そのとき東海第二原発は?: ずくなしの冷や水

2017年05月30日

そのとき東海第二原発は?

茨城県は、東日本大震災の際に東海第二原発が100回以上にわたってベントをし危機を乗り越えたとされるのに、関係するデータを徹底的に隠蔽しています。

次は茨城県のモニタリングポストの表示が消えた期間を示します。すべてを記載してありませんが、早いところは3/11の23:30から表示が消えています。その頃から線量率が急上昇したと推定されます。東海第二原発がベントを始めたのです。

そして表示が復活した最も遅い時刻は3/14の11時40分、19時20分などで3/15の16時まで表示が消えていたところもあります。

つまり、東海第二原発からは、地震当日の3/11の深夜から活発に放射性物質を放出しはじめ、それが3/14の昼頃まで続いたと推定できます。

既に6年間が経過し、情報公開があってもしかるべきと考え、日本分析センターが国の委託で整備しているらしい環境放射線データベースで調べると当時のデータには変調が見られません。

今回、原発事故に伴いSPMの濃度が高まることに気づき、茨城県のSPM観測データを探しましたが、2011/3については日次、時間ごとの数値を探し出すに至っていません。

ですが、隣県のSPMのデータ見ると、2011/3/12から3/14にかけて上昇やピークが見られます。

まず、東海第二原発に最も近い栃木県の大気環境測定ステーションである益子町役場、2011/3/13の昼前に約40μg/m3(単位は以下同じ)に上がり、3/14の午後には60近くまで上昇しました。

3/15には関東を広くプルームが襲いましたが、益子町役場に関しては、3/15より3/14の濃度が大幅に高くなっています。


栃木、千葉の茨城県に近い位置にある測定ステーションを加えて比較します。


2011/3/12午前は、千葉県北部の我孫子市湖北台、香取市大倉で大きく上昇。3/12の正午を過ぎるとこれらのピークもなくなり全体的に下がりましたが、その後じりじりと上げています。この上昇をリードしたのは野木町役場です。

3/13の午前になると、我孫子、そして益子町が上昇しています。3/13の夜にかけては、野木町が大きく上昇しピークをつけました。

3/14の午前には、我孫子、千葉市真砂が大きく上昇しますが、昼前に失速急低下し、午後も低水準でした。一方、野木町、小山市役所、足利市役所などが上昇、益子町は午前の我孫子に並ぶ高いピークをつけました。

SPM濃度の比較では、3/14とプルーム第一波から第四波が襲来した3/15とでは、むしろ3/14のほうが高いところも少なくありません。

3/14までの浮遊塵が東海第二原発を起源とするものであれば、それには短寿命の放射性物質が多かったと見られ、時間の経過とともに放射能は急激に低下したと考えられますが、放出源の近くでは極めて高い放射能があったはずであり、その証言もあります。

常陸太田市真弓の主婦は、次のように綴っています。

「茨城県常陸太田市の真弓に設置してあるモニタリングポスト。いつもその小学校の先生方が数字を見ているから異変に気づいた。震災後に通常時の約10,000倍の放射能を記録したのを。知識が無かったのか、壊れたかと騒動になったらしい。平常時0.02μSv/hr→200μSv/hrくらいだったらしい。ただし、3月12日の何時かは不明です。」
「家族3人が喉が痛いという急性症状があった。(私は焼けるような、喉の痛みが2週間続いた。)」

小学校が開いている時間帯のことです。2011/3/12の午前中か午後の早い時間でしょう。真弓のMPの表示が消えたのは3/13の14:20までです。

線量計の測定データがあるわけではありませんが、茨城県中部にお住まいの方が3/14の夜(3/13の夜かもしれません)から家族に気分の悪くなった人がいたと教えてくれました。

東海第二原発で放出された主な放射性物質は半減期の短い希ガスなどの放射性物質であれば、その放射能は短時間で減衰していきます。

例えば、キセノン135の半減期はわずか9.2時間。1日と少しで8分の1になります。そして長寿命核分裂生成物の1つであるセシウム135に変わりますから、その放射能を検知することは難しくなります。

キセノン133は、半減期約5.2日でベータ崩壊し安定同位体のセシウム133になります。放射能を持ちません。

短寿命の放射性物質が数日かけて流れて来ると、すでにその放射能が著しく減衰していたり、他の物質に変わっていますからガンマ線測定器でその放射能を把握することは困難なことが多いのです。

しかし、消えてなくなるわけではありません。そのカスが残ります。それは微粒子状ですから、SPM濃度としては検出されることになります。

我孫子では3/14の正午前にストンと濃度が落ちていますが、これはその時点で南南西の強い風に変わったからです。


阿修羅掲示板2014/1/25
首都圏の汚染源は福島第一ではなく,東海村原発のベントだった!! (とある原発の溶融貫通(メルトスルー)) 
5月20日、長生村にて東海村村長村上氏の講演が行われました。
ここからは、村上東海村村長のお話です。
「昨年3月の大震災で、東海村は震度6強で、5.4mの津波を受けました。原発の電源は断たれ、非常用電源3台のうち、1台が津波でダウン、原子炉内が高圧になり危険でしたのでベント(原子炉内の高圧ガスを抜く)を170回行いました。
幸い海辺に6.1mの防護壁を1日半前に完成していました。
70cmの差で津波を防ぐことができて2台の非常用電源が動き出しました。
防護壁の完成がなかったら福島原発同様に爆発したでしょう。
危機一髪でした。」

ガスが放出されたというのが一般的な理解ですが、関東の広い地域にまでSPMの濃度を高めるほどの浮遊塵が観測されています。本当にガスだけだったのでしょうか。

次はつくば市にある気象研究所の公表資料から取ったものです。1日分が四つの点で示されています。2011/3/12から3/14の欄を良く見るとヨウ素131、セシウム134、137が3/12からわずかですが増え始め、3/14の4番目の点、つまり18時から24時の間に値が急増する前の2番目の点、つまり6時から12時の間にヨウ素131の値がかなり大きく上がっています。


3/12、3/13、3/14午前の60時間の間に170回のベントをしたということは、21分に1回ベントをしていたということになります。

燃料棒の損傷がどの程度生じたのかなどについては分かりませんが、少なくとも高温の水蒸気だけを逃すベントではなかったわけでしょう。のどが焼けるように痛んだという証言もあります。

関東では茨城県を初めとして2011/3の死亡数が増えました。管理人は、これは主として福島第一原発事故による影響と考えていましたが、東海第二原発の影響もかなりあると考えを変えました。

東海第二原発がベントを重ねただけで千葉市真砂や野木町に至るまでの広域でSPM濃度が大きく上昇しています。この浮遊塵が半減期の長い放射性物質だとしたら、関東地域の住民の被曝は極めて大きくなったでしょう。

東海第二原発は、現在休止中ですが、2018年運転開始から40年を迎えることから、それを超えて運転するには今年2017年8〜11月に運転延長の申請を要するとされています。

・・・・・

環境省のデータベースに各県のSPMの1時間値が収録されていることを知り、茨城県の観測ステーションのいくつかをグラフ化しました。





石岡市では、2011/3/13の昼過ぎに140μg/m3まで濃度が上昇しています。頭痛などの体調不良を訴える人が出ても無理ありません。




管理人の推測は当たっていたといえるでしょう。
ですが、そうなると、次には当時茨城県にお住まいだった方の健康障害が懸念されることになります。

そしてもう一つの難題も。上の茨城県内のステーションの測定値は、いずれも3/18の午後にピークが出来ています。これは千葉県などでは見られないものです。福島県内のステーションの測定値にはあります。

この期間は、次の気象研究所のシミュレーションに見るように福島第一原発から放出された放射性物質は、東に飛んでいたはずなのですが、これがどこから来たか分かりません。3/14の爆発によって空高く舞い上がった粉塵が4日を経て地上に降下してきた?



さらにもう一つ、茨城県の観測ステーションの測定値では、3/15、3/21に関東南部を襲ったプルームの浮遊粒子状物資が観測されていません。3/15には国道6号に沿ってプルームが南下していますし、3/21には鉾田辺りから上陸したもののほかに茨城県北部から栃木県に入ったプルームがあるはずなのですが、どちらも茨城県内では高いSPM値を示していません。

茨城県内では空の相対的に高いところを流れていて、関東南部に到達する頃には次第に高度を下げていた、という推測も成り立ちます。空間線量率の変化は記録されていますから、空からガンマ線はたくさん降っていたが、吸気被爆に結び付く地上高3m程度では粒子状物質の濃度は低かったということになりそうです。
posted by ZUKUNASHI at 21:19| Comment(1) | 福島原発事故
この記事へのコメント
このデータと分析は、まさに「黄金の褌」ですね。凄い!
Posted by ぷう at 2017年05月29日 19:47
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