

その結果から次のようなことが分かりました。
@ 福島第一原発事故後の放射性物質の降下状況を最も良く保存しているのは、ブロック塀の天端、上端のコンクリートモルタルが詰められ、平に均された部分です。

A 表面がザラついていて凸凹が大きいことと、またコンクリートに放射性物質が結合しやすいためと見られます。
B ブロック塀の上端は、二次的な汚染蓄積がありません。
C このような場所は、掃除されることもなく6年前から風雨にさらされたままとなっています。つまり人の手が加わっていません。
D 雨水が溜りやすく泥などが溜っている場所は、ガンマ線は高いのですが、アルファ線に関しては泥に埋もれるためでしょう検出数がわずかです。このため、アルファ、ベータ、ガンマの合計では必ずしも放射線数が大きくはありません。
E ブロック塀の上端に次ぐ保存状態の良好さでは、経年変化で表面が荒れた道路の縁石、コンクリート構造物の平らな水平部分です。

管理人が新松戸駅近くで250cpmを検出したのがおそらく千葉県以西では最高値になるでしょう。
A 測定は、あちこち何箇所も測ってみてください。測定する面の形状で放射性物質の保存状態が異なります。5m離れた場所でも数値が大きく異なることがあります。
B 測定中は、画面を覗き込まないでください。ベータ線が出ていると目に悪いです。手鏡のようなものを使うかカメラで撮影して数値を確認します。音が鳴る、ランプがつくものはそれで大体のカウント数が分かります。
C 測定はcpm表示でやってください。アルファ線・ベータ線を含めたSv/h表示は、本当は意味がありません。
D 測定器のアルファ線検出部の直径を教えてください。4.5cmとか。
E 最初にアルファ線・ベータ線・ガンマ線込み込みで測定して紙を挟む、アルミ板を挟むと手順を踏めばアルファ線・ベータ線・ガンマ線ごとの放射線数が推定できますが、他人様の塀の上ですと余り時間もかけられませんから、込み込みの数値に留めましょう。
F その家の方に「何をしている?」と聞かれたら、「ここを通りかかったら放射能が強かったので、塀の上を測定させてもらいました。少し高いです。だいたい○○μSv/hです。この塀の上の部分を長時間覗き込んだりしないほうが良いかもしれません」と正直に答えたほうが良いと思います。
測定結果は、このブログに掲載してある東葛地方などの測定結果と比較して、読者のお住まいの地域の汚染度合いを推定してください。
市町村名と機種、込み込みの測定結果をお知らせいただければ、まとめてみたいと思います。
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測定に協力してくれた読者が意外にベータ線が高いとの感想を述べておられます。ここはなかなか重要な点です。
セシウム134、137だけの点線源を測定した場合、最初の崩壊によるベータ線とそれに続く崩壊によるガンマ線の双方が出ますから、器械の検出効率が良ければ長い時間をかければガンマ線とベータ線の数は等しくなるはずです。
ですが、それに差が出ることは
@ 器械の特にベータ線に対する検出率が低い
A 線源からの距離があり、離れたところで崩壊したセシウムのガンマ線は拾うがベータ線は届いていない。
によるものと考えられます。
ブロック塀の上端のように地面から1.5m以上も離れていて建物からも距離があるような場合は、器械に届くベータ線は極めて限られ、しかも検出部がコンクリートに接していますから回りからのベータ線はほとんど拾っていないはずです。
管理人が測定した結果では、ガンマ線とベータ線の数がほぼ同じ例がありましたが、このような例では測定面にセシウム以外にストロンチウムのような専らベータ線を出す核種が多いということになります。
アルファ線が少なからず検出されることもありますが、ウランが表面に固着していればありうることです。
実は、この測定は結果によっては震撼させられるものでもあります。脅してごめんなさい。まあ、込み込み換算55comですから管理人の住む環境に比べれば比較になりません。
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サンフランシスコ海岸の線量率を写した次の動画は、何度も引用しました。この測定では、空中を飛ぶアルファ線源、ベータ線源の出す放射線がとらえられています。
Fukushima radiation hits San Francisco (Dec 2013)
林を抜けて砂浜を見下ろす場所48〜54cpm 地上高1.5M程度か。波打ち際に到達 線量率が大きく上がる。84cpm。
水際まで10m程度、112cpm。
水際まで10m程度、152cpm。その後114cpmまで下がる。
この大きな変化は、放射性物質が空中を飛んでいるからです。55cpm程度の変動があります。つまり、このときは、読者Cさんの花壇のブロック上辺に付着している放射性物質とほぼ同じ崩壊数の放射性物質が空中を飛んでいたということになります。
CPMは同じ測定器(形式が同じでも別の器械ではダメ)で各地の測定をしてその測定値を比較
するのは意味がありますが、
他人が使っている別の器械のデータと比較するのはダメです。意味がありません
これは放射線測定者が絶対にやってはいけないこととされ教科書にも載っています。
ベクレル値は絶対値ですので比較できますけど、ハンディ機でベクレル測定できるものはない
はずです。仮にあったとしてもトンデモ機の部類ですね
機種が分かれば、検出器が分かりますから、検出能力が分かります。
ベクレル値と個人用の放射線量測定器のcpmはまったく違います。
個人用測定器はキャリブレーションもなされておらず、そもそも厳密な測定値と言えるものではありません。GM-10も同じです。経年変化もあります。
高価な機械が使えない個人レベルではその非厳密性は止むを得ないものです。
GM-10の常時測定でcpm表示のものもありますが無価値だと思いますか?
ご理解されているではありませんか
だから第三者が持っている測定器で測ったcpmとずくなし様の測ったcpmを比較するのは
意味がないと申しあげているのです。
>ベクレル値と個人用の放射線量測定器のcpmはまったく違います
cpmをその測定器の計数効率で割った値がdpmです
dpmは1分あたりのカウントですのでそれを60〈秒)で割ればdps=ベクレル値が出ます
ですから全く違うというのはあたらないとおもいますが?
計数効率を出すには、あらかじめ値のわかっている標準試料を測定して、その測定値を
標準試料の値で割ることにより算出できます
標準試料は国立大学のアイソトープセンターにお願いすると測らしてもらえます
実際にやってみると測定器によって出る値はバラバラです
同一機種でも個体によって驚くほど効率が違います
InspectorとPRM9000は使っている検出器が同じようですからアルゴリズムに起因する多少の違いがあっても検出水準が倍半分も違うということはないでしょう。
お考えを敷衍すると「測ってガイガー」に多くの人が善意で寄せた測定記録などまったく無意味という見解に理解されますが。
いや、あれは測定単位が「μSv」なので立派に意味があります
cpmで比較することに意味がないと申し上げているのです
昨日測定しました。
横浜市南区 北側に開けた高台(海から遮るものほぼなし)
自宅庭の花壇、ご指定通りのブロック上
天気は曇、北風、放射線量統合グラフは平穏
Polimaster Pm1405 直径3センチのパンケーキ型(約7p2)
アルファー含む(1h50mの平均値 誤差4%内)
24.6cpm 3.5cpm/p2
ポリ袋挟んだβ含む(30mの平均値 誤差6%内)
25.2cpm 3.6cpm/p2
鉄製の蓋をしΓのみ(2hの平均値 誤差18%内)
16.4cpm 2.34cpm/p2
(2回目計測 1h平均値 誤差13%内)
17.1cpm 2.44cpm/p2
よろしくお願いいたします。
検出部分の面積で比例計算をすると、私の器械では55cpm相当ですね。アルファ線を除くためにポリフィルムを挟むとかえって数値があがることがあります。17.1/24.6=0.7 7割がガンマ線ですね。込み込みの数値55cpmは、千葉県北西部との比較では、ランダムに測った測定例の中ではとても低い水準に属します。
ただ、私が観察している透水性のブロックよりは表面線量が10cpmほど多いです。
やはり関東は、どこもこの程度はありそうですね。
β線の割合が意外にも高いと感じました。
初期のまま残っているという見立てが、当たっているのでしょう。
雨で洗い流されているであろう平地で測ると、β線は半分くらいな気がします。
なかなか時間が取れないのですが、また時間をみて、計測してみます。
よろしくお願いいたします。