇っています。ロシアは、対シリアS300供与を再び検討することになる可能性をほのめかしています。

今回の攻撃に備え、シリア軍は軍用機をロシア軍基地に避難させたとの情報があります。ロシア軍は自軍の兵士らに被害が生じた場合、発射元を攻撃すると明言しました。

そのため、米軍は米ロの戦闘がエスカレートし、コントロール不能な事態になることを恐れてロシア軍の駐留する場にはミサイル発射を控えたのです。米軍は、シリア攻撃に先立ってロシアに通告したとされています。

それに土曜の未明の攻撃です。シリアの官庁や銀行などの営業時間は、日〜木曜9:00〜15:30頃とされますから軍の施設を除いて研究機関も人が少なかったはずです。

シリアの被害が最小限で終わったこと、米ロの直接対決が避けられたことに安堵します。今回も部分的とは言え、ロシアの軍事的優位性が明らかになりました。

米国国防長官マティスは狂犬というあだ名があるそうですが、トランプの広範な空爆に抵抗したとされます。収拾がつかなくなるという理由です。

米国とその同盟国は、イラク、シリアの戦争で敗れました。傭兵と彼らが使う武器の確保維持に多額の費用を投じていますから、そのスポンサーの手前もあり、すんなり撤退とは行かないでしょうし、海外侵略による利権確保は米国経済の大きな柱となってきましたから、それを今後すべて止めるなどという決断は期待する方が無理です。

ただ、ロシアが徹底した情報公開策に出ていますから中東やアフリカ、南米の国々は経緯を詳しく知っています。このシリア戦争の記録は歴史に詳しく記録されます。中東の国が米国に対する従属・追随政策を続けながらも、その危険性を強く認識する結果になっています。

英国在住のアラブ専門家Abdel Bari Atwan(the editor-in-chief of Rai al-Youm newspaper)は、
US-Led Aggression Likely to End Washington's Presence in Region と書いています。米英仏による今回のシリア攻撃は、アサドには戦争がほぼ勝利に近づいたのに毒ガスを使う動機はまったくないというそもそも論で米英仏の口実を批判する声が強く、3カ国による攻撃は逆効果となっています。

これから米国がロシア、イラン憎しで対シリア、対ロシア、対イランでどのような政策に出るかは分かりませんが、転機が来ていることは間違いないと見られます。
posted by ZUKUNASHI at 14:45| Comment(1) | 国際・政治
この記事へのコメント
自分の確固たる哲学と思想を持つていないトランプは、大統領になつてワシントンに来て力の信奉者たちに完全に洗脳されました。トランプ大統領のシリアへのミサイル攻撃は、失敗で演技ですね。第1に、欧米は本格的攻撃ならばシリアの防空レーダーと対空ミサイル兵器を破壊します。第2に、欧米は、大きな戦争なら初めに電子戦でシリアの指揮中枢を破壊しますが、しなかつた。第3に、ミサイルが古く、スピードが遅くて撃墜された、超音速ミサイルの時代ですね。第4に、一番恐ろしいのは、力の信奉者になつたトランプ大統領です。
Posted by 西 亨 at 2018年04月16日 16:46
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