ルテニウム106からパラジウムを作っているところがある? 現代錬金術 : ずくなしの冷や水

2017年12月09日

ルテニウム106からパラジウムを作っているところがある? 現代錬金術

2017/9月末から欧州で観察されたというルテニウム106の線量率上昇は、放出源が不明なままです。フランスの原子力関係機関IRSNがウラル南部の核施設から放出されたとの推定を次の図までつけて発表しましたが、ロシアが否定。




その後もロシア国内に放出源があるはずとの推測が消えない中で、疑いをかけられたロシアの核関係の研究所が、2017/12/8、ルテニウム106の放出に関する国際委員会設置を提唱しました。

なぜ放出源が分からないのでしょう。ルテニウム106は核反応生成物です。当初原発の事故で放出されたとの疑いがありましたが、ルテニウム106以外の放射性物質の濃度は特に変化はないようですから事故による放出ではありません。

それに放出が何か月も続いています。これだけ話題になり放出源探しが行われていても放出が止みません。放出源は止めるつもりはないようです。

ルテニウム106は、医療用の線源として使われますからその用途面からは供給者が分かるはずです。ですが、その面からの調査が行われたとの情報がありません。結果もわかりません。

おかしい、なぜルテニウム106だけが漏れている? 何か別の用途のために製造しているのではないか。

同重体元素系列図(126-135)でルテニウム106の崩壊系列を調べると

Ru-106 → Rh-106 → Pd-106 とあります。ルテニウム→ロジウム→パラジウムです。ロジウムとパラジウムは貴金属に分類されます。特にパラジウムは触媒や水素吸蔵合金として利用される価値の高いものです。ルテニウム自体触媒として有用なようですし、ハードディスクの表面に塗られたり、合金として万年筆のペン先に使われています。



日本ではルテニウムが80%含まれた「自然ルテニウム」が北海道で発見されているのだそうです。

ルテニウムは原子炉を使わなければ得ることができないものではないのですが、その後の崩壊過程で生ずる子孫核種を得ることが目的であれば、ルテニウムの同位体を高純度で得られるようにするでしょう。ルテニウム108を生成できれば半減期4.55分で安定なパラジウム108ができます。

原子炉の中で他の元素からルテニウムを生成させているとは考えにくいです。分離、精製過程が大変な作業になります。

天然のルテニウムに中性子を当てるなどしてルテニウムの同位体を作っているのではないかというのが管理人の推定です。ルテニウム108は直ちにパラジウム108に変わるほか、ルテニウムの他の同位体のいくつかはロジウムに変わります。



原子炉があれば、この作業は可能でしょう。現代錬金術。専門家はどんなふうにやっているか推定がつくことでしょう。

今回のロシアの提案が国際委員会の設置につながるかどうかは分かりません。一種の査察ですから嫌う国もありましょう。

RT2017/12/8
Russian nuclear institute proposes intl commission over ruthenium-106 'emission'
The Nuclear Safety Institute of the Russian Academy of Sciences has initiated the establishment of an international commission to inquire into the reported emission of ruthenium-106, TASS reported Friday. The Russian government had already ordered the formation of a new inter-departmental group on ruthenium-106, according to Rosatom representative, Andrey Ivanov. The inter-departmental inquiry panel has found no traces of ruthenium-106 in test samples taken at the Mayak plant in the Chelyabinsk Region.

今回の件でフランスの原子力関係機関IRSNはかなりいい加減な仕事をしていることが分かりました。福島第一原発事故時の放射性物質の在庫量などについて推定を行っていますが、ウラン関係の推定値がないなど不備なものでした。このIRSNの推定値を使うのは慎重にしなければなりません。

希少金属を得るために核反応を使うという例は増えるのかもしれません。プルトニウムをより多く得るためにそれに適した原子炉の運転をするような場合もあるようです。

原子炉の使い方が多様化すればするほど、放射性物質の漏洩は増え、事故の危険性も高まると警戒しています。

2017年12月09日
ルテニウム106の放出源はロシアではないようだ ロシアが放出源に関する国際委員会設置を提唱
posted by ZUKUNASHI at 11:20| Comment(0) | 福島原発事故
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