ホワイトフードマップの使い方: ずくなしの冷や水

2017年05月20日

ホワイトフードマップの使い方

2017/5/20、次のコメントが寄せられました。管理人が知る範囲で少し説明します。引用開始。

ホワイトフードの発信する「ただいまの空間線量」は、一目見て線量の微細な上昇が分かると頼りにしてきましたが、直近30日の平均値と現在値を比較しているため、継続して異常値が続いてしまうと、それが平常値と判定されてしまうことに気づいたところでした。@ 

猪苗代湖の周辺から東側に向けて(自治体のHPに雪解け時は数値が高くなる傾向があるという説明もありましたが、まだ寒いうちから)暫く上昇が続いていたように思うのです…。A

今まで数値が低かった地域に、福一から薄く継続して放射性物質が流れ込んでいるのではないかと、素人ながら心配して見ていました。B

数年前千葉県の山間地方に出掛けた際、そこは空間線量も地表近くも同じ線量でしたが(γ線のみ0.14)、僅か数時間の滞在で、カナリヤ体質の私は帰宅後気管支が苦しくなりました。C

空間線量と地表近くの線量が同じ場合、内部被曝する危険性が高いと思います。D

その時は帰宅後ネットで調べたところ、その地域は剪定業が盛んで、汚染により剪定した木々を焼却場に引き取ってもらえず(焼却灰が国の基準値を越えてしまう)、やむを得ず自分の敷地内で焼却しているという記事を見つけました。E

地元の人間ではないため真偽の確認は出来ていませんが、とても悲しいことだと思いました。

自分も様々な体験から、空間に放射性物質が漂っている状態は、例え線量が低くても危険が高いと感じます。F

土地のベクレルと、空間線量の変動の二つの情報をあわせた形で安全性を確認できたらどんなに良いか…。G

と、ここまで書いていて、やはり原発は人間には操れない、作ってはいけない、再稼働などもっての他と強く思います。H

・・・引用終わり・・・

とてもよく観察しておられます。

@について
ホワイトフードのマップは、過去30日平均の空間線量と比較して、数値が上がった場合
赤: 30日平均の2倍の空間線量
黄: 30日平均の1.5倍〜2倍未満の空間線量
橙: 30日平均の1.25倍〜1.5倍未満の空間線量
青: 30日平均で1.25倍未満の空間線量
で表示されています。

1.25倍までは青い表示のままですから、微細な上昇がわかるというのは少し言いにくいです。0.075μSv/hが0.094μSv/hを超えないと橙になりません。
降雨のある場合、25%程度の上昇はあります。この場合は上空の放射性物質が雨で地上に運ばれています。ホワイトフードのマップが示す線量率の変化はかなり大きいものだと考えたほうが良いでしょう。

A 上昇率を測定するのに直近30日の平均値を基準としていますので、この間に異常な線量率の変化が起きるとランプの色が実態を適切に示さないという事態はありえます。

融雪の場合が典型です。寒い頃から上がっていたというご指摘はもっともです。降雪があって野も山も街も雪で覆われると空間線量率は0.05μSv/hくらいまで下がるでしょう。

ですが、今は車社会なので翌日から道路の除雪が始まります。まず道路、そして校庭、事業体の敷地などが除雪されれば線量率上昇要因ですが、上がり方は緩やかです。特に会津地方のように野山が多いところは除雪せず春まで雪が残る空間も多いので、本格的に温度が上昇し始めると線量率がぐんぐん元に戻り始め、初降雪前の例えば0.12μSv/hに戻るまで青以外のランプが点灯します。

次のように放射性物質の追加的な降下があった場合でも青以外のランプが点灯しない場合もあります。

1日目の1μSv/hが毎日0.02μSv/h上がって30日目に1.58μSv/hになったとします。31日目が1.6μSv/hだとしますと、30日間の平均が1.29μSv/hですから1.24倍で青から橙には変わらないことになります。

どんな基準の取り方をしても難点はあります。ランプ点灯の仕組みと限界を知ってその上で利用しましょう。この地図形式は、とても便利です。プルームの動きが分かりやすいです。

B 会津地方は、必ずしも線量率が低くはありませんし、冬の間もF1から放出された放射性物質が降り続いていたことは間違いありません。積雪の表面に積もっていたわけです。

C 千葉県の山間地方で、ガンマ線の空間線量が地表近くも地上高1m程度も同じ線量(γ線のみ0.14)だったとのことですが、この地域はガンマ線源の濃厚汚染地域ではありません。

山あいですとガンマ線は山からも飛んできています。ですから1m鉛直方向に動かしても検出するガンマ線の数はほとんど変わりません。

ガンマ線のみを検出する測定器を地表近くに下した場合に線量率が上がるのは(1)地表のガンマ線源が出す弱いガンマ線も拾っている、(2)地面にガンマ線源の塊がある(そのため距離の二乗に反比例して検出するガンマ線の数が増える)ことが考えられますが、セシウムも減衰が進んでいますので(1)による差は小さくなっていますし、地域的に(2)の可能性も少ない場所です。

ただ、山間部の場所が不明ですが、房総半島にはベータ線源やアルファ線源が相対的に少なくないのではないかと見られる地域もあります。「気管支が苦しく」なるという体調変化は、ベータ線源やアルファ線源、ガンマ線源を含めた放射性物質が空中を浮遊していた可能性が高いです。

ウランなどの崩壊系列の長い放射性物質が今どんどん崩壊を続けています。当面、これらの崩壊系列に属する核種全体としては減るよりも増えて行きます。

Dについては、上のところから一概には言えないと考えますが、空中を放射性物質が浮遊しており、それが空間線量率をほぼ規定するという状況であれば、お考えのようなこともいえます。2011/3/15正午ころの東京駅八重洲口では地上1.5mよりも地表近くの方が線量率が少しは低かったでしょう。

Eの剪定業の情報はとても興味深いです。市原市では、東京電力の伐採木から作ったチップが琵琶湖岸での投棄を経由して持ち込まれ、堆肥に加工されたとの情報もありました。市原市の北部で管理人がウォーキング中、0.4μSv/h程度の空間線量率を長い時間観測した体験は記事に書きました。

Fはお説の通りと考えます。

G 「土地のベクレルと、空間線量の変動の二つの情報をあわせた形で」把握するのはあまり意味がありません。土地のベクレル、つまり放射性物質濃度は狭い地域でも差はありますが、おおむね分かっています。すでに6年が経過し、当初降下した放射性物質は流出したり沈着固定化しています。もちろん、それの再浮遊がありうるわけですが、再浮遊はかなり大きな地域的広がりでとらえないといけないので、地域の広い粗い数値でも使えます。

一方、空間線量率はガンマ線の変動が傾向を示すといえますが、これからはベータ線やアルファ線にも注意が必要になってきます。特にアルファ線源の多くは半減期が特に長いので、何世代にも、いやほぼ永遠に続く問題です。アルファ線源はベータ線源を生み出します。

H 強く同意します。
posted by ZUKUNASHI at 13:11| Comment(0) | 福島原発事故
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